食べ物や動物・花粉などアレルギーの原因となり得る物質は多く、疑わしい症状が出てもどの物質が原因なのか特定することは難しい場合があります。今回は、アレルギー検査の方法や概要、費用の目安などについて詳しく解説します。
目次
アレルギー検査は何科を受診すべき?
アレルギー科もしくは皮膚科や耳鼻科
アレルギーと思われる症状が見られたとき、身近にアレルギー科があればそこで検査を受けることが可能です。近くにアレルギー科がない場合、皮膚科や耳鼻科でも検査を受けられることがほとんどです。
アレルギーを引き起こす可能性のある食物(卵や乳製品など)を食べた後、顔や口の周りの赤み・体の発疹・むくみなどが生じた場合は、皮膚にアレルギー反応が出ている可能性があります。食物の他、ゴムや金属など特定の物質に対して同じような反応が見られたときも、多くの場合は皮膚科で相談することが可能です。
また、鼻水やくしゃみ・鼻づまりなどが続く場合は粘膜にアレルギー反応が出ている可能性があり、花粉症を含むアレルギー性鼻炎を発症していることが考えられます。特定の季節や環境下で上記のような症状が見られた場合には、耳鼻科でアレルギーの検査・相談をすることができます。なお、本記事はアレルギーの症状・原因などを特定するものではありません。詳しくは医療機関へ問い合わせてください。
子供は小児科で相談
赤ちゃんや幼児は自分で体の痒み・痛みなどを伝えることが難しいため、親や周囲の人が日頃から注意深く観察することが大切です。食物や動物に触った後にアレルギーと思われる症状が出た場合、何を食べたときなのか・何に触れたときなのかなどをメモしておくと、医師への相談がスムーズです。乳幼児はアレルギーかどうかの見極めが難しく、年齢によっては実施できない検査もあるため、症状が重篤でない場合はまず小児科で医師の診察を受けてもよいでしょう。
赤ちゃんはかかとから採血可
1歳児未満の赤ちゃんは血管が見えにくいため、注射器を用いずにかかとの毛細血管から採血を行うことがあります。注射を怖がる5歳未満の子供などに対しても同様の方法で採血することができますが、注射器を使った採血より時間が掛かるというデメリットもあります。
受診前に保険適用の範囲をチェック
アレルギー症状の自覚が本人にあって所定の条件を満たしている場合に限り、アレルギー検査へも健康保険が適用されるケースがあります。対象となるのは「血液検査」と「皮膚検査」ですが、保険適用内で検査できる項目には上限があるため、あらかじめどんなアレルギーが疑わしいか目星をつけておく必要があります。
なお、アレルギーと思われる反応が見られず、本人に自覚症状もない段階で行う検査は全額自己負担となります。
受診前に保険に入ったほうがお得!?無料相談サービス実施中!アレルギーの血液検査費用とは?
全項目から13選ぶRAST
「特異的IgE抗体検査(RAST)」では、調べたいアレルギー物質を13項目まで選んで検査をすることがができます。自覚症状があり、アレルギーと思われる反応がある場合は、健康保険を適用すると5,000円程度で検査を受けることが可能です(以下、いずれも診察料などは別途必要となります)。
33項目を一度に検査するIgE-MAST33
「IgE-MAST33」の検査では、動物では猫や犬、植物ではスギやヒノキなどの項目からアレルギー源となる物質を調べることができます。検査したい項目は選べませんが、疑われるアレルギー物質が検査対象に含まれている場合、一度に33項目の物質について検査することが可能です。健康保険適用の場合、費用は4,800円程度掛かります。
5項目を選べるHRT
RAST検査と同様に、HRT検査では任意で検査したい項目を選ぶことができます。RAST検査では13項目選ぶことができますが、HRT検査では5項目が上限です。しかし、健康保険適用の場合で2,000円程度と、RAST検査と比較すると検査費用が安く済みます。
39項目のViewアレルギー39
「Viewアレルギー39」では、定められた39項目のアレルギー物質を一度に検査することができます。健康保険適用の場合で、4,800円程度が費用の目安です。
その他のアレルギー検査って?
アレルゲンを接触させる皮膚テスト
採血検査以外では、プリック(乱刺)テストやスクラッチ(掻皮)テストなどの、皮膚へアレルゲン物質を直接接触させる方法があります。プリックテストは、アレルゲン液を置いた皮膚を専用の針で軽く刺し、数十分後に反応の有無や強さを調べる検査です。スクラッチテストは、専用の針で少し傷をつけた皮膚の上に1滴だけアレルゲン液を滴下するテストです。
この2種類のテストを行う際には皮膚へ傷をつけることとなりますが、専用の針を使用するため、血が出たり痛みが伴ったりすることは少ないと考えてよいでしょう。プリックテスト・スクラッチテストのいずれも医師が認めれば健康保険適用となり、費用の目安は1項目につき420円程度です。検査の数日前から薬の服用を中止するよう指導される場合などもあるため、詳しくは最寄りの医院へ問い合わせてください。
食物アレルギーの検査
食べ物のアレルギーは、血液検査の他に「食物除去試験」や「経口負荷試験」でも調べることができます。食物除去試験は、アレルギーの原因と考えられる食べ物を数週間口にしないようにし、身体に変化があるかどうかを見る検査です。経口負荷試験では、医師の観察の下で原因と考えられる食物をごく少量から食べ、経過を見ながら接種量を増やすなどしてアレルギーの反応を見る検査方法です。
食物除去試験は、アレルギーの検査というより疑わしい物質を除去する試験(検査)といえるため、費用は診察料のみであるケースが多くなっています。経口負荷試験は健康保険適用で1項目あたり3,000円程度ですが、入院などを伴う場合には別途入院管理料などの費用が掛かることがあります。
まとめ
アレルギーの発症は予期しにくいものであるということができ、中にはアナフィラキシーショックなどの重篤な症状となるケースもあります。アレルギーの原因物質を知っておくと対策が可能となったり、万が一の際に周囲の人へ協力を頼みやすくなったりする面もあるため、心当たりがある場合には検査を受けてみるとよいかもしれません。身体に異変が生じた際などには自己判断をせず、速やかに医師の判断を仰ぐようにしてください。
家族や子供に合った医療保険をお探しの方へ!保険のプロによる無料相談サービス実施中!