皆さんは現在保険に加入していますか?学生から社会人になったり、結婚や出産で家族が増えたりしたタイミングで、保険への加入を一度は考えたことがあるのではないでしょうか。保険の種類は多く、自分にとって本当に必要な商品を探すのは難しいものです。そこで今回は、保険を選ぶ際に知っておきたいポイントをお伝えします。
目次
知っておくべき保険を選ぶ際の比較項目
自分にあった保険を選ぶためには、どのような項目を比較しなければならないのかを知っておくことが必要です。以下に代表的な比較項目を記載します。
保障の種類
保険は「何に対して保障を行うか」によって種類が分かれています。以下に代表的なものを紹介します。
「医療保険」とは
病気やケガで入院・通院・手術等をしたときに保険金が支払われます。特定の疾病に対して保障が手厚い商品もあります。
「損害保険」とは
交通事故・火災・地震・風水害・盗難など、日常生活における損害が発生した場合に保険金が支払われます。予測不能の事態が突然起きたケースに対する保障と言えます。
「就業不能保険」とは
病気やケガ等が原因で働くことが困難となった場合に保険金が支払われます。「60歳まで」など、保障期間が長期に及ぶ点が特徴です。
「所得補償保険」とは
就業不能保険と同様に働けなくなったときの保険です。保障期間は1~3年と短期である商品が多く、主に損害保険会社が販売しています。
保険商品には、保障だけでなく貯蓄性がある商品もいくつか存在します。
「終身保険」とは
一生涯の死亡保障に加え、解約時には返戻金と呼ばれるお金が戻ってくる保険です。長期の保障を得ながら資産作りにも取り組める点が特徴です。
「養老保険」とは
一定期間の死亡保障に加え、満期の際には保険金が受け取れます。積立期間中に、保障が欲しい場合に適した保険です。
「学資保険」とは
子供の進学に合わせてお祝い金や満期保険金を受け取ることができる保険で、契約者(主に親権者)に万が一のことがあった場合には保険料が免除になるケースがほとんどです。そのため、子供の学資金をきちんと準備しておきたいときにおすすめします。子供の病気やケガに備えた特約を付加することのできる商品もあります。
「個人年金保険」とは
主に老後の生活資金の準備として一定期間保険料を積み立て、60歳、65歳などの節目に年金方式で保険金を受け取るタイプの保険です。契約の内容によっては年金保険料控除の対象になる商品もあるため、節税効果も期待できます。
最後に、介護に対して保障する商品についても紹介します。
「介護保険」とは
あらかじめ保険会社が定めた要介護状態もしくは公的制度で指定された要介護状態になった場合に、一時金や年金形式で保険金が支払われる商品です。
保障期間
保険の保障期間には次の2タイプがあります。
- 一定期間のみを保障対象とする「定期タイプ」
- 一生涯保障が続く「終身タイプ」
それぞれのメリット・デメリットを知っておき、自分に適した保障期間を選択することをおすすめします。
決まった期間だけしっかりとした保障がほしい人には「定期タイプ」が向いています。保険料を抑えることができるという利点がありますが、保証期間満了後は新たな保険への加入を検討する必要があります。
一方、将来への備えを優先したい人には「終身タイプ」がよいでしょう。定期タイプに対して保険料は割高になるケースが多いものの、健康状態に不安のある年齢になってから新しい保険を探さなければならないという事態は回避することができます。
保障金額
保障金額とは、死亡・入院・手術などの保険事故(保険金、給付金の支払い事由)が発生した際、何にいくらの保険金が支払われるのかということです。この点を把握せず保険に加入すると、実際に支払われる保険金の額が思っていたよりも少なかったということにもなりかねません。
保険料の支払い額と払い込み期間
月払いなのか年払いなのか、保険料はいくらなのかという点も知っておきましょう。また保険料の払い込み期間は終身なのか一定期間で終わるのか、自分は何歳まで保険料を払うことになるのか、ということについてもあらかじめ理解しておく必要があると言えます。
払い戻し金額
終身保険や養老保険などの貯蓄型保険では、払い込んだ保険料に対して満期時や解約時にいくらの保険金が受け取れるかという点をチェックしておきたいところです。戻りが多いほど貯蓄性がある保険といえますが、その分払い込む保険料も高額になります。さらに、途中で解約した場合は払い込んだ分を下回る金額しか戻ってこないことが多いため、注意が必要です。
年代別ごとの保険に入る目的の違い
20代および30代
20代・30代は結婚や出産などのイベントが集中しやすい時期と言えます。さらに、婚姻や子供の有無によっても必要な保障が変わります。独身の場合であれば入院や手術で働けなくなった場合に備えて医療保険や収入保障型の商品を、既婚で子供が居る場合であれば万が一の時に家族を守る死亡保障のついた商品などを選択肢に入れるとよいかもしれません。
40代
40代は健康状態に不安が出てきやすい年代です。そのうえ、教育費や住宅ローンなどによって家計の負担が重くなりがちな時期でもあります。支出との兼ね合いが難しいところですが、家族に対するしっかりとした死亡保障や入院・手術などの医療保障、さらに自分たちの老後の準備についても視野に入れるタイミングと言えるでしょう。
50代以降
子供の年齢にもよりますが、50代以降は教育費にある程度の見通しがつき、老後への備えを本格的に始める年代です。今までの保険では保障内容が過剰となる可能性があるため、内容の見直しをする機会でもあります。老後の保障や家計への負担について、じっくりと考えましょう。
自分に合った保険を選ぶ3つのポイント
ライフステージを考える
保険を選ぶときには、ライフステージにおいて保障内容が適切かどうかという点を考えてみることが大切です。例えば、残したい家族が居ない独身の人は死亡保障より他の保障にお金をかけた方が良いかもしれません。
女性の場合であれば、女性特有の疾病に備えることのできる医療保険を選ぶこともできます。ライフステージ・年代・性別などによって、選ぶべき保険は違ってくると言えます。
経済的負担と保障のバランスを考える
保険は通常の生活では対応できない事態に備えるものですが、深く考えずにあれこれ加入してしまうことは避けたいものです。保険料の負担が大きくなりすぎた場合、日常生活自体に支障を来してしまい、結局保障が受けられないまま解約に至るという可能性もあります。保険を選ぶときは無理をせず、家計の範囲内で必要な保障のみを準備するようにしましょう。
保険に入る目的の優先順位を決める
「現在の資産や公的制度、勤めている会社の制度などの不足部分を補う」という視点で商品を選ぶと、保険に入る目的を明確にすることができます。自身の家計に必要な保障に絞り、優先順位を決めて備えることが大切です。
まとめ
保険の種類や内容は様々であり、必要な保障はライフステージ・年代・性別などによって異なります。家計の範囲内で無理をせず、保障内容や保険料を十分に吟味して商品を選択することが「自分に合った保険」に出会う近道と言えるでしょう。適切な保険を選択するのに不安がある場合は、専門家にご相談してみるのはいかがですか。