給与が振り込まれる普通口座をそのまま貯蓄用口座として使用していませんか？お金を貯めたいと考えている人の中には、少しでも貯蓄に有利な金利が適用される定期預金で貯蓄をしている人もいることでしょう。今回は、定期預金と普通預金の違いや、それぞれのメリットとデメリットについて解説していきます。
目次
定期預金と普通預金の違いとは？
いつでも出金できるかどうか
定期預金が普通預金と違う点の1つは、必要な時に応じていつでも出金できるかどうかというところにあります。普通預金がいつでも入出金可能であることに対し、定期預金は預入期間中に中途解約をしない限り、満期日までは基本的に出金ができません。定期預金の満期までの期間は、預入時に数か月から最長10年の間であらかじめ設定された期間の中から選ぶことができます。
金利の利率が違う
定期預金と普通預金では、預入時の金利が異なります。いつでも自由に入出金できる普通預金より、出金できるタイミングに制限のある定期預金の方が金利は高いという点が特徴です。
定期預金の金利は、満期日までの預入期間によって異なります。定期預金の場合、一般的には、預入期間が長くなるほど金利は高くなる傾向があります。そのため、同じ期間預け入れると仮定すると、普通預金の金利が大幅に上昇するようなことがない限り、普通預金より定期預金で貯蓄をした方が通帳残高は多くなるのです。
金利の種類が違う
多くの場合、定期預金と普通預金では金利の種類も異なります。ほとんどの金融機関において、定期預金には預入時の金利が満期日まで固定される「固定金利」が適用されています。一方、普通預金の金利は半年ごとに金利が見直される「変動金利」である場合が多くなっています。
普通預金にずっとお金を預け入れたままにしていた場合、その時点での金利が適用されます。金融機関によっては、変動金利が適用される定期預金を取り扱っていることもあるため、窓口等で確認してみるとよいでしょう。
定期預金のメリットデメリットは？
普通預金より金利が高い
普通預金から定期預金にお金を預け替えるメリットとして、金利の高さが挙げられます。先述の通り、定期預金は普通預金に比べて金利が高いことが多いため、貯蓄に有利な金利でお金を預け入れることができると言えるでしょう。
満期まで出金できず確実に貯蓄できる
普通預金では自由にお金を引き出すことができるため、ついお金を使ってしまうという人もいるかもしれません。対して定期預金は満期日まで出金ができないため、中途解約をしない限りは貯蓄を続けられる可能性が高いと言えます。すぐにお金を引き出してしまいがちな人・貯蓄が苦手な人は定期預金で貯蓄するとお金の使い過ぎ防止につながるでしょう。
元本は保証される
銀行で預金をする場合、株や仮想通貨などの取引とは違って自分の資本金は基本的に保証されます。中途解約をしなければ、元本割れの可能性はそれほどありません。
店舗を持たないインターネット銀行は、通常の金融機関より金利が高いことが多く、満期までの期間を短く設定した定期預金を取り扱っていることもあります。より有利な条件で貯蓄するために、インターネット銀行で定期預金をすることが有効となるケースもあるため、検討してみるのもよいでしょう。
急な出費に対応できない
次に、定期預金のデメリットについて触れていきます。定期預金は必要に応じてお金を自由に出金することができないため、急にまとまった金額が必要になった際に対応できないことがあります。
家庭内のライフイベントを想定して定期預金の満期日を設定していても、急きょ大きな金額のお金が必要になるケースが全くないとは言い切れません。定期預金は貯蓄がしやすい反面、不測の事態への対応が難しいという点がデメリットと考えられます。
中途解約すると利息がマイナスに
定期預金の預入期間中であっても、どうしてもお金が必要になったときには中途解約をすることができます。その場合はペナルティとして中途解約利率が適用され、預入時に予定していた利息を受け取ることができないケースがほとんどです。
中途解約によって、解約後に受け取る金額が当初預けていた金額よりも少ない、もしくはマイナスになることも想定されます。定期預金を利用する際は万が一のことを考え、中途解約利率について確認しておくとよいでしょう。
預金保険制度では普通預金が優先
日本には、金融機関が破たんした場合に備えた「ペイオフ」という預金保険制度があります。日本国内に本店のある金融機関が保障の対象で、銀行や信用金庫だけでなく、郵貯銀行やインターネット銀行も対象とされています。
普通預金や定期預金の場合、ペイオフでは1,000万円までの元本とその利息が保護されており、1,000万円を超える部分は対象外です。最初に普通預金や貯蓄預金が優先的に保護され、定期預金の優先順位はその後になります。
定期から別の口座に移すことは可能？
いったん解約しなければならない
定期預金に預けたお金を、普通預金などの別の口座に移したい場合、定期預金をいったん解約してお金を別の口座に移し替える必要があります。定期預金を中途解約すると元本割れのおそれがあるため、急を要する場合以外は満期日の到来を待って解約した方がよいと言えます。
ATMで普通口座へ振替可能な場合も
ATMやインターネットバンキングの使用によって、定期預金で積み立てた預金を普通口座に振り替えることができる場合もあります。三菱東京UFJ銀行の自動積立定期預金などがその一例です。
必要に応じて預金者がお金を振り替えることができるため、便利な面もあります。しかし、頻繁にお金を移動させると定期預金で貯蓄するメリットがなくなってしまうことにもつながるため、注意が必要です。
まとめ
定期預金と普通預金の違いについて、メリット・デメリットを挙げながら解説してきました。計画的に貯蓄をしたい人にとっては、定期預金が有効である場合もあります。自分の家計に合った預金方法を選択し、無理のない預入期間を設定するようにしましょう。
