普段利用している人も多い銀行口座ですが、普通預金と定期預金の違いを知っていますか?この記事では、普通預金と定期預金の預入期間や金利、利息のシミュレーション方法などについて紹介します。
目次
普通預金と定期預金はどう違う?
普通預金の預入期間や金利
普通預金とは、決まった預入期間が設定されておらず、預入や払い戻しなどが自由にできる預金口座のことをいいます。公共料金の支払い、給与・年金の受け取りなども行うことができます。
運用は変動金利によって行われており、預入途中で金利が変更された場合、その時点で変更された金利が適用されます。定期預金よりも低い利率となることが一般的です。
定期預金の預入期間や金利
定期預金は一度預入期間を決めると、原則として満期までは引き出すことができない預金口座です。満期は1カ月から10年で、一部の金融機関ではさらに満期期間が短い(7日、14日など)定期預金を取り扱っている場合もあります。固定金利で運用されることが多いものの、変動金利の商品も販売されています。
また、期間途中の途中解約が可能です。途中で解約した場合の金利は満期時に適用されるものとは異なり、普通預金の金利もしくはそれよりも低い金利となることがあります。
定期預金は長期積立が前提
定期預金には、次のような利点があります。
1. 貯蓄専用の口座として、一定の金額を貯蓄にまわすことができる。
2. 自動積立定期預金にすると、自動的にお金を貯めることができる。
普通預金口座のみで貯蓄と家計費の両方を管理していると、収支が煩雑となり予定金額を貯蓄するのに時間がかかってしまうこともあります。その点、満期までは引き出しにくい定期預金を貯蓄専用の口座にすれば、計画的に資金を貯めやすくなります。
たとえば、定期預金で毎月1万円を積み立てるとすると、10年で120万円と利息分が貯蓄額となります。まとまった金額を長期にわたって積み立てたい際に向いた預金方法といえます。
定期預金の利息計算方法は?
預金金利×金利
定期預金の利息は 預金金額×金利 という式によって計算することができます。
預金金額が100万円で金利が0.15%の場合、利息は100万円×0.0015で1,500円となります。この金額から源泉分離課税(※)である20.315%を引いた以下が実際に受け取れる利息です。
1500円-(1500円×0.20315)=1,195円(小数点以下切り捨て)
(※源泉分離課税…他の所得とは別に一定の税率で源泉徴収される税であり、確定申告の対象から除かれるもの。平成49年度末までは復興特別所得税が上乗せされており、税率は所得税15.315%・住民税5%の計20.315%)
利息計算アプリが便利
利息を計算する際にはWeb上の利息計算支援サイトやスマートフォンのアプリなどを利用することもできます。ここでは、下記のような、参考サイトやアプリを紹介します。
MONEYKit.
ソニー銀行が運営しているサイトです。「預入金額・預入期間・金利」を入力して「シミュレーションする」ボタンを押すと、受取金額が算出されます。
預金金利計算Free
スマートフォン用アプリ(android用)です。「金額・金利・預入期間」を入力して「計算ボタン」を押すと税引き前あるいは税引き後の受取利息額や合計額が表示されます。利用は無料で、Google Playからダウンロードが可能です。
エクセルでの計算も可能
エクセルを使用して利息を計算することもできます。以下では、FV関数を利用した満期受取金額シミュレーションを紹介します。
FV関数とは、一定の利率をもとに預入金の将来価値を計算することができる関数で、手元に入る金額をプラス・手元から出る金額をマイナスで示します(預入額は手元から出るお金なのでマイナス表示)。
=FV(利率,期間,定期支払額,現在価値,支払期日)
実際の入力項目は「利率、期間、現在価値(預入額)」の3項目で、他は空白とします。項目間はカンマ「,」で区切り、現在価値はマイナスの数字で指定します。
たとえば、金利0.15%・預入期間1年・預入金額100万円の場合、満期受取金額は下記のようになります。
=FV(0.15%,1,,-1000000)
計算結果として、セルへは「1,001,500円」と表示されます。
各銀行にツールが用意されている
銀行のホームページなどに定期預金のシミュレーションツールが用意されている場合もあるため、使用してみるのもひとつの方法です。自分が預け入れたい銀行のツールを使ってシミュレーションすると良いでしょう。
先ほど紹介したソニー銀行のMONEYKit.以外にも下記のようなサイトがあります。
イオン銀行:定期預金金利シミュレーション
イオン銀行のホームページから利用が可能です。「預入金額・預入期間・利率など」を入力して「試算する」ボタンを押すと「税引き前利息、税引き後利息」が算出されます。
保険と定期預金どっちがお得?
金利は保険の方が高いことが多い
解約返戻金や満期受取金が高く設定されている保険や貯蓄型保険(※)を選ぶと、定期預金よりも有利な条件で資産運用ができるケースもあります。返戻率や受取金額などはパンフレット・約款で確認できる場合もありますが、詳しくは保険会社・代理店などへ問い合わせてみましょう。
受取金から支払った保険料を引いた金額が利息分にあたります。たとえば、満期受取金が115万円・支払った保険料が100万円の場合、利息に相当する金額は15万円となります。
※貯蓄型保険の例…子どもの学資金を準備する学資保険、死亡するまで保障が継続する終身保険、年金が受け取れる年金保険、死亡保障と満期金を受け取れる養老保険など。
保険料は割高となるケースも
貯蓄型保険には長期加入を前提とした商品が多いため、途中で解約すると受け取れる金額が元本以下になってしまうこともあります。また、掛け捨ての定期保険などと比べると、保険料は割高に設定される傾向にあります。
保障と資産運用の両方を検討したい場合、死亡保障は保険料の安い定期保険で得ることとし、貯蓄は別途専用口座を設けるなどの方法も考えられます。
一概に比較はできない
貯蓄型保険と定期預金にはそれぞれのメリット・デメリットもあり、一概に比較することは難しい面があります。
たとえば、定期預金は貯蓄型保険より利息面で不利となることがありますが、金利が上昇傾向にある場合には高金利商品への乗り換えがしやすいという利点も持っています。個人への向き・不向きもあるため、的確なアドバイスが欲しい場合は専門家へ相談することがおすすめです。
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まとめ
普通預金と定期預金の違いや金利のシミュレーション、貯蓄型保険との比較などを紹介しました。どの方法によって資産管理をする場合もそれぞれにメリット・デメリットが存在するため、個人に合った手段を検討してみてください。