ジブラルタ生命保険という会社をご存じでしょうか?世界規模の金融機関であるプルデンシャル・ファイナンシャルの一員である外資系生命保険会社です。ここでは、ジブラルタ生命の主な商品やサービスを紹介し、さらに終身保険と医療保険については内容を詳しく説明します。
目次
ジブラルタ生命って?
親会社はプルデンシャル・ファイナンシャル
ジブラルタ生命は、外資系の金融グループであるプルデンシャルホールディング・オブ・ジャパンの一員です。親会社のプルデンシャル・ファイナンシャルは、1875年に米国で創業された世界最大級の金融機関で、生命保険や投資信託のほか、年金・資産運用など総合的なサービスを提供しています。本社は米国ニュージャージー州にあり、総預かり資産は1兆2,990億ドルと日本円で換算して140兆円を超えています。(2017年3月末現在)
日本でのグループ企業にはほかに、「プルデンシャル生命」や「PGF生命(プルデンシャル ジブラルタ ファイナンシャル生命)」などがあります。
ジブラルタ生命の前身
ジブラルタ生命の経営は、2000年に経営破綻した旧協栄生命保険の事業継承からはじまり、2011年には米国AIGグループであるAIGエジソン生命(旧東邦生命保険)、AIGスター生命(旧千代田生命保険)を子会社としています。2012年には3社が合併し、新ジブラルタ生命となりました。
格付けなどは高水準
ジブラルタ生命の財務の健全性に関しては、格付け機関のスタンダード&プアーズ社(※)の保険財務力格付けにおいて、「A+」(2018年1月末現在)と高い評価を得ています。
※スタンダード&プアーズ社…ムーディーズと並んで世界2大格付け機関と言われているアメリカの民間有力格付け会社の日本法人
さらに、財務面の健全性は示す指標の1つに「ソルベンシー・マージン比率」がありますが、2017年12月末現在で「937.1%」を達成しています。
ソルベンシー・マージン比率は、いざというときに支払い余力がどれだけあるかを示す材料となるもので、経営の健全性を判断する指標の1つです。
保険契約継続率(1年以上契約が継続している割合)も93.7%(2017年3月末現在)と高く、顧客満足度や契約の長期継続に力を入れている結果と言えるでしょう。
ソルベンシー・マージン比率についてはこちらの記事にも詳しくまとめてありますので、参考にしてください。
保障プランはオーダーメイド
ジブラルタ生命の保険に関する特徴として、オーダーメイド設計があげられます。加入者それぞれのニーズに合った保障を、ライフサイクル(就職、結婚、子育て、老後など人生のステージの変化のこと)に合わせて提供しやすい点がオーダーメイド設計の強みと言えます。
ライフプラン・コンサルタントが提案
オーダーメイド設計を可能にしているのが、ライフプラン・コンサルタントの存在です。
ライフプラン・コンサルタントとは、ライフサイクルに合わせた保障プランの提示によって顧客をサポートする保険のプロフェッショナルです。加入後は、状況に応じて保障が最適化するようにアドバイスを行うなど、アフターフォローも実施しています。
ジブラルタ生命ではライフプラン・コンサルタントの育成に力を入れており、各種研修への参加や外部資格の修得を推奨しています。その結果、MDRT(※)の会員に627名が認定されています。(2007年4月1日現在)
※MDRT…生命保険と金融サービスの専門家組織。会員になるには高度な商品知識と厳しい倫理基準などが必要とされる。
日教弘と提携
ジブラルタ生命と日本教育公務員弘済会(日教弘)との提携関係は60年以上にわたります。日教弘とは教職員の福祉向上を目的とした団体で、会員数は60万人以上、福祉事業や教育研究助成事業、共済事業(提携保険事業)などを運営している団体です。
共済事業の引き受け保険としては、日教弘会員のみ加入できる「教弘保険」や「教弘グループ保険」、教職員やその家族を対象として教弘保険を補完する個人保険の「教弘付属保険」などがあげられます。また、ライフプランに沿った保障設計の提案も受けることができます。
その他の提携団体
ジブラルタ生命には、日本教育公務員弘済会以外にも下記のような提携団体があります。
・全国商工会連合会
・日本食品衛生協会
・全国理容生活衛生同業組合連合会
・全日本美容業生活衛生同業組合連合会
・日本社会福祉弘済会
・全国間税会総連合会
・防衛庁共済組合
商工会との提携では、貯蓄と融資と保障がセットになった「商工貯蓄共済」制度の中での医療保険の引き受けなどを行っています。また、日本食品衛生協会との提携では、会員福利厚生事業としての「食協生命共済保険」の取り扱い会社となっています。他団体とも、共済引き受けや団体扱い保険制度(※)などさまざまな形で提携関係にあります。
※団体扱い保険制度…所属している団体や企業から保険料が一括して保険会社に支払われる制度。保険料は団体割引が受けられることが多い。
団体扱い保険についてはこちらの記事もあわせてお読みください。
ジブラルタ生命の保険カテゴリって?
