今回はJAの学資保険「こども共済」についてまとめました。JAのこども共済は平成29年4月に仕組みが変わって「プランの追加」が行われましたので、その内容も解説していきます。学資金型の「学資応援隊」、祝金型の「にじ」「えがお」の違いを見ていきましょう。
目次
JA共済の学資保険「こども共済」とは?
「こども共済」とは、JA(農業共同組合)が提供している学資保険です。こども共済には、子どもが所定の年齢になってから毎年受け取れる「学資応援隊」と、入園・入学のタイミングに合わせて祝い金を受け取れる「にじ」「えがお」の3タイプがあります。
・「こども共済 学資応援隊」の概要・特長
「こども共済 学資応援隊」は、学資金型の共済です。以前は「すてっぷ」という名称で受付されていましたが、平成29年4月よりリニューアルされて、プランも「中学」「高校」「大学」の3つに拡大しました。
学資応援隊は、契約内容によっては高い返戻率になることが特長です。例えば、22歳満期の「大学プラン」で加入し、掛金払込終了年齢を12歳にした場合、約108.6%の給付率(※)となります。
※「こども共済 学資応援隊」の計算モデル
・共済掛金(年払い/口座振替)=230,133円
・払込共済掛金総額(12年間)=2,761,596円
・給付総額(共済金額)=3,000,000円(+238,404円) 給付率=約108.6%
・「こども共済 にじ」の概要・特長
「こども共済 にじ」は、祝金型のベーシックなプランです。この共済に加入していると、子どもの入園・入学時期に合わせて「お祝い金」という形で、教育資金を受け取ることができます。
「にじ」のメリットは、学資応援隊よりも支給時期が早いことです。学資応援隊では一番早くて「中学プランの11歳から支給スタート」ですが、「にじ」と後述の「えがお」は、幼稚園の入園(3歳)からお祝い金としてまとまった教育資金を準備できます。
・「こども共済 えがお」の概要・特長
「こども共済 えがお」は、「にじ」よりも保障を手厚くしたプランです。「にじ」だけでは万一のときの保障が足りないのでは、とお考えの方に向いている、保障重視の学資保険となっています。
JA共済の「こども共済」の保障内容
ここからは、「学資応援隊」と「にじ」「えがお」の具体的な保障内容について説明していきます。
・「こども共済 学資応援隊」の保障内容
<加入可能年齢>
・お子さま:0~12歳
・契約者:18~75歳
<お子さまの万一の保障>
・保障期間:加入時から満期までずっと
・共済金額:100~1,000万円(払込期間中は、病気または災害で後遺障害のとき。払込終了後は死亡の時)
満期の選び方については、学資応援隊には「中学プラン(14歳満期、15歳満期)」「高校プラン(17歳満期、18歳満期)」「大学生プラン(22歳満期)」が用意されています。以前までは大学生プランのみでしたが、平成29年4月からは中学プランと高校プランが加わって、満期を指定しやすくなりました。
また、契約者(親族)にもしものことがあったときには、それ以降の共済掛金を払う必要はありません(共済掛金払込免除制度)。払込免除になったとしても、お子さまの保障や学資金の受け取りはなくならず、満期金も支払われます。
・「こども共済 にじ」の保障内容
<加入可能年齢>
・お子さま:0~11歳
・契約者:18~75歳
<お子さまの万一の保障>
・保障期間:加入時から満期までずっと
・共済金額:100~300万円(病気・災害で万一のとき)
保障については、「災害給付特約」などをつけることで共済金額を大きくすることもできます。祝金タイプの「にじ」「えがお」も共済掛金払込免除制度の対象で、契約者に万一のことがあった場合は、共済掛金の払い込みが全額免除されます。
・「こども共済 えがお」の保障内容
<加入可能年齢>
・お子さま:0~11歳
・契約者:18~75歳
<お子さまの万一の保障>
・保障期間:加入時から満期までずっと
・共済金額:100~300万円(病気・災害で万一のとき)
「こども共済 えがお」は、年齢に応じて共済金額が大きくなっていきます。共済金額300万円で契約した場合、0~5歳のあいだは300万円ですが、6~14歳には900万円(共済金額の3倍)、15~22歳には1,500万円(共済金額の5倍)になります。
JA共済の「こども共済」でつけられる特則について
次に、こども共済につけられる特則についても解説していきます。
・妊娠中にも契約できる「出生前加入特則付こども共済」
「出生前加入特則付こども共済」は、お子さまの出生予定日の140日前から契約できる方法です。「出産後ではなく、できれば妊娠中に学資保険の手続きを済ませておきたい」という場合に、特則をつけて契約できます。
・万一のときに養育年金が出る「養育年金特則付こども共済契約」
「養育年金特則付こども共済契約」は、契約者が満期前に死亡したり、第1級後遺障害状態や重度要介護状態になったりしたときに満期まで養育年金が出るものです。この特則をつけると、お子さまの養育年金として「共済金額×20~50%(年齢によりアップ)」が支給されます。
・健康状態にかかわらず加入できる「共済掛金払込免除不担保特則」
「共済掛金払込免除不担保特則」をつけると、契約者の年齢、性別、健康状態にかかわらずこども共済に加入できます。この特則をつけた場合は、契約者に万一のことがあったときに掛金の払い込みが免除されません。
JA共済の「こども共済」の掛金・満期金シミュレーション
それでは、こども共済に加入した場合の掛金をシミュレーションしてみましょう。
・こども共済「学資応援隊」のシミュレーション
<条件>
・0歳で加入した場合/契約者年齢:30歳(男性)/共済金額300万円
<大学プランの掛金シミュレーション>
・満期22歳、学資金支払開始18歳、掛金払込終了18歳の場合
・年払い共済掛金:159,072円(払込免除あり、特則・特約なし) ※給付率104.7%
・月払い共済掛金:13,833円(払込免除あり、特則・特約なし) ※給付率100.4%
大学プランで22歳を満期にすると、学資金は18歳から支給スタートで、22歳までに毎年60万円(300万円÷5回)が支払われます。払込方法を比べると「年払い」のほうが掛金は安くなるため、給付率が高くなることがわかります。
・こども共済「にじ」「えがお」のシミュレーション
<条件>
・0歳で加入した場合/契約者年齢:30歳(男性)/共済金額300万円
<「にじ」の掛金シミュレーション>
・満期22歳、払込終了年齢22歳の場合
・年払い共済掛金:142,530円(払込免除あり、特則・特約なし) ※給付率95.6%
・月払い共済掛金:12,393円(払込免除あり、特則・特約なし) ※給付率91.6%
共済金額を300万円にした場合、満期までに計6回(15~90万円)の祝金が支払われます。
<「えがお」の掛金シミュレーション>
・満期22歳、払込終了年齢22歳の場合
・年払い共済掛金:152,523円(払込免除あり、特則・特約なし) ※給付率89.4%
・月払い共済掛金:13,263円(払込免除あり、特則・特約なし) ※給付率85.6%
「えがお」は保障が手厚いぶん、掛金も上乗せされているため、支払い金額が高くなります。支払われる祝金の金額・回数は、「にじ」と同じです。
JA共済の「こども共済」は、学費がかかる時期に学資金が出る「学資応援隊」と、入園・入学に祝い金がもらえる「にじ」「えがお」があります。これから先どのように教育資金を用意していくかは、ご家庭の教育方針や将来設計に合わせて検討してみてください。