日本全国、いつどこで起きるのかわからない地震。被害に遭い、家が住めない状態になった場合、生活再建のための資金繰りに悩まされることも。そのような時の備えとして、地震保険があります。提供しているさまざまな会社がありますが、どのような内容でしょうか。リアルなデータや、口コミの評判から比較していきます。
目次
地震保険に加入する必要性とは？
大地震が発生して被害に遭ってしまった場合、生活を立て直すのに現在の預金や他の資産で全て賄うことが難しいこともあるでしょう。特に一番被害を受けて困るのは、毎日生活をしていくための家を失うことです。地震による家への被害を補償するためにある、地震保険。単独では加入できませんので、火災保険に付帯して加入しましょう。
地震保険による備えが必要なのは、被災した時にその後の収入が途絶える可能性が高い人や、預貯金などの資産が少ない人です。住宅ローンの残債が多い場合は特に、加入しておくべきでしょう。建て直す場合、もともとあった住宅ローンに加え、新しい家を建てる資金も必要となり、負担が大きくなる可能性があります。
地震保険の対象範囲は？
火災保険では、火災による損害は補償されますが、それだけでは地震による被害は補償されません。地震による被害を補償の範囲とするためには、地震保険を火災保険に付帯する必要があります。地震保険の対象範囲は、居住用の住宅や、その家財。地震、噴火、津波による損害です。
地震保険金額は、建物や家財が全壊しても最大で火災保険金額の半分しか保証されません。一度被害が発生すると、数多くの人に同時に多大な損害が出ることが考えられるため、保険で全てを賄うのは難しい側面もあるからです。
地域や建物構造により被害の違いが出る可能性があるので、地域や建物構造をランク分けすることで、異なる掛け金が設定されています。建築年割引や耐震診断割引、耐震等級割引や免震建築物割引など、各種割引制度が用意されている場合もあります。地震保険に関しては、補償内容や保険料はどこの保険会社でも同じです。
地震保険満足度ランキング
地震保険満足度ランキングは、1位「セコム損害保険」、2位「アメリカンホーム医療・損害保険」、3位「セゾン自動車火災保険」、4位「JA共済」、5位「ソニー損害保険」という結果でした。それぞれの特徴を比較してみましょう。
1位の「セコム損害保険」は、異業種である、ホームセキュリティ業界大手のセコム株式会社の子会社です。ホームセキュリティ事業と住宅関連の損害保険とのつながりを強みとし、セコムのホームセキュリティを契約している顧客に対しては保険料を割引する制度などを用意しています。
2位の「アメリカンホーム医療・損害保険」は、保険の大手外資系企業、AIGグループの保険子会社です。損害保険のダイレクト販売をいち早くはじめた会社でもあります。しかし、グループ内での事業縮小のため、2016年4月より、火災保険・地震保険を含む全ての保険商品の新規契約、販売活動を終了しています。
3位の「セゾン自動車火災保険」は、国内の損害保険、生命保険、海外保険、介護・ヘルスケア事業などを展開する損保ジャパン日本興亜の中で、ダイレクト販売を行う損害保険会社です。火災保険においては、自由に補償を選ぶことができたり、時価(使用による消耗分を差し引いた金額)ではなく、新価で保険金額を支払ったりと、比較的柔軟な保険商品を展開しています。
4位の「JA共済」は、全国共済農業協同組合連合会と農協が、共同で運営している組織です。組合員ではなくても、出資金を支払うことで「準組合員」となり、誰でも加入できます。
5位の「ソニー損害保険」は、自動車保険を主に扱っている保険会社です。火災保険に関しては、ソニー銀行で住宅ローンを組んだ場合にのみ任意で加入できる商品としています。
【口コミ】地震保険トップ5の良い評判
・ランキング5位「ソニー損害保険」
「補償内容がしっかりしていることに加えて、スタッフの質が高いこと」(20代・男性)
・ランキング4位「JA共済」
「積み立ても同時にしているので、満期になった時にある程度貯蓄できているので満足」(30代・女性)
・ランキング3位「セゾン自動車火災保険」
「自分で組み立てられること」(30代・男性)
・ランキング2位「アメリカンホーム医療・損害保険」
「担当者が親切である」(40代・女性)
・ランキング1位「セコム損害保険」
「セコムのセキュリティにも加入していて、あわせ技で保険料が安い」(50代・男性)
5位のソニー損害保険、2位のアメリカンホーム医療・損害保険は、形は違いますが、それぞれ契約者が限られている会社です。他の保険会社と比べ必然的に利用者は少なくなりますが、求められているのは、担当者の質の高さという人的サービスへの安心感であるようです。
その他の4社に対しては、金銭面に対して満足の声が多く上がっています。4位のJA共済は、保険料支払いに貯蓄性のある「満期共済金」があることが利用者の満足につながっているようです。保険料を支払いながら貯蓄もできる安心感に、保険料の負担を不満とさせない工夫が伺えます。
一方、3位のセゾン自動車火災保険は自由に補償を選び保険料を設定できること、1位のセコム損害保険においては、グループ会社のセキュリティサービスとのセット割引や、その他の割引制度などで、いずれも保険料を安くしていることで満足を得ています。保険は、いざ補償をうける時に、ただ安いだけではしっかりした補償が受けられないのではと不安に感じてしまう場合もあるでしょう。保険料割引にしっかりとした理由があることが、満足につながっています。
この結果から見えるのは、人的サービスか、金銭面でのサービスが充実していることが、保険選びのポイントとなっていることでしょう。人により、どこに重きをおくかで選ぶ保険会社に違いがあるようです。
【口コミ】保険トップ5の悪い評判
・ランキング5位「ソニー損害保険」
「掛け金が他社よりも高い点に不満あり」(50代・女性)
・ランキング4位「JA共済」
「全般的に、毎月の掛け金が、ものすごく高くついていると思うから」(50代・男性)
・ランキング3位「セゾン自動車火災保険」
「掛け金は低く抑えることができたが、補償も少し足りない印象」(40代・男性)
・ランキング2位「アメリカンホーム医療・損害保険」
「補償額が少ない」(40代・女性)
・ランキング1位「セコム損害保険」
「掛け金が高いので」(40代・女性)
評価の高い保険会社において、悪い評価から比較してみましょう。全体的に、不満の声は少ないですが、評価が下がる理由は共通して「掛け金」と「補償」にあるようです。
5位のソニー損害保険、4位のJA共済、1位のセコム損害保険は共通して掛け金の高さが不満なようです。JA共済に関しては、良い口コミで挙がっていた貯蓄性により、他の保険会社より保険金額が高く設定されていることが、人により不満に感じているのでしょう。セコム損害保険は、良い口コミでは安くできることを評価されていましたが、割引制度には対象があるので、該当しない場合は割高になってしまう場合も考えられます。
一方、3位のセゾン自動車火災保険、2位のアメリカンホーム医療・損害保険は、掛け金は安く抑えられたとしても、その分、補償が少ない印象が不満につながっているようです。安いからといって、必ずしも満足につながるとは限らないことが伺えます。
用意されたサービス内容により、保険金額が高くても選ぶ必要があるのか、補償が少なく感じても安く抑えるべきなのかのバランスが難しいことが、結果に反映されています。不満を上回る満足を得られるのかが、契約の際に重要なポイントでしょう。
まとめ
人気の高い保険会社は、他のサービスとつながりを持っていたり、それぞれのサービスに強みを持っている傾向があります。地震保険そのものには違いはありませんので、付帯するための火災保険に用意されたサービスや特徴が、あなた自身のライフスタイルにどれだけ合っているのかを考えて、選んでみてはいかがでしょうか。