定期保険
ジブラルタ生命の定期保険商品として、次のようなものがあります。
・平準定期保険(無配当)
・高度障害療養加算型家族収入保険(無配当)
「平準定期保険」は、万が一の場合に死亡保険金を受け取れる掛け捨てタイプの保険です。必要な保障を必要な期間だけ設定することができ、最大500万円までの死亡保険金が最短で当日中に支払い可能となる「死亡保険金即日支払いサービス」の利用も可能です。
「高度障害療養加算型家族収入保険」は、被保険者が死亡または高度障害になったとき、家族年金または高度障害年金が毎月受け取れる保険です。
一般的に、必要保障額の総額は子どもの成長とともに減少する傾向にあります。「高度障害療養加算型家族収入保険」は必要額に合わせて年金受取総額が減少する仕組みになっており、逓減定期保険の一種と言えます。
年金月額:20万円(最低支払保障期間2年)・保険期間:65歳まで・保険料月額:約8,000円という条件で30歳男性が加入した場合、契約1カ月後の30歳で亡くなったときの年金受取総額は約8,000万円となります。
この例で、保険期間中の死亡による最低支払額は2年分480万円です。ただし、定期保険であるため満期を迎えても満期保険金の支払いはありません。
終身保険
ジブラルタ生命の終身保険は、以下の3種類です。
・終身保険(無配当)
・介護保障付終身保険(無配当)
・低解約返戻金特則付 特定疾病保障終身保険(無配当)
「終身保険」は、死亡保障と貯蓄を兼ね備えた保険です。保障が一生続くため、満期を気にする必要もありません。
「介護保障付終身保険」は、「終身保険」の保障に加え、介護保険制度で要介護2以上に認定された場合には介護保険金が受け取れる商品です。
「低解約返戻金特則付 特定疾病保障終身保険」では、特定疾病(がん、急性心筋梗塞、脳卒中)および、死亡・高度障害状態のいずれかになったときに特定疾病保険金が支払われます。ただし、特定疾病保険金を受け取った時点で契約は消滅し、以降の死亡保障はなくなります。
養老保険
ジブラルタ生命の養老保険(円建て)は、現在新規加入者を募集していません。ただし、外貨建て商品として下記の養老保険が販売されています。
・米国ドル建リタイヤメント・インカム
(米国ドル建年金支払型特殊養老保険)
「米国ドル建リタイヤメント・インカム」は米国ドルによって老後の資金対策ができ、同時に死亡保障も得られる保険です。ドル建てであるため、為替の影響で日本円のによる支払い保険料は毎回変動します。
満期金の受取方法は一括受取と年金による受取があります。年金を選んだ場合、さらに確定年金か終身年金かを選択することが可能です。
2018年5月現在、米国の国債利回りは日本の国債よりも高い水準にあり、資産運用面でも有利に運用できる状況といえます。ただし、外貨建て商品に為替リスクがあり、為替相場変動の影響は避けられないものです。場合によっては元本を割る可能性もあるということを覚えておきましょう。
円建て商品の新規加入を募集していないにもかかわらず、ジブラルタ生命は、独自に調査を行った養老保険の加入者ランキングで10位にランクインしています。加入者からは「利率が良い」という口コミも聞かれました。
養老保険の各種ランキングはこちらの記事からご覧ください。
医療保険
ジブラルタ生命の医療保険は、以下の商品です。
・医療保険(無配当)
1泊2日~10日目までの入院は、一律10日分の入院給付金を受け取れる点が特徴です。入院の初期費用をカバーしやすい仕組みと言えます。
また、3大生活習慣病無制限タイプに加入すると、3大生活習慣病(がん・心疾患・脳血管疾患)で入院した場合、疾病入院給付金を支払日数無制限で受け取ることができるため、長期入院にも対応が可能です。初期加算タイプに加入した場合、入院開始から30日目までは入院初期加算給付金が上乗せされ、入院日額が2倍になります。
個人年金保険
