全労済では保険ではなく共済を提供していますが、自動車保険に相当する「マイカー共済」も取り扱っています。全労済のマイカー共済にはどのような特徴があるのでしょうか。全労済の「マイカー共済」や等級制度についても解説していきます。
目次
全労済の自動車保険とは?
全労済と保険会社の違い
全労済は「全国労働者共済生活協同組合連合会」の略称で、生協のひとつになります。全労済は非営利団体となっています。
全労済では共済を提供しています。共済は組合員同士で助け合うことを目的としており、万が一の際には組合員によって積み立てられたお金から保障を受けることもできます。万が一に備える、という意味では保険と似た性質がありますが、細かい部分で異なっており、例えば「保険料」という言い方も全労済では「掛金」という言い方になります。
全労済のマイカー共済の概要
マイカー共済とは、保険会社の「自動車保険」に当たるものです。申し込みは全労済の窓口で直接手続きのほか、郵送・インターネットで受け付けています。
全労済は組合ですが、加入時に組合員でなくても利用は可能で、共済に加入することで組合員となります。また、組合員となっても何かの活動などに拘束されることもありません。
マイカー共済のロードサービス
四輪自動車での契約で、人身傷害補償または車両損害補償を契約している場合であれば、24時間365日、車のトラブルや故障に対応します。サービス内容は以下の通りです。
1. 自走できない場合にレッカー車にてけん引または積載車で対象車両を運びます。けん引距離30㎞までは無料です。
2. 現場で30分以内で実施できるクイックサービスが無料です。バッテリー上がりの対応や鍵の開錠作業、パンク時のタイヤ交換などに対応しています。
3. 燃料切れの際、ガソリンなどを届けます。10リットルまでは無料となっています。
全労済の自動車保険の等級とは?
マイカー共済の等級制度
自動車保険の保険料を決める要素に等級制度がありますが、全労済でも等級制度が採用されています。等級制度は、新規契約時には6等級から始まり、その後1年無事故が続くと1等級ずつ上がっていきます。
一般的な保険会社では等級は20等級までとなっていますが、全労済では22等級までとなっています。
事故の有無によって割引率が異なる
2016年1月に新規契約・更新についての制度が改定され、「事故あり」「事故なし」の区分でそれぞれ異なる割引率が適応されるようになりました。7等級以上の契約について区分による割引率が変わります。
契約中事故があった場合、継続後の契約に割増引率(事故有係数)が一定期間適用されます。事故による共済金の支払いがあったとき、3等級ダウン事故1件につき3年、1等級ダウン事故につき1年の事故有係数を適応する期間が加算されます。
全労済の自動車保険の補償内容
主な補償内容は3種類
1.人身傷害補償
過失割合に関わらず、事故によるけがの実損害額(全労災の基準)が全額補償されます。単独事故による死傷の補償や契約車両に搭乗していた人も補償します。さらに、被共済者の家族が歩行者として遭った自動車事故も補償の対象です。
2.対人・対物賠償
他人を死傷させてしまったときや他人の財物に損害を与えてしまったときなどの相手方への賠償補償です。対物賠償には「対物超過修理費用補償」が付加されています。
「対物超過修理費用補償」により、事故を起こした際相手方の自動車修理費が時価額を超えてしまったときも、全労済が50万円を限度に補償します。ただし、事故から6ケ月以内の修理に限るなど全労済の基準があります。
3.車両損害補償
契約車両の様々な事故による損害を補償します。補償範囲によって一般補償タイプ、エコノミーワイド、エコノミーの3タイプから選択できます。
特約は6種類
1.自転車賠償責任補償特約
自転車による事故で法律上の損害賠償責任を負ったとき、対人・対物あわせて1億円まで補償されます。家族で複数台所有していてもすべて補償されます。ただし原付自転車は対象外です。
2.マイバイク特約
