子どもが生まれたとき、新しい保険の加入を検討される方も多いでしょう。特に小さいうちは病気にかかったりケガをしたりする可能性も低いとは言えません。今回は、県民共済の子ども向けプランについて説明します。
目次
県民共済の子ども向けプランとは
県民共済とは
県民共済とは、全国生協連(全国生活協同組合連合会)から受託を受けた39都道府県の生協組織が提供している保障事業です。運営元や管轄の違いから「共済」と呼ばれていますが、加入者の掛金を財源として不測の事態や将来の生活に備えるという点では保険と同様の形態であると言えます。
県民共済の数が39ということからもわかる通り、提供されていない県もあります。
2017年12月現在、
・山梨県
・福井県
・鳥取県
・徳島県
・愛媛県
・高知県
・佐賀県
・沖縄県
こちらの8県には県民共済がありません。県民共済には、「居住」もしくは「勤務する県」の共済にのみ加入できるという制約があるため、加入を検討する際には住居・職場のある都道府県における県民共済の有無を確認しましょう。元々県民共済に加入していた人であっても、上記の県に転居した場合には加入を継続することができないため注意が必要です。
どの県民共済にも子ども向けプランがある
都道府県によって名称などに若干の違いはありますが、どの県民共済にも子ども向けのプランがあります。子ども向けプランの保障期間が終了すると、同額の掛金で満18歳以上を対象とする総合保障型の共済へ自動継続となります。
子ども向けプラン以外の共済についても言えることですが、営利目的で運営が行われているわけではありません。そのため、剰余金が生じると「割戻金」として掛金の一部が戻ってきます。剰余金の金額は決算の度に変動するため割戻金も一定の額ではありませんが、掛金の負担軽減につながる仕組みと言えます。
子ども向けプランの保障内容は?
県民共済の子ども向けプランには、月掛金が1000円・2000円の2コースがあります。どちらのコースも保障内容に変わりはありませんが、ほとんどの項目で月掛金2000円コースの方が大きな保障金額に設定されています。
コースにかかわらず「子どもが0歳から満17歳で、健康であること」が加入の条件となっており、保障期間は加入時点から18歳までです。子ども向けの保険や共済においては、保障対象が子ども自身でも両親や他の親族が契約者となって掛金を支払っているケースが多く、契約者が死亡した際には共済金が受け取れる場合があります。また、あやまって第三者に損害を与えてしまった時、共済金による損害賠償が可能となることもあります(自己負担額として1000円が必要)。
子ども向けプランの特徴として、入院・通院・手術などに代表される医療方面の保障が充実している点が挙げられます。以下で詳しく紹介しましょう。
手厚い医療費保障
子どもがケガをしたり病気にかかったりした場合、入院や通院は1日目から保障され、手術は入院の有無を問わず保障の対象となる例がほとんどです。日帰りの入院や手術であっても共済金が支払われるケースは多く、通院は最長90日・入院は最長360日と中長期にわたって保障される場合があります。
月掛金1000円コースの支払い事例を紹介します。
・インフルエンザのため3日間の入院をした場合→5000×3=1万5000円の給付
入院1日あたりの保障額5000円が、入院日数である3日分給付された例です。
・スポーツによる転倒で半月板を損傷し、日帰りの手術を受けた後3日間の通院をした場合→100000+(2000×3)=106000円の給付
受けた手術が支払い対象のものであったため手術共済金10万円が給付され、加えて、通院1日あたりの保障額2000円が通院日数である3日分給付された例です。
参考:全国生協連 共済金のお支払い事例
自己負担が発生しない場合も保障の対象に
医療費の助成制度を導入している自治体で暮らしていると、医療機関にかかっても医療費の自己負担が発生しないことがあります。子ども向けプランでは、たとえ自己負担額がゼロであっても保障の対象となる場合があり、受け取った共済金は差額ベッド代や交通費など、治療費以外の用途にあてることができます。
先進医療も対象
民間の健康保険では適用対象外であることが多い先進医療についても、組合の基準に沿っていれば保障されるケースがあります。先進医療は治療費が高額になりやすいという面を持っており、多くの健康保険では「特約」という形で契約に付加することで保障の対象となります。先進医療を用いた治療を受ける人の割合はそれほど高いとは言えませんが、万が一の時でも保障があるとわかっていれば高額な治療に踏み切ることも可能となるかもしれません。
参考:厚生労働省 先進医療の実施機関と治療内容
捻挫や骨折は保障対象となる?
子どもに多いケガとして、捻挫や骨折が挙げられます。友達と遊んでいたりクラブ活動をしていたりするうち、何かの拍子に腕や足などを傷めてしまうケースは少なくありません。
捻挫・骨折はどちらも保障の対象です。月掛金1000円コースでは通院1日あたり2000円、月掛金2000円コースでは4000円が、通院した日数分(最長90日)支給されます。手術や入院の必要があるような捻挫・骨折については組合の基準に当てはまるかどうか確認する必要があるため、問い合わせてみてください。
まとめ
県民共済の子ども向けプランは損害賠償に対応していること、医療方面の保障が幅広いことなどが特徴と言えます。備えておきたい点・保障があれば安心できる点などをチェックし、他の保険との比較検討などに役立ててみてください。