マイホームを購入する際には、住宅の購入費以外にどのような費用がかかるのでしょうか?また、注文住宅・戸建て・マンションで予算の目安はどのように異なるのでしょうか?今回は、住宅購入における平均費用や予算の決め方などについて解説します。
目次
マイホーム購入にかかるお金とは?
物件価格以外に諸費用が必要
マイホーム購入には、土地や建物の価格以外にもさまざまな費用が発生します。例えば、手付金が挙げられます。手付金の金額は売主・買主間の合意によって決まりますが、物件購入額の5~10%程度に設定されるケースが多くなっています。手付金を支払った後に購入を辞退することになっても、原則として返金を受けることはできません。
他にも、不動産の所有権を証明する不動産登記費用や、不動産会社を仲介するのであれば仲介手数料なども必要となります。また、現在の住まいからの引っ越し費用や、新たな家電・家具などの購入費用も必要経費といえます。
マンションは管理費等も考慮
多くのマンションでは、管理費や修繕積立金を集金されることになります。管理費とは、廊下やエレベーターなどの電気代・エントランスやゴミ捨て場の清掃費など、共用で利用する設備の管理にかかる費用のことです。
修繕積立金とは、10年程度を目安に実施する大規模修繕・工事に備え、毎月一定額をマンション管理組合に積み立てるものです。戸建ての場合は自分で修繕費用を貯めておく必要がありますが、マンションでは居住者・所有者が一度に多額の費用を負担することがないよう、小分けで徴収されます。なお、マンションの修繕計画に大きな変更が生じた際などには、積立額の値上げや一時分担金の支払いが必要となるケースもあります。
マイホームの予算はどう決める?
「年収の5倍」が目安とは限らない
マイホームの購入額は、「年収の5倍までを目安に」と言われますが、実際は用意できる頭金や適用されるローン金利を考慮しなければなりません。ローンを組む際は、「借入できる額」ではなく、「返済できる額」を基準に考えることが大切です。また、フラット35などの長期ローンを希望する場合には定年後の収入状況も考慮し、老後に必要な資金を確保できるようにしておきましょう。
頭金+ローンで返せる額が目安
頭金を300万円用意できる場合、ボーナス返済なしで毎月7万円の支払いが可能であるとすると、2,500万円前後の物件が目安となります(返済期間35年・ローン金利1.5%で計算)。また、マンションでは、駐車場契約が別途発生することがあるため覚えておきましょう。
マイホームの頭金については以下の記事へ詳しくまとめてあります。
頭金は諸経費と予備費を除いて計算
頭金を用意する場合、家具などを新調する際の費用・当面の生活予備費などは手元に残すようにしましょう。頭金を少しでも多く用意できると毎月の支払額が下がり、支払期間も短縮できる傾向にありますが、購入後の万一のリスクにも備えておく必要があります。目安として、毎月の生活費相当額の6カ月分から1年分を「生活予備費」として残しておくと良いでしょう。
ローン返済額をシミュレーション
頭金や金利・返済期間などの条件を基に、住宅情報サイトや金融機関のホームページで、住宅ローンの返済額を試算できることもあります。購入希望物件価格から月々の支払額のシミュレーションを行ったり、返済可能額と頭金などから逆算して購入可能額を算出したりできるページもあるため、活用してみるとよいでしょう。より具体的に金額を試算したい場合や、専門知識のある人の意見を聞いて決めたい場合、ファイナンシャルプランナー(FP)などへ相談を持ち掛けてみるのも良い方法です。
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マイホーム購入費用の平均は?
注文住宅や土地付注文住宅の場合
住宅金融支援機構の「2016年度フラット35利用者調査」によると、注文住宅購入に要した資金の全国平均は3,320万円であり、首都圏では3,615万円、首都圏・近畿圏・東海圏を除くその他の地域では3,112万円という結果が得られています。また、土地付注文住宅の全国平均は3,955万円であり、首都圏では4,652万円、その他地域では3,552万円であるということです。
建売住宅やマンションの場合
同調査によると、建売住宅の購入価額の全国平均は3,338万円であり、首都圏では3,646万円、その他地域では2,700万円です。マンションの購入価額は、全国平均が4,267万円、首都圏が4,754万円、その他地域では3,308万円が平均金額でした。
予算オーバーの際、削減ポイントは?
シンプルな形状の家にする
建売住宅や分譲マンションの場合、間取りやデザインの変更はほとんどできません(半注文住宅を除く)。注文住宅では設計段階から自分のこだわりを実現しやすいものの、複雑な構造にしたり珍しい塗料・素材などを使用したりすると、それだけ費用もかかります。予算を抑えたい場合、家の構造自体はシンプルにして内装を好みのものにするなどの工夫をするとよいでしょう。
部屋や間仕切り壁を減らす
部屋を区切る間仕切り壁は、増える分だけ予算が上がります。子どもが大きくなったら部屋を分けたいと考えていても、設計段階では間仕切りが必要ないケースもあります。将来個室にすることを想定するのであれば、1つの部屋に出入口・照明を2か所設置し、のちにパーティションなどを使用して2部屋として使用することも可能です。
オープン外構にする
オープン外構とは、住宅の周囲をフェンスや塀・門などで囲わない開放的なスタイルのことを言います。敷地が狭くても比較的圧迫感がなく、外構工事費用を抑えられるというメリットがあります。しかし、敷地内に侵入しやすい点・プライバシー対策が必要となる点などのデメリットがあり、浴室やリビングの配置には気を配った方がよいかもしれません。
マイホーム購入の際に話し合っておいた方がよい点や覚えておくべきポイントについては、以下の記事もあわせてお読みください。
まとめ
マイホームの購入を検討する際は、無理のない範囲で予算を決めることが大切です。また、ローンの返済後に快適なセカンドライフを送りたいのであれば、老後資金についても考えなければなりません。長期的な資産計画について、FPなどに相談してみるのも良いでしょう。
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