日本の統計的に死亡の原因となりやすい三大疾病。がん(悪性新生物)、急性心筋梗塞、脳卒中の3つの病気の総称で、他の病気よりも、入院の長期化、医療費の高額化のリスクが高くなる可能性があります。今回は三大疾病に備えるための保険加入時のチェックポイントをご紹介します。
目次
三大疾病保険とは
三大疾病とは、がん(悪性新生物)、急性心筋梗塞、脳卒中の三つの疾病のことを指します。日本の死因ワースト3とも言われており、食の欧米化など、生活習慣の変化によって三大疾病になる人の数が増えてきています。3つの病気の中でも、がん(悪性新生物)は今や2人に1人がかかる病気とも言われており、身近な人ががん(悪性新生物)になってしまった人もいるのではないでしょうか。
三大疾病保険は、上述のような三大疾病に特化した特約を付加することができる保険です。また万が一三大疾病を患ってしまった場合に保障してくれます。
三大疾病保険で保障される主な内容
三大疾病一時金の給付
三大疾病になった場合に、まず入院が長期化する場合があります。入院が長期化した場合、入院給付金や高額療養費制度で多少補うことができますが、入院給付金にはお支払い日数に限度があるものがほとんどです。三大疾病の中でも、脳梗塞は比較的入院期間が長期化しやすいようで、平均しても約70日以上になる場合が多いという統計が出ています。
一方、入院ではなく、通院治療となる可能性もあります。がん(悪性新生物)の場合、抗がん剤治療も患者さんの負担が少ない方法で、日帰りで行う医療機関も増えてきています。その場合、通院になるため、入院給付金は対象外になってしまうので注意が必要です。
また、高額療養費制度があるといっても、長期化してしまうと自己負担も増えていってしまいます。治療が長期化してしまった場合に安心な保証が、三大疾病一時金です。この一時金は、三大疾病により、所定の状態になった場合に給付されるもので、給付の対象となった場合、一括してまとまったお金を受け取ることができます。
一時金は、受け取った後の使い道は自由です。医療費にあてることはもちろん、病気で働くことができなくなってしまった場合は生活費にも当てることもできるので、万が一の時に安心して治療に専念できるのではないでしょうか。
ただし、契約される保険会社によってこの「所定の状態」の基準は異なるため注意が必要です。保険、特約を契約される場合には、この基準もしっかりと確認しておけるとよいでしょう。
死亡および高度障害保険金の給付
もし被保険者が死亡してしまった時、または高度障害状態になった時に受け取ることができる保険金が、死亡および高度障害保険金です。こちらの保険金は、三大疾病保険以外の病気の場合でも適用されるので、どんな事由であっても、「死亡」もしくは「高度障害状態」になった時に受け取ることができます。
三大疾病保険の特約はつけるべき?
三大疾病保険の特約とは
三大疾病保険の特約は、契約される保険会社によってプランは様々です。代表的なものは、「三大疾病入院給付金」や「三大疾病通院給付金」です。「三大疾病入院給付金」は文字通り、三代疾病での入院の際に日額10000円など契約したプランによって入院給付金を受け取ることができます。
通常の医療保険の入院給付金の場合、入院給付金の支払い日数に限度がある保険が多いですが、「三代疾病入院給付金」の場合、ほとんどが無制限になるため、入院が長期化したり、再発した場合の再入院等の場合も安心です。
また前述通り、治療方法は入院だけではありません。通院での治療になる場合には、「三代疾病通院給付金」が有効です。がん(悪性新生物)の通院での抗がん剤治療や、脳梗塞などの場合は退院後もリハビリなどで通院する可能性もあります。入院後の通院に対しても、日額で通院給付金を受け取ることができる特約です。
ただし、通院のみでは給付の対象にならない場合が多く、入院を伴う通院の場合に適用されるものなので、こちらも注意が必要です。
特約をつけるメリット
特約をつけるメリットは、やはり高額になる可能性のある医療費にも備えることができ、万が一の場合はまとまった一時金で、家族の生活を支えることができることです。三代疾病でも、症状として軽いものから重いものまで様々です。重い障害状態になった場合には、仕事もできなくなってしまったり、生活に支障が出る可能性もあります。
保険に入ることによって、お金を払うことで安心を得ることができ、精神的な負担を減らすというメリットも大きいのではないでしょうか。
三大疾病保険を選ぶ際の注意点
三代疾病を選ぶ際に注意していただきたいことは、支給条件の「所定の状態」というものをしっかり確認しておくことです。
例えば、以下のような「状態」が定義されています。
がん(悪性新生物)
- 責任開始日以降に生まれて初めて悪性新生物と医師によって診断確定されたとき
- 上皮内がん(大腸の粘膜がん含む)、皮膚の悪性黒色腫以外の皮膚がんは除く
- 責任開始日から90日以内に罹患した乳がんも除く
急性心筋梗塞
- 責任開始日以降に発病したこと
- 初めて医師の診察を受けた日からその日を含めて60日以上、労働の制限を必要とする状態が継続したと医師によって診断されたとき
脳卒中
- 責任開始日以降に発病したこと
- 初めて医師の診察を受けた日からその日を含めて60日以上、言語障害、運動失調、麻痺などの多角的な神経学的高支障が継続したと医師によって診断された時
- 「くも膜下出血」「脳内出血」「脳梗塞」のみ対象
保険金の給付を受けるためには、細かい基準が設定されています。契約する前に、きちんと確認しておきましょう。
まとめ
食の欧米化や、喫煙、ストレスなどが原因で、三大疾病発症のリスクが大きくなっている側面があります。万が一の時には、安心して治療に専念できるように、三大疾病に備えた保険を検討してみてはいかがでしょうか。