ジブラルタ生命の個人年金保険は、養老保険と同様に新規の募集をしていません。ただし、外貨建て商品として下記の個人年金保険が販売されています。どちらも保険料は一時払いのみの取り扱いです。
・通貨指定型個人年金保険
・通貨指定型個人年金保険(米国ドル建)円建保証タイプ
「通貨指定型個人年金保険」は「米国ドル・豪ドル・ユーロ・円」の4種類の通貨から選んで運用ができる商品で、通貨を何種類かに分けることによってリスクを分散しやすくなります。
例えば、1,500万円の手元金を米国ドル・ユーロ・豪ドルへ500万円ずつ分けて加入すれば、ひとつの通貨が値下がりしてもほかの通貨の価値上昇によってカバーすることが可能となります。
「通貨指定型個人年金保険(米国ドル建)円建保証タイプ」は米国ドルのみの取り扱いで、年金開始まで米国ドルでの固定利率で運用されます。
為替で損失が発生した場合でも、年金原資と死亡保険金については一時払い保険料相当額(円換算)が最低保証されます。なお、中途解約をした場合の保証はないため、注意が必要です。
外貨建て商品
前述の養老保険・個人年金保険以外にも、下記のような外貨建て商品があります。
・米国ドル建終身保険
・ドリーム・ゲート(生存給付金特則付米国ドル建終身保険)
「米国ドル建終身保険」は米国ドル建の終身保険で、2018年4月1日現在の予定利率は年3.2%(保険期間10年超の場合)で運用されています。生涯にわたる死亡保障と資産形成を兼ねられる保険と言えます。
「ドリーム・ゲート」は、子どもの成長に合わせて大学入学費用や学費にあてられる生存給付金が4回受け取れる米国ドル建終身保険です。保険料払込期間は20歳までで、払い込み完了後も一生涯の保障が継続されます。
外貨建て商品は海外の金利状況から高い利益を期待できることもありますが、一方では為替の影響によって元本割れを起こす可能性もあります。また、保険料支払い時に円を外貨へ交換するために為替手数料が発生し、国内商品よりもコストがかかる一面もあります。
終身保険の特徴は?
身体障害状態で保険料払込免除
ジブラルタ生命の終身保険では、被保険者が不慮の事故によって所定の身体障害状態となったとき、それ以降の保険料の支払いが免除となります。具体的には、「責任開始日以降に発生した不慮の事故による傷害」を原因として約款に定められた身体障害の状態となり、症状が固定して回復の見込みのないことが保険料免除の条件となります。
また、「疾病障害による保険料払込免除特約」を付加すれば、疾病によって所定の身体障害状態になったときについても保険料の払い込みが免除されます。
契約者貸付制度の利用が可能
終身保険には積み立て部分があるため、解約返戻金の範囲内であればお金を借りることができます。これを契約者貸付制度と言います。
解約せずに貸し付けを受けられる点は利便性が高いと言えますが、解約返戻金をもとにお金を借りる形となるため、所定の利息がかかります。契約からの期間が比較的短期である場合、契約者貸付を利用できないこともあります。
契約者貸付を利用したい場合、コールセンター、インターネット、担当社員・代理店への連絡などによって手続きを進めることができます。
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受取方法は3パターン
終身保険へ加入して保険金を受け取る方法には、次の3パターンがあります。
・生きるための資金として受け取る
・介護年金で受け取る
・年金で受け取る
「リビング・ニーズ特約」を付加すると、被保険者が余命6カ月と判断された場合、保険金を受け取ることが可能になります。療養中の生活費や先進医療の治療費など、生きるための資金として活用できます。
「介護前払特約」を付加すると、一定の条件を満たして所定の要介護状態となったときに保険金の一部を介護年金として受け取ることが可能となります。また、「保険金等の支払方法の選択に関する特約」の付加によって、保険金や解約返戻金を年金の形で受け取ることもできます。いずれの特約についても、保険料はかかりません。
医療保険の特徴は?
