定期預金の利息に税金がかかることを知らなかったという人も多いのではないでしょうか。今回は、定期預金の利息にはどれくらいの税金がかかるのか、課税を減らすにはどうしたらいいのかなど、利息にかかる税金についてまとめました。
目次
定期預金の利息にかかる税金とは?
税率は一律「20%+復興特別所得税」
銀行預金などの利息を「利子所得」といいます。利子所得には、所得税15%と地方税5%を足した20%、さらに2013年から上乗せされた復興特別所得税0.315%の合計である20.315%の税金がかかります。給与であれば金額が大きいほど税率も上がりますが、利子所得は金額に関わらず一定の税率がかかるため、利子所得として受け取ることができる金額は全体の79.685%(100%-20.315%)であるということになります。
自分で納税手続きをする必要はない
利子所得は満期時にあらかじめ利息から天引きされ、銀行が代わりに納付を行う「源泉分離課税方式」によって支払われています。つまり、利息が口座に入った時点で納税は完了しているため、改めて確定申告を行う必要はありません。
マル優適用の場合は税金免除
ただしマル優制度が適用される場合は、「預貯金の元本350万円まで」の利子所得について税金が免除となります。マル優とは、障害者等の少額預金の利子所得が非課税となる制度の通称です。身体障害者手帳の交付を受けている人や、障害年金・遺族年金・寡婦年金を受給している人などが対象となり、所定の手続きによって税金の免除を受けることができます。
定期預金の利息の税金を減らすには?
超短期の定期預金に積み立てる
一部の銀行で取り扱っている超短期の定期預金を利用すると、利息の税金を減らすことができる場合があります。超短期の定期預金とは、預入期間が1・2週間でありながら比較的金利が高めに設定されている商品です。
預入期間が短いため、預入金額が10万円程度であれば受け取る利息も数円ですが、利息にかかる税金のうち1円未満の端数は切り捨てとなります。つまり、預入金額の調整によって利息にかかる税金を0円にすることも可能であると言えます。WEB上では「定期預金最適化シミュレーター」というものもあるため、活用してみるのもいいでしょう。
1年満期で5,000円ずつ小分けにする
「1円未満は切り捨てになる」という点を利用し、積立定期預金によって節税する方法もあります。積立定期預金とは、毎月自動的に決まった金額が引き落とされ、定期預金として積み立てることができる商品です。
運用期間が1年であれば利息も1年毎に発生し、課税されることとなります。しかし、年利が0.1%のとき積立額を5,000円にすると、利息は5円・税金は1円未満となるため非課税とすることができます。
積立額を3万円にしたい場合、5,000円ずつ6口に分けると利息への課税を避けながらお金を貯めることができます。ただし年利が0.13%以上もしくは0.09%以下になると計算方法が異なるため、金利に合わせて積立金額を調整するようにしましょう。
金融商品で積み立てを行う場合は?
財形貯蓄では保険料385万円まで非課税
財形貯蓄とは、給与からの天引きによって、勤務先と提携している金融機関へ積み立てができる制度です。財形貯蓄制度には、使途に制限がない「一般財形貯蓄」、住宅資金の準備を目的とした「財形住宅貯蓄」、老後資金準備のための「財形年金貯蓄」の3つがあります。このうち、財形住宅貯蓄と財形年金貯蓄が非課税の対象となります。
銀行・証券会社などの金融商品によって積み立てを行う場合(「貯蓄型」と言います)の非課税枠は、財形住宅貯蓄・財形年金貯蓄を合わせて最高550万円です。保険や共済を利用して財形年金貯蓄で積み立てを行う場合(「保険型」と言います)、払込保険料を元本として385万円までは非課税となります。
残りは財形住宅貯蓄に利用できる
保険型で385万円の非課税枠を利用する場合、残りの165万円分は財形住宅貯蓄で積み立てると、非課税枠をさらに活用することができると言えます。財形住宅貯蓄では、住宅資金の準備を目的としてお金を引き出す際には利子が非課税となるためです。財形貯蓄を扱っている企業に勤務していて、節税しながら老後資金・住宅取関連資金の準備を行いたいと考えている人は、検討してみても良いかもしれません。
まとめ
定期預金は他の金融商品に比べるとリスク・金利ともに低い一面があります。しかし新たな商品を活用したり、会社の制度を利用したりすることで節税しながら資金作りをすることも不可能ではありません。自分に合った商品や方法などを検討してみてください。