排気量125㏄以下または定格出力1KW以下の原付自転車が対象です。被共済者とその家族(配偶者・同居の親族・別居の未婚の子)の原付自転車の事故を補償します。借りた原付自転車での事故でも補償対象になることがあります。
3.交通事故危険補償特約
自動車(二輪・原付含む)以外の交通事故、例えば電車や自転車に乗っているときなどで損害を受けた場合に実損害額を補償します。
4.弁護士費用等補償特約
弁護士依頼費用が発生した際に被共済者1名につき300万円を限度に支払いを受けることができます。ただし、自動車(二輪・原付含む)や自転車の事故など、交通事故による損害が発生し、全労済の同意がある場合に限ります。また、法律相談費用として10万円を限度に受け取りができます。
5.搭乗者傷害特約・自損事故障害特約
人身傷害補償の契約がない場合に自動的にセットされる特約です。搭乗者傷害特約とは契約車両の運転者や同乗者が自動車事故によって死傷したときの補償です。
搭乗者傷害特約は、人身傷害補償とは別枠で補償されます。ただし、補償には限度額があります。
自損事故障害特約とは単独事故での死傷の際、自賠責共済の対象とならない事故の補償となります。
6.搭乗者傷害特約家族限定補償型
搭乗者傷害特約の対象者を主たる被共済者とその家族(配偶者・同居の親族・別居の未婚の子)に限定すると、搭乗者傷害特約の掛金が10%割引されます。
割引制度は5種類
1. 無事故割引等級に応じた割引
前述したように、安全運転による無事故が続けば1年毎に等級が上がり、割引率も上がっていきます。
2. 運転者の年齢や補償範囲による割引
運転する人の年齢を限定することで、割引率が変わってきます。
1) 運転者年齢条件
契約される車両1台毎の適用になります。年齢区分は、年齢問わず補償・21歳以上補償・26歳以上補償・35歳以上補償があります。家族以外の人が運転の場合(友人・知人・別居の既婚の子など)運転者年齢条件に関係なく補償されます。
2) 子供特約
指定している運転者年齢条件を変更しなくても、子供を補償の対象にできます。年齢条件の区分は、年齢問わず補償・21歳以上補償・26歳以上補償の3つです。例えば、35歳以上補償の契約に子供特約として21歳以上補償を付加するなど、加入している契約の年齢条件よりも低い年齢条件を設定したい時に利用できます。
3) 運転者本人・配偶者限特約
契約車両の運転者を夫婦に限定することで掛金が7%割引になります。
4) 運転者家族限定特約
契約車両の運転者を主たる被共済者の家族に限定すると掛金が3%割引になります。家族とは、被共済者の配偶者と、被共済者と同居の親族、そして被共済者と別居している未婚の子供です。
3. 車の仕様・構造による割引
1) 新車割引
契約の効力開始日が契約車両の初年度登録年月の翌月から25ヵ月以内の車が対象です。普通・小型乗用車は9%、軽四輪乗用車は3%の割引になります。
2) 福祉車両割引
契約車両が福祉車両で、かつ消費税非課税措置の自動車、もしくは車いす移動車と車検証に記載されている場合、掛金が7%割引になります。
3) ハイブリッド車割引
電気自動車やハリブリッド自動車など低公害車は掛金が7%割引になります。
4) 盗難防止装置装備車割引
イモビライザー(メーカー純正に限る)またはGPSなどの車両追跡装置を装備している場合、車両損害補償の掛金の5%割引となります。
4. 複数台の所有・契約での割引
1)複数契約割引
すでにマイカー共済の既契約があり、契約者が同一の場合新たな契約の掛金の3%割引になります。
2)セカンドカー割引
新規加入時、他車の契約を含め11等級以上の契約がある場合に7等級から契約できます。
5. 補償内容の限定による割引
人身傷害補償の契約(他社の契約も含む)がある場合、2台目以降の契約で人身傷害補償の掛金が四輪自動車で15%、二輪自動車・原付自転車で2%の割引があります。
まとめ
全労済のマイカー共済には、等級は22等級まであるなど様々な割引制度があります。自動車保険を検討する際は、全労済の「マイカー共済」を選択肢に入れてみてはいかがでしょうか。