様々な保険会社から学資保険が販売されていますが、郵便局の窓口で取り扱われている学資保険「はじめのかんぽ」は、どのような保険なのでしょうか?ここでは、「はじめのかんぽ」が用意している保険コースの内容や加入条件などについて詳しく説明します。
目次
郵便局の学資保険「はじめのかんぽ」とは?
「はじめのかんぽ」は3つのコースから選べる
「はじめのかんぽ」には、学資金の準備目的に応じて次の3つのコースがあり、それぞれ被保険者となる子供の加入年齢範囲や加入条件が異なります。
・「大学入学時」コース:0歳~12歳までの子供が加入でき、基本保険金額の範囲は50万円~700万円
・「小中高+大学入学時」コース:0歳~3歳までの子供が加入でき、基本保険金額の範囲は50万円~500万円
・「大学入学時+在学中」コース: 0歳~12歳までの子供が加入でき、基本保険金額の範囲は50万円~700万円
契約者の加入年齢範囲は、いずれのコースも男性が18歳~65歳、女性が16歳~65歳です。
12歳払込済と18歳払込済の2種類がある
「はじめのかんぽ」には、12歳払込済と18歳払込済の2種類の払い方があります。12歳払込済タイプは保険料の払込総額は安くなりますが、一回あたりの払込金額は18歳払込済よりも多くなります。一方、18歳払込済タイプは月々の保険料負担は抑えられますが、総額で考えると12歳払込済よりも多くの保険料を払う必要があります。
17歳満期と18歳満期を選択できる
「はじめのかんぽ」では、満期保険金を受け取る時期を17歳満期と18歳満期から選択可能です。推薦入試やAO入試に臨む場合、高校3年生の秋には学資金を用意しなければならないこともあります。「はじめのかんぽ」なら、必要なタイミングで満期保険金を活用することができます。
ただし、「大学入学時+在学中」コースは18歳満期のみの取り扱いです。
「はじめのかんぽ」の保障内容
保険期間が満了になったとき「満期保険金」
満期保険金とは、被保険者が保険期間の満了日までに生存していたときに支払われる保険金です。「はじめのかんぽ」では、50万円から各コースの上限金額の範囲内で契約者のニーズに合わせて満期保険金を自由に設定することができます。また、満期時には保険会社で定める利率により積み立てられた利息を契約者配当金として、満期保険金と共に受け取ることができます。
もしものときに「死亡保険金」
万が一、保険期間中に病気や不慮の事故などによって被保険者である子供が死亡してしまったときには、契約者は死亡保険金を受け取ることができます。「はじめのかんぽ」では、一般の学資保険と同じようにそれまで払い込まれた保険料の累計に相当する金額が死亡保険金として支払われます。死亡保険金が支払われると、保険契約は終了します。
医療特約「その日からプラス」で入院や手術にも備えられる
「はじめのかんぽ」に「その日からプラス」という医療特約を付けると、被保険者である子供が病気や不良の事故によるケガで入院や手術が必要になったときに保障を受けられます。例えば特約基準保険金額を300万円に設定していれば、被保険者が病気やケガで入院したとき、日額4,500円を入院保険金として受け取ることができます。
学費もカバーする「学資祝金」
3つのコースのうち「小中高+大学入学時」コースと「大学入学時+在学中」コースでは、満期保険料の他に保険期間中の一定時期に学資祝金の受け取りが可能です。具体的には、「小中高+大学入学時」コースでは被保険者が小学校、中学校、高校に入学する前の12月にそれぞれ基準保険金額の5%から15%を学資祝金として受け取れます。
「大学入学時+在学中」コースでは、被保険者が満18歳~満20歳に達したときに基準保険金額の25%ずつを学資祝金として受け取れます。満21歳に達したときの満期保険金は学資祝金と同額です。
「はじめのかんぽ」に加入するメリット
出産前に契約できる「出生前加入制度」
「はじめのかんぽ」には、被保険者の父母が契約者となる場合に限り、被保険者の出生予定日の140日前から保険に加入することができる「出生前加入制度」があります。出産後には新生児の世話などで慌ただしくなる可能性もあります。出生前に学資保険に加入できることは、契約者にとってメリットといえるでしょう。
3カ月以上の「前納払込」で割引
「はじめのかんぽ」では、3カ月分以上の保険料を前納でまとめて払込むことで、払込の年月数に応じて保険料の割引を受けることができます。割引率は金利の変動などによって見直されますが、2018年2月時点では3カ月分の前納払込で約0.67%、全期間の保険料を一括払込する場合は約1.60%となっています。
はじめのかんぽのシミュレーション
契約者を30歳男性、被保険者が0歳で基準保険金額300万円の「はじめのかんぽ」に加入した場合をそれぞれシミュレーションしてみましょう。
「大学入学時」コース
医療特約は無しで大学入学時コースを契約した場合、月々の保険料は14,640円となり、18歳満期までに支払う保険料の総額は約316万円です。満期保険金に対する返戻率は約94.9%になります。
「小中高+大学入学時」コース
同じ条件で「小中高+大学入学時」コースに加入した場合を想定すると、月々の保険料は19,110円で、支払保険料の総額は約413万円になります。このコースでは、被保険者が小学校、中学校、高校に入学するときにそれぞれ15万円、30万円、45万円が受け取れます。そのため、満期保険金300万円との合計受取総額である390万円に対する返戻率は約94.4%です。
「大学入学時+在学中」コース
同条件で「大学入学時+在学中」コースのシミュレーションをすると、月々の保険料は14,550円で、保険料の支払総額は約314万円です。このコースでは、被保険者が満18~21歳になる時期ごとに基準保険金額の1/4が受け取れます。したがって、満期保険金を受け取ったときの受取総額は300万円で、返戻率は約95.5%です。
まとめ
学資保険は商品によって特性が異なります。また、加入時期にもよりますが長年保険料を払う商品でもあります。子供の教育資金作りのために学資保険に加入する際には、商品についてよく調べ、納得した上で加入すると良いでしょう。