全労済には、病気やケガなどに備える共済・車やバイクの事故を補償する共済・住まいの損害を補償する共済などがあります。今回は、バイクに対する補償内容や共済金の支払い方法、ロードサービスの有無などについて解説します。
目次
全労済のバイク保険(共済)って?
二輪車用の任意保険(任意共済)
全労済は協同組合の一つで、組合員の出資によって成り立つ共済事業を運営しています。自動車総合保障共済である「マイカー共済」は補償内容が四輪車用・二輪車用に分かれており、二輪車用の補償が任意のバイク保険(共済)にあたる部分といえます。
バイクで事故を起こしたときの賠償・ケガやバイクの破損などに備えることができるほか、自分のバイクの修理費・搭乗者のケガや死亡などに対する補償も受けられます。営利団体ではないため、掛金も低めに設定されています。
全労済についてはこちらの記事にも詳しくまとめてあるため、参考にしてください。
自賠責共済の取り扱いも
全労済では、車やバイクの自賠責保険にあたる「自賠責共済」の取り扱いもあります。自賠責保険・自賠責共済では支払い基準や限度額が国で定められており、傷害時は120万円・死亡時は3,000万円、障害状態時は4,000万円が保険金・共済金の支払い上限となっています。年間保険料は125cc以下のバイクで7,500円、125ccから250ccまでは8,650円、250ccを超えるものは8,290円となります。
自賠責保険では相手方のケガ・死亡等に対する補償を受けられますが、実際に事故を起こしたときの賠償金を全額カバーできないケースもあるため、任意保険へ加入しておく必要性が高いといえます。
「シンプルタイプ」にはどんな補償がある?
自損事故・無保険車による傷害を補償
マイカー共済のうち二輪車用の「シンプルタイプ」は、自賠責保険に足りない補償をまとめて提供するプランです。「自損事故傷害特約」では、単独の事故で死傷した場合に補償が受けられます。人身傷害保険に加入していない場合、自動的にセットされる特約です。「無共済車傷害」では、共済や保険に加入していない相手との事故によって死亡や後遺障害を負った場合、対人賠償と同額の補償が受けられます。
対人・対物賠償を補償
相手方の補償としては、「対人賠償」と「対物賠償」があります。「対人賠償」は搭乗中の人や歩行者などを死亡させたり、ケガを負わせたりして法律上の賠償責任が発生したときに対する補償です。自賠責共済の限度額を超えてしまう賠償金について支払いが行われます。
「対物賠償」は事故によって他人の車両や建物・標識・電柱などに損害を与え、賠償責任が発生したときに共済金が支払われます。「対物賠償」には「対物超過修理費用補償」も含まれており、相手側の自動車修理費用が時価額を超えた際、50万円までの差額が支払われることがあります。
搭乗者・人身傷害補償をプラスできる
「シンプルタイプ」には、「搭乗者傷害特約」と「人身傷害特約」を付加することが可能です。「搭乗者傷害特約」は、契約している車両の運転手・同乗者が事故で死亡したりケガをしたりしたときが補償対象となり、補償額は500万円・1,000万円から選択できます。
「人身傷害補償」は、事故でケガをした際にかかった損害額が過失割合にかかわらず補償される特約です。示談の成立前に支払いを受ける点が特徴です。なお、「人身傷害補償」を付加した場合、「自損事故傷害特約」との重複加入はできません。
弁護士費用や自転車への補償は特約で
「シンプルタイプ」には弁護士費用や自転車への補償は用意されていないため、必要に応じて次のような特約を付加する必要があります。
・弁護士費用等補償特約…相手側と弁護士を通じて交渉する際の弁護士報酬や訴訟費用、調停費用などを300万円まで補償する特約
・自転車賠償責任補償特約…自転車事故で損害賠償責任が生じたとき、1事故につき1億円まで補償される特約(家族保有の自転車も補償対象)
二輪車はロードサービスの付帯なし
「マイカー共済」の二輪車用補償へはロードサービスの付帯がないため、そのほかの方法で準備する必要があります。JAF(日本自動車連盟)や他の損害保険会社のロードサービスを検討するのもひとつの方法ですが、保険料との兼ね合いなどを考えたいのであれば保険代理店で相談してみましょう。
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掛金の値段や払込方法は?
