バイク保険には、自動車保険と同じように自賠責保険と任意保険があります。しかし、バイクには車種が原付から大型まであるため、保険料の相場がわかりにくいのではないでしょうか。今回はバイクの排気量による保険料の差や、年齢別の条件などを紹介します。
目次
バイク保険の仕組みは?
自賠責保険とは
バイクを運転するときに必ず加入しなければならない保険を「自賠責保険」といい、法令で義務付けられていることから「強制保険」とも呼ばれます。通常はバイクを購入するときや更新するときに、バイク販売店などで手続きをします。
未加入や更新を忘れると罰則があり「50万円以下の罰金、または1年以上の懲役」や、運転免許の取り消し処分と違反点数6点などが科せられます。
任意保険とは
バイク保険の自賠責保険は対人賠償補償のみで、補償額も3000万円が支払限度額のため、高額の賠償を負うことになれば自賠責保険だけでは不足することもあります。そのため、通常は民間の損害保険会社の自動車保険に加入して補償の範囲や金額を補うことが一般的です。民間の自動車保険を任意保険と呼びます。
任意保険には「対人賠償保険」以外にも、自分のバイクが損傷した際の「自損事故保険」や、任意保険に未加入の相手との事故を補償する「無保険車傷害保険」などがあります。
保険料の計算方法
バイク任意保険の保険料は排気量で決まっており、125cc以下のバイクと125cc超~250cc以下、250cc超で相違します。ただし、同じ排気量の場合でも保険会社によって保険料が違うこともあります。
また、年齢による保険料の相違があり「21歳以上補償」「26歳以上補償」「30歳以上補償」で保険料が変わります。
原付~大型バイクの保険料相場は?
原付のバイク保険料
排気量が50㏄以下の原付バイクは道路交通法において「原動機付自転車」と呼ばれています。原付の「自賠責保険」は1年契約で7,500円です。複数年を前払いすれば割引率が高くなり、2年契約なら9,950円で5年契約なら16,900円の保険料です。
任意保険は各社で保険料が変わり一律ではありません。例えば、保険料比較サイトの簡易見積もりで計算した保険料でみてみましょう。
25歳の男性が6等級の基本的なバイク保険に加入したとき、大手の国内の損害保険会社では月額が約19,500円程度でした。一方、インターネット通販なら約17,000円、外資系の通販なら約15,800円となっています。契約する会社によって、任意保険の金額が異なることは覚えておいた方が良いかもしれません。
125㏄のバイク保険料
125ccは「小型限定普通二輪免許」がある場合に運転ができるバイクで、原付バイクと違い技能試験などにも合格する必要があります。「自賠責保険」の保険料は原付バイクと同じく1年契約で7,500円になり年数が長いほど割引率が高くなります。
任意保険も原付バイクと同じ相場で、簡易見積もりによる保険料は25歳男性が6等級に加入すると、損害保険会社によって約15,800円から約19,500円となっています。
250㏄のバイク保険料
250ccのバイクになると「普通二輪免許」が必要です。「自賠責保険」の保険料も、1年契約で8,650円と125cc以下のバイクより高くなります。2年契約なら約12,220円で、5年契約になると22,510円で割引は20,000円ほどになります。
任意保険の保険料は25歳男性の6等級で簡易見積もりすると、約22,000円から32,200円ほどが相場となりました。
400㏄のバイク保険料
400ccのバイクも250ccと同じように「普通二輪免許」が必要ですが、400ccのバイクは車検を受ける必要があり、自賠責保険も車検のときに支払います。保険料は250ccのバイクよりも安くなり、1年契約が8,250円で2年契約が11,520円です。
簡易見積もりによると任意保険の相場は、25歳の男性が6等級の契約に加入した場合、約22,000円~約32,200円程度で125ccのバイクと同等の保険料になることがわかります。
FPによる徹底解説&無料相談サービス実施中!バイク保険の年齢条件って?
年齢条件とは
バイク免許の取得は16歳から可能ですが「自賠責保険」には年齢による保険料の差がなく、どの年齢でも同じ額です。任意保険の場合は年齢制限があり、適応する年齢が低いほど保険料は高くなるため同じ保険金額なら「全年齢を補償」が最も保険料が高くなります。一般的には「30歳以上を補償」が年齢による補償範囲が最もせまく、保険料も安くなります。
ただし、年齢条件を設定すると、「全年齢を補償」に比べて保険料は安くなりますが、年齢条件を守らずにバイクを運転した場合は補償の対象外になることもあります。年齢条件は、対象のバイクを運転する最も若い人に合わせて設定しましょう。
未成年…全年齢担保
20歳未満の未成年が任意保険に入るときには「年齢を問わず補償」の全年齢担保に加入する必要があり、保険料も他の年齢制限と比較して割高になります。一般的に若い年代の事故率が高くリスクが高いため、「年齢を問わず補償」は保険料が高くなる仕組みになっているのです。
21歳以上…3種類の年齢条件
20歳までは全年齢担保が必要ですが、21歳以上になると3種類の年齢条件があり、「21歳未満不担保」「26歳未満不担保」「30歳未満不担保」で保険料が相違します。バイク保険はそれぞれの年齢に達したときに契約内容を見直すことで、保険料の割引率を高くすることが可能です。
バイクの車両保険、入っておくべき?
多くの場合、盗難は補償対象外
自動車保険の「車両保険」では自分の車が盗難にあったときに損害を補償する保険もありますが、バイク保険では多くの場合、盗難は補償外です。ただし、「車両盗難特約」などの付加があれば以下の場合でも補償されることがあります。
・自宅から盗まれた
・店舗などの駐車場から盗まれた
・見つかったが、汚れや破損がひどく全損になった
盗難が保障される特約は認定される条件が厳しいこともあるため、加入するときには詳しく確認することをおすすめします。
自損・転倒事故などの多くは補償対象
バイク保険の車両保険では、バイクを運転中の自損事故や自動車との接触で転倒し損傷を受けたときなどは「車両保険」の対象になります。バイクの修理見積もりの金額が「協定保険価額」の80%を超えれば「全損」で、50%を超えれば「半損」が補償額に適用されます。
ただし、修理見積もり額が「協定保険価額」を超える場合は、「協定保険価額」を上限として保険金が支払われます。
免責金額の設定がカギ
バイク保険の「車両保険」には免責金額があり、損害額から免責金額を差し引いた額が保険金として支払われます。実際に自分のバイクが損傷を受けて修理代が10万円かかったとして、免責額が5万円なら残りの5万円が補償される計算になります。
免責金額が大きいほど保険料は安くなりますが、中古など車両の価格が安いバイクでは免責金額の方が上回ってしまうこともあります。加入する必要性があるのかどうかを加入前によく検討してください。
まとめ
バイク保険は排気量が大きくなると保険料が安くなる場合や、盗難の補償がない車両保険などがあります。自分のバイクがどの保険に該当するのかを理解するためには、自動車保険と同等の知識が必要になることもありますので、よく調べて自分のバイクに合った保険を選択してください。
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