愛猫の元気がなくなったり、病気にかかってしまったりすることは飼い主にとって心配なことのひとつでしょう。猫がかかる病気の中で、感染症はワクチンを打てば防ぐことができるものです。この記事では、感染症の種類やワクチンの接種方法、注意事項などについてまとめました。
目次
猫の予報接種の必要性って?
法律で定められている義務ではない
猫の感染症予防にはワクチンの接種が効果的とされていますが、これは飼い主の判断によって任意に行うもので、法律で決められているわけではありません。ただし、動物愛護法では飼い主は動物に起因する感染症を予防するために十分な注意を払うことを義務付けています。
子猫は生まれたときに母猫から胎盤と母乳を通じて免疫をもらうのですが、一般的にこの母子免疫は生まれてから2~3か月間は有効と言われています。そのため、いつ頃予防接種を受けさせるか迷っているのであれば、生後3か月頃を目安にするとよいかもしれません。
愛猫を守るため受けさせるのがベター
猫がかかる病気として、感染症の他にも「がん」「腎臓病」「心臓病」「糖尿病」などが挙げられます。これらの病気と違って感染症はワクチンで防げることが多いため、接種をおすすめします。屋内で飼っている猫であれば比較的感染リスクは少ないものの、外に出ることが多い猫や動物病院へ通院中の猫は感染する可能性が高くなります。また、猫を飼っている来客から感染するケースなどもあるため、注意が必要です。
ワクチンにはどんな種類がある?
猫エイズ感染症などの単体ワクチン
猫がかかりやすい感染症として次の6つがあります。
・猫ウイルス性鼻気管炎(猫風邪)
・猫カリシウイルス感染症
・猫汎白血球減少症
・クラミジア感染
・猫エイズウイルス感染症
・猫白血病ウイルス感染症
猫エイズ感染症(FIV)のみ混合ワクチンの取り扱いがなく、単体での接種となります。他の5種類については単体・混合どちらのワクチンもあります(混合ワクチンについては次の項で紹介します)。また、猫に接種する狂犬病ワクチンもありますが、日本では狂犬病自体の発症がほとんど見られないため、接種はあまり行われていません。
そのほかの感染症として猫伝染性腹膜炎ウイルス(FIPV)やコロナウイルス感染症なども挙げられますが、この2つについては今のところワクチンがありません。
三種混合などの混合ワクチン
上記で紹介したような単体のワクチンを打つ場合もありますが、以下のような混合ワクチンによって1度で複数の感染症を予防することも一般的です。
・3種混合…猫ウイルス性鼻気管炎、猫カリシウイルス感染症、猫汎白血球減少症
・4種混合…3種混合+猫白血病ウイルス感染症
・5種混合…4種混合+クラミジア感染
・7種混合…5種混合+猫カリシウイルスの2別タイプ対応型
猫を飼っている環境(屋内・屋外など)、他の猫や人との接触状況などを考慮して獣医師へ相談し、適したワクチンを選べば良いでしょう。
予防接種にはいくらかかる?
単体ワクチンの費用
猫の感染症ワクチンの費用は動物病院によって異なっており、一律ではありません。また、単体ワクチンは1種類で3,000円以上かかる場合もあり、混合ワクチンよりは割高となる傾向にあります。猫エイズワクチンは単体ワクチンのみですが、その他については混合ワクチン費用と比較して選ぶことができます。
混合ワクチンの費用
先ほども紹介した通り、混合ワクチンには3種・4種・5種・7種の4タイプがあります。動物病院ごとに費用は異なりますが、3種混合は3,000円~7,000円、4種混合は4,000~8,000円、5種混合は5,000円~1,0000円、7種混合は7,000円~13,000円前後が目安といえます。
ワクチンの価格は動物病院による差が生じやすい部分ではありますが、普段から通っている動物病院であることや、対象となる感染症の種類なども大切な要素です。獣医師と相談し、適切なワクチンを選ぶようにしてください。
接種の間隔や頻度は?
子猫は計3回が目安
一般的に、猫のワクチン接種は生後2~3か月目が最初です。子猫の場合は1回目の接種の1か月後にも再度ワクチン接種を受けることと、さらに最初の接種から1年以内にもう一度の接種を受けること(計3回)が勧められています。
成猫は年1回が目安
成猫の場合、年に1回程度のワクチン接種で免疫状態が維持されるとされています。子猫が受けるべきとされる3回目のワクチン接種が終わったら、その後は年1回のワクチン接種で感染症予防をしましょう。
接種に対する注意事項って?
接種する前
ワクチン接種とは、人間の場合と同様に猫の体内へ免疫となる病原を入れることを意味します。猫の体調(食欲や便・尿の状態など)がよさそうであるか、万が一猫に異変が起きた際も飼い主がそばにいられる予定であるかなどの点には十分に気を配っておいてください。
接種した後
ワクチンを接種した後には猫が少し興奮していることもあるため、待合室などでゆっくり落ち着かせてから帰宅するのも良い方法です。帰宅後も激しい遊びなどは避けることと、シャンプーは2~3日避けることなども注意事項といえます。免疫がつくまではワクチン接種後2週間程度かかるともいわれているため、いつもと違う様子がないかどうか注意してあげましょう。
副作用について
猫のワクチンによる副作用は少ないとされていますが、獣医師の診断が必要と思われる症状が起きることもゼロとは言えません。食欲がない、下痢や便秘をしている、しぐさや表情がいつもの通りでない等が確認された場合には動物病院へ相談しましょう。接種後にショック状態となることも稀にありますので、速やかに動物病院へ連絡をとりし、指示に従って対応をしてください。
まとめ
今回は、猫の予防接種について紹介しました。予防接種の頻度や注意点などについて正しく知っておくことは大切ですが、飼い猫の様子がおかしい時に相談できるかかりつけの動物病院をつくっておくことも重要です。ただ可愛がるだけではなく、普段から猫の小さな変化にも気を配ってあげましょう。
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