火事や豪雨などの損害から家屋や家財を守るものとして火災保険がありますが、府民共済には火災保険はあるのでしょうか。また、府民共済には大阪府民共済と京都府民共済がありますが、それぞれ違いはあるのでしょうか。ここでは、府民共済ではどのような保障を受けられるのかなどを解説していきます。
目次
府民共済の新型火災共済とは?
府民共済は、生協法に基づいて厚生労働省に認可された事業で、都道府県民共済グループの中では大阪府と京都府で事業を行っています。府民共済では、火災だけでなくその他の災害などに対する保障も兼ね備えた新型火災共済を販売しています。
火災やその他の事故・災害を保障
府民共済の新型火災共済は、火災だけでなく、落雷や衝突、落雷などを保障します。万が一契約している家屋や家財に損害が発生した場合、原則として焼失した住宅や家財を修復あるいは買い替えできる価額で保障されます。
大阪・京都で保障内容に差はなし
大阪と京都のどちらで新型火災共済へ加入しても、保障内容に変わりはありません。ただし、それぞれの団体ごとで利用できるサービスは異なります。
例えば、大阪府民共済では「こどもの笑顔写真コンテスト」が開催されています。一方で、京都府民共済では「思いやり宅配便」といって、自宅にいながら大人用の紙おむつなどを通信販売で購入できるサービスが提供されています。
新型火災共済の保障内容は?
賃貸か持ち家かで加入対象が異なる
加入対象は、持ち家か賃貸かによって対象が変わります。持ち家の場合は「住宅と家財」、賃貸で借りている場合には「家財」、家を貸している場合には「住宅」が加入対象です。
ちなみに、賃貸の場合の住居は貸主である大家が保険に加入する必要があり、借主は自分の家財に対して加入することになります。
雨漏り・水漏れはどちらも保障対象
新型火災共済では、雨漏りや水漏れによって他の住宅へ被害を出してしまった場合、相手の住宅への損害を保障します。また、他の住宅から水漏れによって被害を受けた場合にも、保障を受けることもできます。
台風などによる風災は見舞金が支給
台風などによる暴風や、竜巻などによって窓ガラスが割れてしまったり屋根瓦が飛んでしまったりすることを風災と呼びます。新型火災共済では、風災で損害がでた場合、見舞金が支給されます。ただし、損害金が10万円を超えないと支給対象になりません。
盗難被害は特約で保障
基本コースには盗難による保障はありませんが、特約を付加することで万が一盗難被害にあった場合にも保障されます。ただし、保障は加入額が限度となり、被害にあった物の相応額が保障されるとは限りません。
新型火災共済にデメリットはある?
火災以外にも保障を受けることができる新型火災共済ですが、加入の仕方によってはデメリットが発生する可能性もあります。新型火災共済加入しているからといって、全てに対して保障されるわけではないので、その点を良く理解しておく必要があります。万が一災害や被害に見舞われてしまったとき、保障外だったということがないよう、内容を把握した上で加入することが大切です。
貸し家へは家財保険のような保障なし
持ち家を貸し家としている場合、住宅だけを貸しているのであれば、住宅に対して保障が適用されるので新型火災共済の保障内容で問題はありません。しかし、家財も含めて貸し家としている場合には、貸している家財に対しての保障は新型火災共済では保障されません。家財に対しても保障を持つためには、家財保険への加入が必要となります。
地震に対する保障が限定的
一般の火災保険に付随されている地震保険であれば、地震によって損害を受けた場合に損害の程度によって火災保険金の30%から50%の補償を受けることができます。しかし新型火災共済では、地震による保障は半壊または半焼以上の被害を受けた場合に加入額の5%しか保障されず、上限は300万円までです。もし、1,000万円の保障しか加入していなければ50万円しか保障を受けられないことになります。
新型火災共済の手続きって?
加入・解約の手続き
加入する場合は、ホームページから申込書を作成することができます。作成した申込書は印刷して郵送することで手続きができるほか、銀行窓口でも手続きができます。府民共済に加入していない場合には、組合員となるために出資金200円が必要です。
解約は、加入証書裏面の通信欄に解約の旨を記載し、加入先の組合へ郵送することで手続きが完了します。
住所・口座等の変更手続き
生命共済などはインターネットで手続きができますが、新型火災共済は加入内容の変更手続きも必要です。インターネットによる手続きはできないため加入する組合に連絡し、手続きを行いましょう。口座変更については、インターネットによる手続きもしくは郵送による手続きが可能です。
共済金請求手続き
新型火災共済で共済金を請求する場合、インターネットもしくは電話で手続きを行うことになります。請求を行うと、被害状況の確認が行われて請求可能な共済金請求書が郵送されてきます。必要事項を記入して返送すると、共済金の支払いが行われます。
ただし、被害状況によっては請求内容に該当せず、共済金が支払われないケースもあります。
年末調整時の注意点とは?
税制改正で地震保険のみが控除対象
2006年の税制改正によって、損害保険料控除が廃止され、2007年からは地震保険に対する保険料のみが控除の対象となりました。それに伴い、火災保険に対する保険料控除を受けることはできなくなりました。しかし、一定の経過措置として長期損害保険契約にかかわる保険料については、条件を満たせば控除を受けることが可能となっています。
新型火災共済の掛金は控除対象外
一般の地震保険は、火災保険に地震保険を特約として付帯しており、火災保険に対する保険料と地震保険に対する保険料が分けられています。そのため、地震保険に対する保険料は所得控除として利用することが可能です。しかし、新型火災共済は火災保険と同様の扱いとなるため地震保険料控除として利用することはできません。
まとめ
新型火災共済火災は、火災だけでなく落雷なども保障されますが、風災や地震などの保障は限定的です。必要としている保障内容と新型火災共済の保障内容が合致しているのかを、よく検討した上で加入することをおすすめします。