老後の資金を貯める方法にはいろいろなものがあります。代表的なものに普通預金がありますが、普通預金だけでは資産を増やすことは難しく、インフレによる物価上昇リスクを加味すると資産が目減りしてしまう恐れもあります。適切な資金の準備方法を知ることで、資産運用をしながら計画的に老後に備えることが可能です。今回は老後資金の3つの準備方法をご紹介します。
目次
老後資金は貯蓄すればいい?
低金利で貯金では増えない
貯蓄方法の代表的なものに銀行への預金(貯金)があります。普通預金や定期預金であれば、元本割れのリスクがなくお金を貯めることが可能です。また、預金保険制度に加入している金融機関に預けている預金であれば、預入先の金融機関が破綻しても一定の額までは預金が保護されます。
しかし、2018年6月現在普通預金は0.001%、1年ものの定期預金の金利は0.01%程度としている金融機関が多く、ただお金を預けているだけではほとんどお金は増えません。老後資金を準備する場合、貯金と長期的な運用ができる投資などに資産を分散して、貯金と投資のリスクを上手く取りながら着実に資産を増やすことが大切だと言えます。
貯金はインフレで目減りする可能性
前述の通り、貯金であれば元本割れのリスクは少ないです。しかし、物価が上昇してお金の価値が下がるインフレが起きると、実質的に目減りする可能性があります。
インフレになると、以前は100万円で買えたものが110万円になるなど、100万円より多くのお金を出さないと買えなくなります。お金が減っていないように見えても、価値が下がることもあるということを覚えておきましょう。
老後資金の貯め方1:投資信託
プロが分散投資して運用
投資信託とは、投資の専門家が資金を顧客から集めて運用し、運用成果を顧客へと配分する商品のことです。運用利回りや投資対象は、取り扱い金融機関の商品により異なります。投資の知識がなくても資産運用ができるので、初めて投資をする人は投資信託から始めてみると良いでしょう。
おすすめはバランスファンド
投資信託で初めて資産を運用する場合、バランスファンドがおすすめです。バランスファンドとは国内・海外の株式や、債券・不動産など複数の投資対象に分散投資する商品となります。
分散投資では、投資対象が様々であるため資産を短期間に大きく増やすことはできませんが、大きく損失が出るリスクも低いです。ただし、投資信託は銀行預金とは異なり元本が保証された金融商品ではありません。
NISAを活用できる
投資信託の場合にも、NISAの制度を利用することが可能です。NISAとは「少額投資非課税制度」のことで、NISAに指定した口座で株式などの売買を行った際の税金が非課税になります。
投資信託でも本制度が適用できるため、長期的な資産運用を投資信託で行う場合は積み立てNISAを活用すると良いかもしれません。ただし、NISAでの運用資産・非課税枠には限度額があり、運用できる期間にも定めがあります。積み立てNISAの期間は最長20年です。
老後資金の貯め方2:iDeco(イデコ)
選んだ金融商品で一定の掛け金を運用
iDeco(イデコ)とは「個人型確定拠出年金」のことです。公的年金・厚生年金などに加えて自身で年金の積み立て・運用ができます。自営業者や勤務先に確定拠出年金の制度がない厚生年金加入者(60歳まで)が加入可能です。
証券会社や銀行・保険会社などから運営管理機関を選び、さらに運用する金融商品を選びます。選んだ金融商品に、掛け金を毎月5,000円から1,000円単位で積み立てます。2017年1月から制度が改正され、専業主婦や公務員も加入できるようになりました。
加入資格により掛け金の上限が異なる
iDecoの掛け金は最低毎月5,000円以上からとなり、上限は加入資格により異なります。自営業の場合は毎月68,000円が上限となりますが、企業型確定拠出年金制度がない会社員や専業主婦の場合、毎月23,000円までです。また、企業型確定拠出年金制度のある会社に勤めていて、本制度のみ加入している人は毎月20,000円が上限となります。
節税できるメリットも
iDecoを利用するメリットは節税効果です。iDecoで拠出した掛け金は全額所得税控除の対象です。また、通常の金融商品を運用して得た利益には税金が発生しますが、iDecoでの運用益は非課税となります。
受取の際の税金も軽減されるメリットがあります。一時金・年金から受取方法を選ぶことができますが、一時金として受取の場合は「退職所得控除」、年金として受取の場合は「公的年金等控除」の対象となります。
老後資金の貯め方3:保険
個人型年金には「有期年金」・「終身年金」・「確定年金」の3種類の受け取り方があります。どのタイプを選択するかにより、保険料や年金の受取期間が異なります。
・「有期年金」・・・5年・10年などのあらかじめ決めた期間、年金を受け取れます。ただし、被保険者が生存していることが受け取りの条件です。
・「終身年金」・・・受取年数に定めがなく、被保険者が生存している限り受取ができます。
・「確定年金」・・・定められた期間中、被保険者の生存の有無に関わらず、年金の受取が可能です。
低解約返戻金型終身保険という選択も
個人年金保険以外では、生命保険の「低解約返戻金型終身保険」で老後の資金を準備することも可能です。低解約返戻金型終身保険は、保険料払込期間中の解約による解約返戻金を抑えることで、一般的な終身保険よりも保険料が割安になっています。
保険料の払込が終われば解約返戻金は払込保険料よりも増える商品が多いため、生命保険としての保障を受けつつ、老後の資金としても活用ができます。
リスクをとるなら外貨建て保険
外貨建て保険とは、日本円で支払った保険料をアメリカドルやユーロなどの外貨として積み立てる保険です。外貨へのリスク分散と生命保険の保障を受けられるメリットがあります。ただし、為替変動により元本を大きく下回ってしまうリスクもあります。
また、満期の際は、積み立てた外貨を日本円に交換して受け取ることができますが、その際に為替手数料などが発生することもあるので注意が必要です。
まとめ
普通預金では資産の元本割れリスクは少ないですが、同じ金額でも物価上昇により、資産としての価値が目減りしてしまうことがあります。個人年金や終身保険などで、普通預金とのバランスを取りつつ、少しでもお金を増やすことを意識すると、将来の受取資産に差が出ます。今一度、老後資金の準備の方法について検討することをおすすめします。
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