補償内容をより自分に合うものに変えたり、保険料をもっと安く抑えたりするために行う自動車保険の乗り換えは、どのタイミングで行ったら良いのでしょうか?ここでは、自動車保険乗り換えのタイミングや、乗り換え手続きに必要な書類、注意事項などについて詳しくまとめています。
目次
自動車保険は乗り換えできる?
どのタイミングでも乗り換え可能
任意保険である自動車保険の多くは、契約期間を1年と定めています。そのため、保険内容の見直しや他社の商品との料金比較は、契約満了日が近づいて更新案内の通知が届く頃に行う人が多いです。しかし、自動車保険は保険会社と契約者の間で同意があればいつでも終了できる任意契約なので、満了日に限らずどのタイミングでも他社の保険に乗り換えることができます。
等級は乗り換え後の会社に引継ぎ可能
自動車保険の保険料を決定する要素の一つに等級があります。等級は新規契約時には6等級でスタートし、事故が無ければ契約の翌年に1等級ずつ上がるシステムで、等級が上がれば上がるほど保険料は割り引かれます。
損害保険会社は等級情報を共有しているため、保険契約を乗り換えても等級を引き継ぐことは可能です。ただし、共済組合など民間損保会社でない団体が運営する自動車保険の中には、乗り換えによる前契約からの等級の引継ぎができないものもあります。乗り換え前には等級が引き継げるかを確認しましょう。
自動車保険乗り換えのメリットは?
良いサービスを受けられる可能性がある
事故による体調不良を電話で専門医に相談できたり、事故の際に同乗していたペットのケガの補償を受けられたりと、自動車保険の補償内容は保険会社によって異なります。自動車保険を乗り換えると、現在加入している保険会社よりも自分に合ったより良いサービスを受けられる可能性があります。
安い保険料の会社に変更できる
強制保険である自賠責保険はどの保険会社でも保険料は一律です。しかし、任意保険である自動車保険は、保険会社によって保険料が異なります。また、同じ保険料でも補償範囲や補償条件に差があることがあります。
自動車保険を乗り換えることで、自分の車の使用状況に合わせた保険に安い保険料で加入できるかもしれません。
自動車保険乗り換えのデメリットは?
満期前乗り換えは書類や手続きが多い
自動継続の特約を付帯していない限り、自動車保険は満期日をもって終了します。満期日のタイミングで自動車保険の乗り換えをすれば、前契約については特に終了の手続きをする必要はありません。
しかし、前契約の満期前に乗り換えを行う際には、前契約の保険会社から解約申込書を取り寄せるなどの書類の準備が必要です。さらに乗り換えによる等級の引継ぎは7日間という制限があるため、すぐに乗り換え後の会社で再契約をする必要があります。
手続きが多いことは、満期前の乗り換えのデメリットだといえるでしょう。ただし、ダイレクト型の保険会社などインターネットだけで手続きが完了する会社もあるため、デメリットにならない可能性もあります。
無事故でも等級が上がらないことがある
自動車保険の等級は、無事故で(保険を使わずに)契約を満了したときに、次の契約からランクが1つ上がる仕組みです。満期を迎える前に乗り換えを行う場合、乗り換え先の保険は前契約の等級を引き継いで開始するため、等級が上がらないことがあります。ただし、保険期間通算特則を利用すれば、満期前に保険を乗り換えても等級が上がることがあります。
時期によっては解約返戻金が発生しない
保険料を一括で支払っていた場合は、前契約の解約により月割りで解約返戻金を受け取ることができます。保険会社の多くは月割りで解約返戻金を計算しているため、満期日までの残り期間が1カ月未満の場合には解約返戻金が発生しないこともあります。
自動車保険乗り換えの手続き方法は?
満期と同時に乗り換え
ほとんどの保険会社では、保険始期日の3カ月前から乗り換え手続きを受け付けています。満期と同時に乗り換える際は前契約の満期を乗り換え先の契約の始期日として手続きしましょう。乗り換えの手続きには前契約の保険証券の他に対象車両の車検証、および運転免許証(契約者と被保険者が異なる場合には、両者の分)の3点が必要です。
満期前に乗り換え
契約の満期前に乗り換えを行う場合は、乗り換え先の契約手続きに加えて、契約の解除を並行して行う必要があります。まず、加入している保険会社に解約に意思を伝え、解約日を設定しましょう。
次に、新しく加入したい保険会社に連絡して契約開始日を指定して保険を契約します。等級を引継ぐだけでなく無保険状態を防ぐために、解約日と契約開始日は同日に設定しましょう。
新車購入と同時乗り換えは注意が必要
これまで乗っていた車を廃車して新しい車に買い替える場合で同時に自動車保険の乗り換えを予定しているときは、前契約の中断という方法も選択肢に入れる必要があります。理由として、自動車保険の等級の引継ぎには、原則として前契約の終了日から次の契約の始期までの間が7日間以内という条件があるためです。納車日が遅れるなどして次の契約の開始日が解約日より7日を超えた場合には、等級が引き継げない可能性があります。
前契約を中断すると、中断証明書が発行されます。中断証明書を利用すれば、10年間は等級の引継ぎができます。車両の納車日が長引くときなどには、中断証明書も視野に入れると良いでしょう。
車の買い替え時の注意点とは?
納車前には保険の切り替え手続きを
車の買い替えをするときには、自動車保険の乗り換えを行うか否かにかかわらず、保険の対象車両を入れ替える手続きを忘れずに行わなければなりません。車両が入れ替われば車両保険の限度額など補償内容が変わり、保険料も変化します。新しい車両の情報を基にした見積を保険会社から手に入れて、自動車保険の乗り換えを検討するのも良いでしょう。
車両入替の手続きにも期限がある
車両入替の手続きは、新しい車を取得した日に行うことになっています。しかし、万が一手続きを忘れても取得日の翌日から30日以内に車両入替の手続きを行えば、「車両入替における自動担保特約」により、新しい車も補償されます。
つまり、車両の取得日から30日を過ぎた場合は、補償が受けられない可能性が高いです。車を買い替える際には気を付けましょう。
車検証は車取得の当日から発行可能
新しい車の車検証は、中古車であれば名義変更手続きが完了した当日に、新車であれば陸運支局(軽自動車は軽自動車検査協会)への登録手続きが完了した当日に発行されます。車両入替の手続きをスムーズに進めるためには、保険会社への納車予定日の連絡と新しい車の車検証の送付を、車を購入する販売店に依頼しておくと良いでしょう。
まとめ
任意で加入する自動車保険は、保険会社によって補償内容も保険料も異なります。ライフスタイルの変化によってその時の自分に合う保険商品も変わる可能性があります。等級の上がり方や手続き方法に気を付けながら、適切なタイミングで乗り換えを検討すると良いでしょう。