県民共済は掛け金が一定で割安な一方、保障額はコースで決まり60歳以降に縮小する点がデメリットです。「割安で加入できる」という評判だけを聞いて申し込むと、保障の中身と自分の家計状況が噛み合わず、あとで物足りなさを感じることがあります。
この記事では、県民共済のしくみと5つのデメリット、それを踏まえた賢い活用法までをまとめました。デメリットを知っておくことで、逆に自分に合う使い方が見えてくるはずです。
県民共済って安いだけで、いざというとき頼りにならないんじゃないの?



安さの裏側には理由があります。デメリットを理解した上で、民間保険と組み合わせて使うのがおすすめです。
県民共済とは?
県民共済とは、全国生活協同組合連合会(全国生協連)から受託を受けた都道府県ごとの生協組織(会員生協)が提供する保障制度です。全国生協連が統括するこれらの組織は、まとめて「都道府県民共済グループ」と呼ばれます。
「県民共済」という呼び方が一般的ですが、北海道では「道民共済」、東京都では「都民共済」となるなど、名称は地域ごとに異なります。神奈川県では別の生協が提供する「かながわ県民共済」が先にあったため、全国生協連の制度は「全国共済」と呼ばれています。
東京都に住んでいる人向けの内容は都民共済で受けられるサービスでも詳しく紹介しています。名称は違っても、しくみの骨格はどの都道府県でも共通しています。
県民共済のデメリット5つ
県民共済には、掛け金の安さと引き換えに知っておきたい弱点がいくつかあります。保障額の限界、年齢による縮小、加入できる範囲の制約、掛け捨てという性質、医療と死亡保障がセットになっている点。この5つを順に見ていきましょう。


1.保障額はコースによって異なり、上位コースでも十分とは言えない場合がある
県民共済の死亡保障額は、加入するコースの月々の掛け金によって変わります。最も手厚い総合保障4型でも、病気死亡時の保障額は800万円が目安で、掛け金が低いコースではさらに少なくなります(出典:広島県民共済公式サイト)。
| コース | 月々の掛け金 | 病気死亡時の保障額の目安 |
|---|---|---|
| 総合保障1型 | 1,000円 | 200万円 |
| 総合保障2型 | 2,000円 | 400万円 |
| 総合保障4型 | 4,000円 | 800万円 |
既婚で妻や子どもを扶養している人が死亡した場合、この保障額は残された家族の生活費に直結します。子どもの教育費は大学卒業まで一人当たり1500万円から2000万円ほどかかるといわれており、コース次第では県民共済だけでは足りない可能性があります。独身者や、扶養家族が少ない世帯であれば、上位コースの保障額で十分足りることもあるでしょう。
2.60〜65歳になると保障が縮小される
県民共済の掛け金は年齢による差がなく一定です。この点は加齢とともに保険料が上がる心配がないというメリットになります。ただし、死亡保障金は60歳から65歳にかけて減額される仕組みになっています。
3.加入できるのは居住または勤務する都道府県の共済のみ
県民共済には、「居住地」または「勤務地」の都道府県が運営する共済にしか加入できないという決まりがあります。以前は一部の都道府県に県民共済がありませんでしたが、現在は47都道府県すべてに県民共済または名称の異なる同種の組織が設立されており、未実施の都道府県はありません(出典:全国生活協同組合連合会公式サイト)。
そうはいっても、転居や転職で都道府県が変わる際には、それまでの契約を引っ越し先へそのまま持ち越せるわけではなく、転居先の窓口で改めて手続きが必要になる場合があります。事前に確認しておくと安心です。地域ごとの詳しい保障内容は、静岡県民共済の保障内容や広島県民共済は入院や手術も保障される?でも紹介しています。
4.割戻金はあるが、保障は掛け捨てが基本
決算状況によっては、1年に1回、支払った掛け金の一部が返金される「割戻金」が発生することがあります。割戻率は都道府県ごとに異なりますが、これはあくまで決算後の還元であり、県民共済そのものは基本的に掛け捨ての保険です。
- 定期保険タイプのみで終身保険はない
- 解約返戻金がなく、貯蓄機能は期待できない
- 一定の年齢で保障期間が満了し、その後は無保障になる
保障を持ちながら貯蓄も兼ねたいという人には、県民共済だけでは物足りないかもしれません。
5.医療保険と生命保険がセットになっている
県民共済は医療保険と生命保険が分かれておらず、ひとつのプランに両方が組み込まれています。この点が向く人と向かない人を分けます。
- 結婚や出産を機に医療保障と死亡保障を一度に充実させたい人
- 複数の保険を個別に管理するのが煩わしいと感じる人
- 医療保険のみ、あるいは生命保険のみを手厚くしたい人
- 保障の中身を自分でカスタマイズしたい人
県民共済の上手な活用法
ここまでのデメリットは、裏返せば県民共済が力を発揮する場面のヒントにもなります。掛け金の安さ、加入のしやすさ、保障の見直しやすさをどう使うかで、県民共済の評価は大きく変わります。