入院給付金は1泊から10日まで共通
入院患者の2人に1人が10日以内に退院するという調査結果(厚生労働省「平成26年患者調査」より)が得られていることからもわかるように、入院日数は短期化する傾向にあります。しかし、入院に必要な日用品の購入や家族の交通費などといった入院初期の固定費はさほど変わらないため、初期費用のカバーに着目した保障ニーズが高まっていることが考えられます。
ジブラルタ生命の医療保険では、1泊2日以上10日以内の入院については、10日分の入院給付金が一括で受け取れます。入院の初期費用として使うことができるため、まとまった支出による負担をカバーすることが可能です。なお、11日目以降は入院日数に応じた入院給付金を受け取ることができます。
入院初期加算金の上乗せが可能
「初期加算タイプ」を選択すると、入院開始後30日目までは災害入院給付金または疾病入院給付金と同額の入院初期加算給付金を上乗せすることができ、入院日額が2倍となります。1泊2日以上10日以内の入院の場合、入院給付金に加えて入院初期加算給付金も10日分受け取ることができます。
初期加算タイプは、終身型に加入した場合のみ選択可能となります。定期型へは付加できません。
三大疾病の入院日数無制限にできる
3大生活習慣病(がん、心疾患、脳血管疾患)は入院が長期化することがあります。長引く入院の金銭的負担を緩和するため、「3大生活習慣病無制限タイプ」という選択オプションが用意されています。
3大生活習慣病無制限タイプを選択すると、3大生活習慣病で入院した場合疾病入院給付金は支払日数が無制限となります。入院している限り疾病入院給付金を受け取ることが可能となり金銭的不安が軽減されます。
3大生活習慣病無制限タイプは一生涯保障の続く終身型のみ加入が可能です。保障期間が一定期間の定期型では付加できません。
保険料払込期間は解約返戻金なし
現在販売されている医療保険(保険料払込中無解約返戻金型)は、保険料の支払期間中は解約返戻金が支払われないタイプの商品です。解約返戻金をなくすことで、保険料負担の軽減につなげることができるためです。
ただし、終身型に加入している場合、保険料払込期間の満了後には「基本入院給付金日額」の10倍に相当する解約返戻金の受け取りが可能です。一方、定期型の場合は保険料払込期間が満了しても解約返戻金はありません。
医療保険のニーズは貯蓄ではなく、万一の場合の手術・入院保障にあるとも言えるため、特別のことがない限り最後まで加入し続けるケースが一般的です。その意味では、解約返戻金がない代わりに保険料が安くなることは合理的であるとも考えられます。
インターネット・サービスとは?
無料で利用できる契約後のサービス
加入者へのアフターフォローとして、24時間利用できるインターネット・サービスがあります。具体的には、下記のようなサービスが用意されています。
・契約内容照会
・保険料振替口座の変更
・契約者貸付の請求
・外貨建商品の解約返戻金試算
契約内容照会では、加入保険ごとに保険金や付加されている特約などの契約内容が画面から確認できます。また、送金指定口座を登録することで画面を通して契約者貸付を申請すると、貸付金が指定の口座に送金されます。
外貨建商品は一部を除き、画面上で試算当日を基準日として計算された解約返戻金の試算ができます。試算の利用時間は商品によって違いがあります。
まとめ
外資系のジブラルタ生命は、世界的金融機関プルデンシャル・ファイナンシャルの一員です。終身保険や医療保険のほか、外貨建て商品のラインナップもそろっています。ライフプラン・コンサルタントによる、オーダーメイド設計に力を入れているため、必要な保障の相談をしながら加入の検討ができます。ジブラルタ生命の商品と他の保険会社の商品を比較しながら保険を選びたい場合、代理店にいって複数社の見積もりを出してもらうことなどをおすすめします。
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