ペットの万が一に備える「ペット保険」はさまざまな保険会社からプランが提供されており、補償内容や特約などは各保険会社によって異なります。今回はペット保険を比較するときに確認しておきたいポイントをピックアップしました。ペット保険の加入を検討している人はもちろん、現在ペット保険に加入している人も参考にしてみてください。
目次
ペット保険とは?
ペットの医療費に備える保険
ペットへは健康保険のような制度がもうけられていないため、病気やケガなどで病院へ連れて行った際の医療費は原則として全額自己負担となります。そのため、ペットの医療費を補償してくれるペット保険は、飼い主の金銭的負担を軽減してくれる商品であるといえます。
主に犬や猫が対象
加入できるペットは「犬」や「猫」である場合が多く、保険会社によっては鳥類やウサギ、フェレット、爬虫類などが加入対象となるプランもあります。それぞれの保険会社により加入できるペットの種類は異なるので、事前に確認しておきましょう。
また、商品やプランによっては、ペットが高齢になると加入できないものもあります。新規加入年齢は満9歳前後までに設定されていることが一般的ですが、高齢のペットも対象としている保険では17歳まで加入OKという例もあります。加入すれば補償が一生涯続く終身タイプのプランもあるので、必要に応じて検討してみてください。
ペット保険が必要な理由とは?
ペットの医療費は高額
飼育環境や獣医学の向上にともない、ペットも長生きをする傾向にあります。高齢のペットは人間と同様に病気やケガへのリスクも高まり、年間の医療費が負担となってしまうことも少なくありません。
手術や入院が必要となる場合には医療費も高額になり、中には年間50万円以上を支払っている人もいます。以下に、犬・猫がかかりやすい病気やケガの例を紹介します。
犬がかかりやすい病気・ケガの例
皮膚炎
外耳炎
下痢
嘔吐
異物誤飲
胃腸炎
骨折
膝骸骨脱臼
僧帽弁(そうぼうべん)閉鎖不全症
水頭症…通院または手術
猫がかかりやすい病気・ケガの例
下痢
皮膚炎
外耳炎
膀胱炎
腎不全
嘔吐
異物誤飲
尿石症
腫瘍
結膜炎
ペット保険で補償されるのは?
通院や入院、手術の費用
ペット保険は原則として、病気やケガに伴う費用が補償され、人間でいうと医療保険に近い部分をカバーしています。通院時・入院時・手術時などには保険金が支払われますが、支払い限度額や補償上限日数・回数などは各保険会社によって異なります。
「支払い限度額」とは、1疾病・1年間などの決められた範囲における保険金額の上限のことです。支払い限度額が設定されている保険商品の場合、保険金の合計支払い金額が限度額に達すると補償が受けられなくなることもあります。
「補償上限日数・回数」は、保険期間内にどれだけの日数・回数の補償が受けられるかということを示しています。補償上限日数・回数が設定されている保険商品の場合、通院は年間○日・入院は年間○日などの上限に達した後は自費で支払いを行わなければならないケースもあります。支払い限度額内であれば、1日・1回あたりの上限や、日数・回数の上限が設定されていない保険もあります。
予防接種や去勢手術は対象外
ペット保険では、予防や健康検査に関わる費用、去勢・避妊手術にかかる費用など、病気やケガの治療にあたらない出費は補償の対象外となる場合がほとんどです。以下のようなケースは補償対象とならないことが多いため、注意してください。
補償対象外になるケースの一例
・契約者(飼い主など)または被保険者(ペット自身)が原因となって発生した病気やケガ
・自然災害による病気やケガ
・予防・健康診断など、症状を伴わない検査
・契約開始以前から負っていた症状や先天性のもの
・予防接種を行うことで予防できる感染症など
・保険制度の上で病気やケガに該当しないもの
・健康食品や医薬部外品の購入費用など
一定の補償割合を負担
ペット保険には、病気やケガで発生した医療費の一定割合を補償される「定率補償」と、一定額までを補償してくれる「定額補償」があります。「定率補償50%」に加入していて医療費が10万円だった場合の例では、最大5万円の保険金を受け取ることができます。「定額補償」では、原則として医療費が一定額の範囲内である限りは保険金が支払われますが、超過した分は自己負担となります。
定率補償の場合、80%や100%の補償が受けられるプランを用意している保険会社もありますが、補償率が大きくなるほど保険料も高くなる傾向があります。また、定率補償に比べて定額補償の方が、保険料が高いケースが一般的です。自身のライフスタイルやペットの種類などに合わせて、それぞれを比較検討してみましょう。
葬儀費用や賠償責任などの特約も
保険会社によっては、特定の補償内容を手厚くすることができる特約を付帯できるプランが用意されています。ペットが他者にケガを負わせてしまった場合などに補償が受けられる「賠償責任特約」や、病気やケガが原因の後遺症を負った場合に補償が受けられる「高度後遺障害保険金特約」、葬儀の際にかかる費用が補償される「葬祭保険金特約」などさまざまなものがあります。
また、希望に合わせて追加できるオプションサービスが提供されている保険商品もあります。加入を検討するときは、必要な補償が受けられるように調整してみるのもおすすめです。
ペット保険の保険料はどう決まる?
