ゆうちょ銀行には、いつでもお金の出し入れが可能な通常貯金以外に、期間を決めてお金を預け入れる「定期貯金」と「定額貯金」があります。この記事では、定期貯金と定額貯金の仕組みや金利、解約方法について解説します。貯金をする際の参考にしてください。
目次
ゆうちょの定期貯金とは
他銀行の「定期預金」とほぼ同じ
ゆうちょ銀行の「定期貯金」は、その他の銀行で取り扱っている「定期預金」と同じような仕組みです。預入金額は「1,000円以上/1,000円単位」で可能となっており、預入時に1カ月~5年の間で預入期間を設定します。
預入期間中の資金の引き出しは、基本的にできません。お金が必要なときは、預入期間が過ぎる(満期がくる)まで待ちましょう。
満期時に資金を引き出す必要が無いときには、再度同じ預入期間の定期貯金へ自動的に預け入を行う「自動継続」を選択することも可能です。なお、適用される金利は、自動継続時点の店頭金利となります。
金利が満期期間ごとに設定されている
定期貯金の金利は設定した預入期間ごとに設定される仕組みですが、2018年3月現在の定期貯金の金利は、1カ月~5年までのどの預入期間でも0.01%となっています。ちなみに、同時点における通常貯金の金利は0.001%です。
定期貯金を満期まで保有した場合、定期貯金には通常貯金よりも高い金利が適用されることが一般的です。ただし、満期前に解約をしたときには、「途中解約利率」が適用されるので注意してください。途中解約利率は、約定金利(預入時に適用された金利)よりも低くなることがほとんどです。
ゆうちょの定額貯金(定額預金)とは
預入半年後からは自由に引き出し可能
ゆうちょ銀行の「定額貯金」は、定期貯金と同様に「1,000円以上/1,000円単位」で預け入れができます。6カ月の据置期間が経過した後は、窓口での手続きによっていつでも自由に現金を引き出すことができます。
預入後3年までは、適用される金利が半年ごとに複利で計算されます。ただし、2018年3月現在の定額貯金の金利は、預入期間に関わらず0.01%です。
最長で10年貯金できる
定額貯金は6カ月経過後であればいつでも引き出すことができますが、資金を使う予定が無いときには、10年間預け入れておくことも可能です。預入日から10年の間は半年複利で利子が計算されていき、10年を経過した定額貯金には通常貯金の金利を目安とした金利が適用されます。
10年経過後は、定額貯金を自動的に払い戻し通常貯金に振り替える「満期振替預入の取扱い」も利用することができます。
ゆうちょと他行の金利を比較
ゆうちょ銀行の金利
2018年3月現在のゆうちょ銀行の貯金金利は、次のとおりです。
通常貯金:0.001%
定額貯金(6カ月):0.01%
定額貯金(1年):0.01%
10万円を通常貯金で預け入れたとすると、1年で受け取ることができる利息は1円(10万円×0.001%)です。定額貯金で1年預け入れをした場合、利息は10円となります。
金利が低い状態が続いている日本では、貯金で預けていてもほとんどお金を増やすことができないと考えられます。
ネット銀行の金利
楽天銀行とイオン銀行を例に、ネット銀行の金利をみてみましょう。以下、紹介する金利はすべて2018年3月現在のものとなります。
■楽天銀行
・普通預金
0.02%:その他サービスを利用していない場合
0.04%:口座から楽天カードの引き落としがある場合
0.1%:マネーブリッジ(楽天銀行口座と楽天証券口座の連携)を利用している場合
・定期預金
6カ月:0.12%/1年:0.03%
■イオン銀行
・普通預金
0.001%:イオンカードの利用などが無い場合
0.1%:イオンカードセレクト/キャッシュ+デビット/イオンデビットカードを保有している場合
・定期預金
6カ月:0.04%/1年:0.05%
このように、ネット銀行の中には金利を比較的高めに設定している銀行もあります。
メガバンクの金利
三井住友銀行とみずほ銀行の定期預金金利を確認してみましょう。
■三井住友銀行:0.01%(3カ月/1年/3年/5年)
■みずほ銀行:0.01%(3カ月/1年/3年/5年)
本来、定期預金の金利は預け入れた期間や金額によって異なる仕組みですが、メガバンクの定期預金では、期間や金額に関わらず0.01%となっています。
ゆうちょ定期貯金の解約手続きは?
満期前の解約には途中解約利率が適用
ゆうちょ銀行の定期貯金は、満期前に解約することも可能です。ただしその場合には、途中解約利率が適用されます。途中解約利率の目安は、次のようになっています。(2018年1月4日現在)
6カ月未満での解約:預入日の通常貯金の利率
6カ月以上1年未満での解約:預入日の6カ月定期貯金の約定利率×60%
1年以上2年未満での解約:預入日の1年定期貯金の約定利率×60%
2年以上3年未満での解約:預入日の2年定期貯金の約定利率×60%
3年以上4年未満での解約:預入日の3年定期貯金の約定利率×60%
4年以上5年未満での解約:預入日の4年定期貯金の約定利率×60%
通帳・印鑑・本人確認書類が必要
定期貯金の解約をしたいときには、ゆうちょ銀行の窓口へ行きましょう。解約に必要な物は、通帳、印鑑および本人確認書類です。本人確認書類は、顔写真の付いている免許証やパスポート、マイナンバーカードなどを用意するようにしてください。
本人確認書類に顔写真がない場合、補助書類(公共料金の支払い明細など)が必要となることもあります。心配な人は、あらかじめ問い合わせてから手続きに行くとよいでしょう。
本人以外の手続きには委任状を用意
定期貯金の解約は、原則として本人しかできません。ただし、場合によっては、一定条件のもとで代理人による解約に応じてくれることもあります。代理人が手続きをするときには、委任状を用意してください。委任状はゆうちょ銀行のホームページからダウンロードするほか、必要事項を満たしていれば自分で作成することも可能です。
委任状に必要な事項
・預金者本人の住所氏名
・代理人の住所氏名
・委任したい手続きの内容
・届け出印の押印
委任状以外に必要なものは、手続きによって異なります。代理人が解約手続きを行うときは、あらかじめゆうちょ銀行に確認しましょう。
ATMでは解約できない点に注意
定期貯金の解約は、基本的にゆうちょ銀行の窓口での手続きとなります。ATMでは解約をすることができないので注意してください。なお、無通帳型総合口座である「ゆうちょダイレクト+(プラス)」で作られた担保定期貯金に関しては、インターネットで解約の手続きを行い普通貯金に振り替えたのち、ATMから引き出すことができます。
いずれにしても、定期貯金に預け入れている現金を引き出すには定期貯金の解約手続きが必要となります。必要なお金の引き出しが間に合わなかったということの無いよう、計画的に手続きを進めてください。
まとめ
ゆうちょ銀行の「定期貯金」と「定額貯金」は、一定の期間預け入れることを条件に普通貯金よりも高い金利が設定されていますが、現在はいずれも低めの金利に留まっています。また、どちらの貯金も解約はゆうちょ銀行の窓口で行わなければなりません。現金が必要になったときに慌てることのないよう、日にちに余裕をもって手続きを行いましょう。