被保険者の死亡時に保険金が支払われる「死亡保険」には、「定期保険」「終身保険」「養老保険」などの種類があります。死亡保険への加入を検討する際には各保険の特徴を正しく理解し、自分に適した選択をする必要があります。今回は死亡保険の一種である「定期保険」について、特徴とメリットをわかりやすく解説します。
目次
定期保険とは
定期保険とは、約款で定められた契約期間中に被保険者が死亡した場合に保険金が支払われる「死亡保険」の一種です。保障期間は終身ではなく、契約時に定められた一定期間です。つまり、定期保険は一定期間中の被保険者の死亡保障のみに特化した保険であるといえます。
また定期保険は、契約期間満了まで被保険者が生存していた場合であっても、養老保険のように満期保険金(生存保険金)が支払われることがありません。満了後は生存保険金や解約返戻金などの払い戻しが一切なく、そのまま契約が消滅してしまうのが特徴です。このことから、貯蓄性がない掛け捨てタイプの死亡保険であるともいうことができます。
定期保険の加入期間の種類
定期保険の加入期間はあらかじめ約款で定められた一定期間であり、大きく分けて「年満了型」と「歳満了型」の2種類があります。
年満了型
年満了型とは、10年、15年、20年などの年単位で加入期間を定める契約をいいます。10年満了型の定期保険に加入した場合であれば、被保険者の死亡が10年の間保障されます。通常、10年を経過して契約満了を迎えたとしても、契約を更新しない意思表示がない限りは自動的に契約が更新される仕組みになっています。
歳満了型
歳満了型は、60歳満了、70歳満了など、被保険者が契約時にあらかじめ定められた年齢に到達したときに契約が消滅するものをいいます。年満了型とは異なり、自動更新されない場合がほとんどです。また、年満了型より契約期間が長期に設定されることが多いのも歳満了型の特徴です。
定期保険の更新の形態
定期保険の更新には「更新型」と「全期型」の2形態があります。通常、年満了型の定期保険が「更新型」、歳満了型の定期保険が「全期型」となります。
更新型
10年、20年などの期間ごとに契約が更新されていく形態を「更新型」といいます。更新型は、死亡リスクの少ない契約当初は保険料が安いというメリットがあるものの、契約を更新するごとに保険料が高くなるというデメリットも持ち合わせています。
また、更新型の場合には契約が自動更新され、医師による審査は必要ありません。そのため、契約期間中に被保険者の健康状態に何らかの問題が生じても、そのまま契約が更新できることが大きなメリットであるといえます。
全期型
契約を更新するごとに保険料が上がる「更新型」とは反対に、契約期間中の保険料が一定である形態を「全期型」といいます。全期型の場合、保険期間満了後は契約が更新されることなく、そのまま消滅します。同じ保障内容の定期保険に加入すると想定した場合、契約当初の保険料は更新型よりも高くなりますが、保険料の払込総額でみると全期型の方が安くなるというメリットがあります。
定期保険のメリット
最後に、定期保険に加入するメリットを解説します。
保険料が割安
定期保険は、満期保険金がある「養老保険」や、終身保障で貯蓄性がある「終身保険」と比べると保険料が割安です。そのため、各保険が同じ保険料であるとした場合、定期保険が1番大きな死亡保障を受けられると想定できます。このように、少額の保険料で大きな保障を得られる点が加入時のメリットと言えます。
更新型は家計の状況に合わせて変更しやすい
更新型の契約を選択すれば、契約更新の度に保険を見直すことができるというのも大きなメリットです。たとえば、「契約更新によって保険料が上がり家計を圧迫するとき」「子どもが独立したとき」などは、保険金の減額や解約を検討するのに良いタイミングであるといえます。
保険を減額または解約した場合には、その金額を他の備えに回したり、必要となった保障を手厚くしたりすることもできます。ライフイベントや家計の状況に合わせて柔軟に契約を変更しやすいというのが更新型の利点です。
まとめ
定期保険は保険料が掛け捨てであるかわりに保険料が安く、定期的に保障の見直しも行いやすい死亡保険の一種です。「子どもが成人するまで」など、お金が特に必要な一定期間の死亡保障を大きくしたい場合には加入を検討することもおすすめです。