二輪・原付でそれぞれ見積もりを
「マイカー共済」二輪車用補償の掛金は、二輪自動車と原付自転車それぞれに見積もりを行うことになります。
二輪自動車の掛金例を紹介すると、前契約:なし、等級:6等級、運転者年齢条件:26歳以上補償とした場合、月々2,480円となります。
原付では、運転者家族限定特約を付加し、運転者年齢条件:年齢を問わず補償とした場合、月の掛金は780円になります。特約や年齢条件などによって掛金は異なるため、詳細は全労済のWEBページや保険代理店で確認してみてください。
等級や補償内容の限定に応じて割引も
「マイカー共済」には等級による掛金の割引制度があります。初めて加入するときは6等級からスタートし、事故がなければ毎年1等級ずつ上がることになります。掛金の割引率が最大となるのは22等級で、割引率は64%です。事故を起こした翌年には1~3等級ダウンし、掛金の割引も少なくなります。
また、2台目以降の契約で「被共済自動車搭乗中のみ補償特約」を付加するには掛金の2%が割引されます(「人身傷害補償」へ加入している場合のみ)。「搭乗者傷害特約」を家族限定にすると、搭乗者傷害特約の掛金が10%割引となります。
月払い・年払いから払込方法を選べる
掛金の払込方法は「月払」や「年払」から選択することができ、どちらも口座振替による払い込みが可能です。全労済の商品に関する契約がほかにもあれば、同じ口座から複数契約分の掛金を合算した金額が引き落とされます。
年払掛金の例として、月々の掛金例で紹介した条件と同一の二輪自動車の場合、年額28,410円です。同様に、原付自転車の年払掛金は8,960円となります。
なお、自動車(四輪車)に関する補償内容はこちらの記事から確認できます。
手続き・問い合わせの方法は?
問い合わせは電話・WEB・来店で
全労済では、問い合わせや相談を電話・WEB・来店によって受け付けています。来店すると契約に関する幅広い相談に対応してもらえますが、電話問い合わせについては以下の通り連絡先が異なるため注意してください。
・「マイカー共済」への加入方法や契約内容に関する問い合わせ…全労済お客様サービスセンター
・共済金の請求…全労済共済金センター
・自動車事故…マイカー共済事故受付センター
なお、WEBによる問い合わせはホームページの案内に沿って行いましょう。
加入時には契約車両情報の用意を
「マイカー共済」二輪車用補償へ加入するときには、車両番号や車体番号、標識番号が記載された書類の提出が必要です。「所有権留保条項付売買契約書」へは所有者名・販売店・ローン会社が記載されているため、加入の際には手元へ用意してください。
また、二輪自動車で加入するときには車両番号が記載された「軽自動車届出書」が必要です。原付自転車で加入するときには標識番号が記載された「原動機付自転車標識交付証明書」が必要となります。手続きに必要となる書類については、不足のないように準備しておきましょう。
解約の際は書類記入方法に注意
「マイカー共済」を解約するときは、満期月前に送られてくる継続加入申込書によって手続きを行います。申込書の解約欄へチェックを入れ、押印のうえで返送してください(申込書上部にある「契約者印」欄と間違いのないように注意してください)。
なお、書類の提出タイミングによっては、口座からの掛金引き落としを停止することが間に合わない場合もあります。その際には、翌月以降に同じ口座へ返金が行われることになります。
まとめ
全労済が提供する「マイカー共済」のバイクの補償について紹介しました。ロードサービスがないというデメリットはありますが、掛金が比較的割安である点などのメリットもあります。バイクに関する保険や共済について詳しく知りたい場合、購入店でたずねるほか、保険代理店を利用するという方法もあります。複数社の商品を比較することができ、保険料・掛金の一括見積もりなども可能であるため、気軽に利用してみましょう。
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