動物の種類や品種
ペット保険の保険料は、主に3項目の要素により大きく変動します。まず1つ目の要素が「ペットの種類や品種」です。保険料には、加入対象となっているペットの種類(犬や猫など)や品種による料金区分がもうけられていることがほとんどです。
例をあげると、「犬」と「猫」では保険料が異なり、「犬」の中でも「チワワ」と「ラブラドール・レトリーバー」では保険料が異なるということです。大型種の方が保険料は高くなる傾向があります。また同じ、種類・品種のペットであっても、保険料の設定金額は会社や商品によって異なるため、加入前に比較してみましょう。
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ペットの年齢
ペット保険の保険料を左右する2つ目の要素は、「ペットの年齢」です。一般的なペット保険では加入するペットの年齢によって保険料にも変動があり、年齢が上がるにつれて保険料も高くなる傾向があります。年齢による保険料の変動率はペットの種類や品種によっても異なりますので、更新や加入の際にチェックしておきたいポイントです。
また、補償期間が設定されている「掛け捨てタイプ」の商品に加入する場合は、ペットの年齢が上がりすぎると更新ができないケースもあります。一生涯に渡って補償が続く「終身タイプ」の保険商品も提供されているため、ペットの現在の年齢を加味した上で選択してください。
補償の充実度
保険料を左右する3つ目の要素は、「補償の充実度」です。先ほども紹介した通り、ペット保険では「一定の補償割合」がプランごとに50%補償・80%補償・100%補償などと定められている場合が多く、補償割合が大きくなるほど保険料は高くなる傾向にあります。
また、「免責金額」が設定されているケースもあり、免責金額がゼロまたは低額に設定されたプランの場合は保険料金が高くなることが多くなっています。「免責金額」とは、1つの疾病やケガなどに対し、(保険料が支払われる場合であっても)自己負担が必要となる金額のことをいいます。仮に免責金額が3万円の保険に加入していて医療費が5万円かかった場合、支払われる保険料は2万円となります。
特約を追加する場合などについても、補償の充実度が上がるという意味で保険料は高くなります。このあたりは人間の保険とも共通したポイントであるといえます。
ペット保険の選び方
補償内容を把握
ペット保険の加入を検討する際には、ペットの種類や品種によって違う「かかりやすい病気やケガ」を把握しておくことが大切です(犬と猫の場合については先ほど紹介したため、参考にしてみてください)。それに伴う通院・手術・診療などにかかるおよその料金を試算することができ、無駄の少ない補償内容の選択につなげることも可能です。
ペット保険の補償内容には、通院・入院・手術の広い範囲を補償する「フルカバープラン」や、通院のみ・入院と手術のみなどと範囲を限定して補償する「補償限定プラン」などがあります。フルカバープランは医療費を幅広くカバーできるプランであるため、手厚い補償を希望する人におすすめです。補償限定型プランは、必要な補償を選びながら保険料を安く抑えたい人に向いているといえます。
補償割合や限度日数を確認
ペット保険で設定されている「補償割合」とその保険料には、プランごとに差があります。補償割合は20%増えるごとに、おおよそ1.3~1.4倍へ保険料が割り増しされるケースが多くなっています。希望する補償内容と支払う保険料のバランスについてもチェックしておきたいポイントといえるでしょう。
また、前述の通り、プランによっては支払い限度額や日数・回数、免責金額などが決められている場合もあります。同じ補償割合の保険商品であっても、制限が設定されているプランの方が保険料は安くなる傾向にあります。ただし、長期的な治療や高額な医療費が見込まれる病気やケガを患った場合には、回数設定にゆとりがもうけられているプランの方が安心かもしれません。
加入年齢や更新可能年齢をチェック
加入したいペットの年齢も、保険選びの判断基準といえます。保険期間が決められている、いわゆる「掛け捨て(定期)タイプ」のペット保険では、期間終了のたびに更新・新規加入などが必要となります。商品によっては加入年齢や更新可能年齢が制限されている場合があるため、ペットが高齢になると加入・更新などが難しくなることも考えられます。
保険会社によっても異なりますが、新規加入が可能とされるペットの年齢は満9歳前後に設定されているケースが多くみられます。一生涯の補償を希望する人は、必要に応じて掛け捨て(定期)タイプではなく「終身タイプ」を選択することも視野に入れておきましょう。
特約を比較
ペット保険には、特約を任意で追加できる場合と、特約が自動的に付帯されている場合があります。先ほど紹介した「ペット賠償責任特約」「高度後遺障害保険金特約」「総先保険金特約」に加え、がんで手術を受けた時に上乗せして保険金が受け取れる「がん手術保険金特約」や、保険金を請求する時に必要な診断書を作成する費用を賄う「診断書費用保険金特約」などが用意されているペット保険もあります。任意で付帯する場合・自動付帯されている場合、いずれについても、特約の内容が料金に見合ったものであるかをしっかり確認しておきましょう。
割引適用の有無
ペット保険にはインターネット割引や多頭割引が受けられるものもあり、特にインターネット割引は多くの保険会社で取り入れられています。ペット保険の加入を検討している人はもちろん、複数のペットを加入させたいと思っている人は割引の適用条件を確認しておくことで、より安い保険商品を見つけることができるケースもあります。
保険料金の傾向
終身タイプ > 掛け捨て(定期)タイプ
定額補償 > 定率補償
定率補償100% > 50%
免責金額あり > なし
ペットが高齢 > 若年
大型 > 小型 (犬の場合)
ペットが猫の場合については以下の記事でも詳しく記載しているので、参考にしてみてください。
まとめ
「ペットは大切な家族」と感じる人は少なくないでしょう。そんなペットが病気やケガを負ったときの費用を賄うのがペット保険です。加入する際には、ペットの種類や品種、希望する補償内容などからいくつかのペット保険をピックアップしてみましょう。補償割合などについて理解が難しい場合や複数のペット保険を比較してみたい場合、保険代理店へ行くと詳しい説明を聞くことができます。気軽に訪れてみてはいかがでしょうか?
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