火災保険の中の「家財保険」とはどのようなものでしょうか。この記事では、家財保険の補償内容や保険料の計算方法などについて紹介します。
目次
家財保険は必要なの?
火災保険の補償対象は建物と家財
火災保険の補償対象は「建物」と「家財」に分けられており、家財保険ではそのうちの「家財(家電や衣類、家具など)」を補償しています。
必要最低限の家財購入の負担は大きい
単体でも値段の見当をつけやすい建物に対し、必要に応じて少しずつ買い揃えていくことの多い家財の合計額は把握していない人も多いかもしれません。
ある試算では、家族4人分の家財を購入するには500万円から1,000万円ほどがかかるとされています。必要最低限の家財のみを揃えたい場合でも、まとまった金額となることが考えられます。
火災保険の対象になる「家財」とは
家財に該当するもの
家財として補償の対象となるものには以下のような例があります。
・タンスや机、本棚や食器棚などの家具類
・冷蔵庫などの電化製品
・洋服などの衣類
・125cc以下の原動機付自転車等
・盗難された通貨や有価証券
・30万円以上かつ申告・保険証券への明記が行われている貴金属や美術品(明記物件)
家財に該当しないもの
以下のものについては家財に該当せず、基本的には補償の対象となりません。
・自動車や自動二輪車
・商品、製品
・業務用什器や備品
・パソコン等の記録媒体(メモリーカードやディスク)
家財の評価額の決め方
家財の評価額は自分で設定
対象となる家財の評価額を設定する際に注意しなければならないのは、「現在の価値にもとづいて算出する」という点です。購入時には高額だったパソコンやテレビでも、経年劣化や型落ちなどによって価値が下がることが考えられます。評価額を抑えれば保険金や保険料を低く設定することも可能となるため、よく考えて金額を決めましょう。
年齢や家族構成による評価
評価額を自分で設定せず、一定の条件を元に算出する方法を「簡易評価」といいます。簡易評価は、家族の構成人数や年齢によって計算されます。
例えば、「夫婦+子ども」という家族構成でも、世帯主の年齢や子どもの人数によって評価額も変わることになります。家財の簡易評価額は保険会社によって異なるため、詳細は各社のHPなどを確認してください。
持ち家・賃貸の区別、広さによる加算
持ち家か賃貸か・住居の広さはどれぐらいか等の点を基準として簡易評価を行うこともあります。例えば、同じ広さの家でも、賃貸への評価額よりは持ち家への評価額の方が高くなります。また、面積が広ければその分評価額も上がります。
家財保険の保険料、目安は?
年間保険料は4,000円~1万円が目安
例1)単身者が家財保険へ加入する場合
【条件】
・世帯主の年齢…25歳
・家族構成大人1人/子供0人
・家財の簡易評価額…300万円。
このとき、保険金額を100万円とすると、年間の保険料は4,000円となります。
例2)4人家族が家財保険へ加入する場合
【条件】
・世帯主の年齢…45歳
・家族構成大人2人/子供2人
・家財の簡易評価額…1,510万円。
このとき、保険金額を700万円とすると、年間の保険料は10,000円となります。さらに補償を手厚くするため保険金額を1,500万円とすると、年間保険料は18,000円となります。
家財保険の選び方のポイント
明記物件の取り扱い
【家財に該当するもの】で紹介した通り、30万円を超える貴金属や美術品などは保証書などによって価値を証明し、「明記物件」として申告しておく必要があります。家財保険の補償対象としたい貴金属などがある場合、明記物件としての取り扱いが可能かどうか確認しておきましょう。
賃貸は借家人賠償責任保険を確認
賃貸へ居住している場合、その物件が「借家賠償責任保険」へ加入しているかを確認する必要があります。家財保険への加入を考えているのであれば、まずは賃貸契約の時点ですでに加入している保険があるかどうかを確認しましょう。借家賠償責任保険へ加入していた場合、補償の範囲や内容をチェックし、足りない分を補う意味合いで新たな家財保険へ加入することが可能です。
まとめ
家財保険の補償内容や保険料の計算方法などについて紹介しました。年齢・家族構成・家の広さなどを考慮し、適切な補償や保険料を検討してみてください。