保育施設は大きく認可保育施設と認可外保育施設の2つに分けられますが、どのような違いがあるか知っていますか?今回は、認可保育園を中心に保育施設にかかる費用について解説します。
目次
認可保育園の費用はどう決まる?
基準になるのは世帯所得
認可保育園の費用は世帯所得で決まります。例えば夫が会社員、妻が専業主婦などで所得がゼロの家庭は、夫1人の所得がそのまま世帯所得となりますが、夫婦共働きの場合はお互いの所得を合算した金額が世帯所得です。
所得は、収入から経費あるいは給与所得控除を差し引いた金額になります。収入から経費を差し引くのは自営業の人、収入から給与所得控除を差し引くのは会社員です。認可保育園の費用は、世帯所得から計算される住民税の一部から決まります。
国の基準は上限
国は、住民税の所得割課税額によって保育料を定めています。例えば、所得割課税額が221,200円以下であれば、保育料は20,500円、それ以上であれば25,700円です。このように、所得割課税額が高ければそれだけ保育料も高くなります。
自治体による保育料の違い
自治体によって、保育料は異なる場合があります。なぜなら、上記に挙げた国の基準を基に自治体が保育料を決めて良いことになっているからです。
認可保育園の運営は、国の助成を基に自治体が行っています。そのため、財政が豊かな自治体の認可保育園は利用者の負担を軽減しているため、保育料が安い傾向があります。
3歳児から保育料は下がる
子どもの年齢によっても保育料は変わります。これは、国が子どもの年齢に対して必要な保育士の数を定めているからです。
国の基準を基に保育士の数について説明すると、0歳児3人に保育士は1人、1・2歳児6人には保育士が1人、3歳児20人に対しては保育士1人が必要です。ただし、この数は最低限必要な保育士の数になります。3歳未満は多くの保育士を雇用して給料を支払う必要があるため、保育料は高くなりますが、3歳以降は保育士が見られる幼児の数が増えるため保育料が下がるのです。
兄弟割引がある
保育施設によっては、保育料の兄弟割引があります。例えば、東京都川崎市の一部の認可保育園では2人目は半額、3人目以降で無料という措置を取っています。兄弟割引の有無や割引額は施設によって異なるので、近隣の保育施設に問い合わせてみると良いでしょう。
保育時間による違いも
保育時間によっても保育料は異なります。まず、保育が必要であると判断された家庭は、「保育標準時間」と「保育短時間」の2タイプに分かれます。前者の保育標準時間と判断された場合は、最長で11時間まで追加料金はありません。(通常保育の時間帯に限る)
認可保育園の費用の平均は?
保育料の平均は2万円
先ほども説明しましたが、認可保育園の保育料は世帯所得によって変化します。厚生労働省の「平成24年地域児童福祉事業等調査」によると、子ども1人あたりの月額保育料は「2万円以上3万円未満」が最も多いという結果が出ました。
次に多いのが「1万円以上2万円未満」です。したがって、認可保育園の月額保育料の平均はおよそ2万円と考えて良いでしょう。
無認可の保育園の費用との違いは?
認可外保育園の費用は施設による
認可外保育園の保育料は、上記で解説した国の基準とは関係がありません。認可保育園では世帯所得によって保育料が決定されますが、認可外保育園の保育料は施設ごとに決定されます。そのため、施設によっては、認可外保育園の3歳未満の保育料が7万円から8万円となるケースもあります。
保育費用が安すぎる園には注意
自治体の助成を受けていない保育園は、利用者の保育料だけで運営しています。そのため、一般的には認可保育園よりも認可外保育園の保育料が高くなることが多いです。平均よりも保育料が安すぎる保育園は、保育士の数などが足りているかなどをきちんと自身の目で確認して判断した方が良いかもしれません。
認証保育所の費用は?
東京都の独自の制度による保育園
認証保育所は東京都の独自の制度によって設置されています。すべての施設で0歳児の保育を行っており、13時間以上の開所が基本です。保育料には上限が定められており、世帯所得に影響されることはありません。
保育費用の上限が決められている
認証保育所の保育料には上限があります。保育料の上限は月に220時間以下の利用の場合、「3歳児未満で8万円、3歳児以上77,000円を超えない」です。この保育料の中には、給食・おやつ代、年会費や保育材料費等が含まれています。
幼稚園の費用との違いは?
幼稚園は入園金がある
保育園と保育園が違う点のひとつに「入園金がある」点が挙げられます。私立幼稚園であれば3万円から10万円、公立幼稚園であれば1万円から2万円が入園金の相場となっています。この他、入園にあたっては入園する幼稚園の制服等をそろえる必要もあります。
幼稚園の費用は公立と私立で差がある
全国平均では1カ月あたりに掛かる費用が公立の場合で約12,000円、私立で約3万円です。これを1年間に換算すると公立で約150,000円、私立で360,000円となります。私立は公立の2倍以上の費用が掛かっていることがわかります。
幼稚園の費用は収入と関係なく一律
幼稚園は認可保育園とは異なり、世帯所得で費用が変動することはありません。幼稚園の場合は、一律で保育料が決められています。ただし、兄弟割引がある幼稚園もあります。
まとめ
認可保育園の保育料は世帯所得に応じて定められており、月額保育料の平均は約2万円です。一方、認可外保育園は世帯所得に応じて保育料が変動することはありません。費用やそれぞれの保育施設の特色を調べ、子どもにとって良い保育施設を選ぶようにしましょう。
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