割安な掛け金で医療保障を充実させたい場合
県民共済の掛け金は、年齢・性別・職業による差がなく一定です。一般的には2000円から4000円ほどで加入でき、少ない負担で医療保障を充実させられるのが強みです。
更新型の保険と違い、加齢によって保険料が上がる心配もありません。保険料が将来上がっていくリスクを避けたい人には、県民共済が向いています。共済と保険のしくみの違いについては、共済の仕組みや保険との違いで詳しく比較しています。
すでに加入している保険の不足分を補いたい場合
結婚や出産といったライフスタイルの変化があると、既存の保険の保障額が急に足りなくなることがあります。掛け捨て型で掛け金も安い県民共済は、こうした不足分を補う手段として使いやすいでしょう。
どの共済が自分に向いているか迷う場合は、どこの共済がおすすめ?性別や年代別ランキングも参考になります。
病歴や入院歴があって民間保険に加入できない場合
県民共済への加入は、医師の診断ではなく健康告知のみで判断されます。加入できるかどうかの基準は、健康告知書の内容に基づき次のように定められています(出典:静岡県民共済公式サイト)。
- 過去1年以内に14日以上の入院、または同じ病気・けがで20回以上の通院治療を受けていないこと
- がんなどの慢性疾患は、治ってから5年以内でないこと
これらの基準を満たしていれば、過去に病歴があっても加入できる可能性があります。民間保険への加入を断られた経験がある人は、選択肢の一つとして検討してみてください。
県民共済は「メインの保険」として単独で完結させるより、既存の保険の隙間を埋める補完役として使うと、デメリットが目立ちにくくなります。
県民共済の保障内容は将来変更可能


県民共済の保障内容は、加入したあとでも変更できます。郵送での手続きだけでなく、インターネットからの変更にも対応しています。
結婚や出産などライフスタイルの変化に応じて保障内容を見直したり、医療の進歩に合わせて特約コースを追加したりできます。加入時のプランに縛られ続ける必要はありません。
よくある質問
- 県民共済とこくみん共済(全労済)は同じもの?
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いいえ、運営組織が異なります。県民共済は全国生活協同組合連合会から受託を受けた都道府県ごとの会員生協が提供する制度で、こくみん共済は全国労働者共済生活協同組合連合会が運営しています。名前は似ていますが別の組織です。
- 県民共済の保障額はどのくらい?
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加入するコースによって異なります。月々1,000円の総合保障1型で200万円、2,000円の総合保障2型で400万円、最上位の総合保障4型で800万円が病気死亡時の保障額の目安です。都道府県によって細部は変わるため、加入前に該当地域の内容を確認してください。
- 持病があっても県民共済に入れる?
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健康告知の基準を満たせば加入できます。目安は、過去1年以内に14日以上の入院や20回以上の通院がないこと、がんなどの慢性疾患は治ってから5年以上経過していることです。民間保険に加入を断られた場合の選択肢として検討する価値があります。
- 引っ越しをしたら県民共済はどうなる?
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県民共済は居住地または勤務地の都道府県の共済にしか加入できないため、他の都道府県へ転居した場合は、転居先の窓口で改めて手続きが必要になることがあります。現在は47都道府県すべてに同種の組織があるため、加入自体ができなくなる心配は少なくなっています。
まとめ
県民共済には、保障額がコースによって限られる点、60歳以降に保障が縮小する点、掛け捨てで貯蓄機能がない点といったデメリットがあります。同時に、掛け金の安さと加入のしやすさは、既存の保険を補う手段としてしっかり機能します。
デメリットを踏まえたうえで、自分や家族のライフサイクルに合わせて既存の保険を見直し、県民共済をどこで組み合わせるかを考えてみてください。









