貯蓄性が高いと言われる養老保険ですが、具体的にはどのような保険なのかよく知らないという人も多いのではないでしょうか。この記事では、養老保険の特徴や他の保険との違いを解説します。
目次
養老保険とは
養老保険のニーズ
養老保険は、保障と貯蓄を兼ね備えていることの多い保険です。万一の時には死亡保険金が、何事もなく満期を迎えた時には満期保険金が支払われます。
貯蓄性が高い(=払った保険料がいずれ自分へ戻って来やすい)設計になっているため、養老保険で大きな死亡保障を得ようとすると保険料も高くなりがちです。そのため、貯蓄を主目的としながら保障も持ちたいと考える人向けの保険と言えます。
また、保険料の支払い方法には、月払い・年払いなどの積立タイプと一括払いタイプがあります。一括払いの利回りの方が高くなることが一般的ですが、契約途中で死亡した場合、結果として積立タイプよりも多く保険料を支払うことになるという点は覚えておく必要があるでしょう。
法人でも養老保険に加入可能
保険会社によっては、養老保険を使った法人向けの福利厚生プランが販売されています。法人と契約することでまとまった資金の確保が可能となり、福利厚生制度の充実を図ることができるという利点があります。
たとえば、役員・従業員を被保険者として契約した場合、従業員が死亡した際には業務中であるかどうかを問わず、遺族へ死亡保険金が支払われます。何事もなく満期を迎えれば、会社はその従業員の満期金を退職金等の財源に利用することも可能です。また、支払った保険料の半額は損金として計上できるため、法人税や事業税などの負担を軽くする効果もあります。
養老保険のメリットとデメリット
養老保険のメリット
すでに紹介した貯蓄性の高さや節税効果の他に、保険期間や金額をある程度自由に設定できる点も養老保険のメリットと言えます。貯蓄を目的として加入する場合、貯めたい年月・金額をあらかじめ決めることができれば使い道の見通しもたてやすくなります。
養老保険のデメリット
養老保険は満期があるため、保障は満期時に切れてしまいます。その後も保障を受けたければ新たな保険への加入を検討することになりますが、健康状態が悪くなっていたり年齢が上がっていたりすると契約が難しくなることがあります。
また養老保険は貯金のように積み立てていくタイプの保険であるため、定期保険や終身保険などに比べると保険料が高い傾向にあります。保険料が負担となって早期解約すると、多くの場合は解約返戻金も少なくなってしまうため注意が必要です。
終身保険や個人年金との違い
終身保険との違い
貯蓄性の高い保険として、終身保険も挙げられます。養老保険は保険期間が決まっているのに対して、終身保険は一生涯の保障が得られる保険です。ただし、満期も設けられていないため、満期保険金がないという点が養老保険との違いです。
個人年金との違い
個人年金保険も貯蓄性は高いものの、万一のことがあった際に受け取れる死亡保険金は払い込んだ保険料相当額となることがほとんどです。養老保険のように、あらかじめ決められた保険金額が受け取れるわけではありません。
また、個人年金保険と養老保険は生命保険料控除の種目も異なります。養老保険は一般生命保険料控除の対象となるのに対して、個人年金保険は個人年金保険料として控除対象となっています(旧制度では、一般生命保険料控除・個人年金保険料控除の2種類に分かれる)。
養老保険満期時の注意点
満期を迎えても、満期保険金は自動的に支払われるわけではありません。受け取るには請求が必要となります。満期が近付くと、保険会社から満期のお知らせとともに請求書が送られてくるため、受け取を希望する場合は請求書へ必要書類を添えて請求します。
すぐに満期金を受け取らなくても良い場合、保険会社に据え置きしてそのまま預けておくことも可能です。据え置いたお金は、保険会社が定める利率で運用されます。
満期保険金には税金が発生する
満期保険金を受け取る際には、以下のような税金が発生します。
契約者と受取人が同じである場合…所得税
契約者と受取人が異なる場合…贈与税
満期金を一括で受け取る場合には一時所得の課税対象となり、他に一時所得がなければ「満期金-払込保険料合計-一時所得の特別控除50万円」×1/2の金額が課税対象になります。
一方、贈与税は年間110万円の基礎控除額を差し引いた額が課税対象となるため、満期金が110万円以上の場合は課税対象となります。契約者と受取人の組み合わせ次第で課税されるかどうかが変わるという点は覚えておく必要があるでしょう。
まとめ
養老保険は死亡保障と貯蓄を兼ね備えているという利点がある一方で、保険料が高くなりがちであるという一面も持っています。貯めたい金額・必要な保障などを考えあわせ、不明点については代理店に相談するなどしながら情報収集を進めてみましょう。