「富国生命」と書かれるとピンと来ない人も、「フコク生命」という表記には見覚えがあるのではないでしょうか。この記事では、大正時代創業の長い歴史を持つ富国生命について、沿革や取り扱っている商品などを紹介します。保険選びで悩んでいる人はぜひ参考にしてください。
目次
富国生命って?
創業は1923年(大正12年)
富国生命保険相互会社(以下、富国生命)は、1923年(大正12年)創業の富国徴兵保険相互会社を前身とする保険会社で、1945年(昭和20年)に現在の社名となりました。富国生命は、保険契約者が会社の出資者となる、「相互会社」という形態を創業以来一貫して採用しています。また、これまで一度も他社との合併が行われていない会社でもあります。
「フコク生命」としてCMなどでおなじみ
富国生命は、CMやホームページ、パンフレットなどでは富国生命ではなく、フコク生命という名称を用いています。漢字とカタカナということで表記方法は異なりますが、富国生命とフコク生命は同じ会社です。
格付けなど健全な経営体制
富国生命では、格付け会社による経営状況の安全性を示す評価をホームページ上で公表しています。富国生命の格付けは以下の通りです。
格付投資情報センター AA-
スタンダード&プアーズ A
ムーディーズ A2
※2018年5月時点
また、保険会社が予想を超えるリスクに対してどれだけ支払余力があるかを表したものを、「ソルベンシー・マージン比率」といいます。富国生命のソルベンシー・マージン比率は、2017年度末時点で1081.2%となっています。ソルベンシー・マージン比率は、200%が基準とされているため、富国生命の経営体制がおおむね優秀で健全な状態であるといえます。
フコクしんらい生命はグループ企業
「フコクしんらい生命保険株式会社」(以下、フコクしんらい生命)は、富国生命に名称が似ていますが、フコク生命グループに属している別の保険会社です。フコクしんらい生命の前身は共栄火災しんらい生命株式会社です。そして、親会社であった共栄海上火災保険株式会社と富国生命とが2006年に業務提携を結んだことにともない、2008年に現在の社名へ変更されました。
富国生命の口コミや評判については、当サイト内に「フコク生命の評判って?社風や顧客の満足度、口コミなどを一挙紹介!」がありますので、そちらもぜひ参考にしてください。
富国生命の保険の種類は?
複合型の保険
死亡時の保障が一生涯続く終身型死亡保険は、多くの保険会社で主契約のひとつとして提供されていますが、富国生命の保険商には終身型死亡保険はありません。富国生命では死亡保障を含め、様々な契約者のニーズに合わせて保障内容を自由に組み合わせることのできる複合型の保険「未来のとびら」を提供しています。
「未来のとびら」については、後ほど詳しく説明します。
定期保険
定期保険は、あらかじめ決めた契約期間中に限り死亡保障を得られるもので、掛け捨て型とも呼ばれています。富国生命では、無配当定期保険を扱っています。配当がないため、割安な保険料で大きな保障を受けられることが特徴です。
富国生命の定期保険は、5年あるいは10年の保険期間を選ぶことができます。保険期間が満了しても、80歳までは申し出がない限り契約が自動更新されるので、更新を忘れる心配がなく保障を長期にわたって継続できます。
医療保険
富国生命では、医療保険を「医療大臣プレミアエイト」という名称で販売しています。0歳から65歳までを契約年齢とする定期型と、15歳から75歳までを契約年齢とする終身型の二種類の保障期間から選択することができます。終身型の医療保険については途中解約の際の解約払戻金がないことや、女性疾病特約および入院見舞給付特則を付加することができない点に注意が必要です。
「医療大臣プレミアエイト」の保障内容については後ほど説明します。
がん保険
富国生命では、単独のがん保険は取り扱っていません。しかし、富国生命の医療保険にがん特約をセットした場合に、業務提携をしているセコム損害保険株式会社のがん保険「自由診療保険メディコムプラス」に加入できます。
「自由診療保険メディコムプラス」の特徴は、もしがんで入院した場合に日数無制限で入院給付金を受け取れる点です。また、がんによる通院治療費は5年ごとに1,000万円まで保障されます。ただし、検査による通院は支払われないなど対象外となるものもあります。
学資保険
学資保険は、子供の成長にともなって必要になる教育資金を準備するための保険です。富国生命では、貯蓄性を重視した「みらいのつばさ」を取り扱っており、出産予定日の140日前から加入することができます。みらいのつばさには、ステップ型とジャンプ型があります。
みらいのつばさについては、後ほど改めて解説します。
個人年金保険
個人年金保険は、セカンドライフをより豊かに送るための資金など、将来に向けて蓄える保険です。富国生命では、「みらいプラス」の名前で個人年金保険を販売しています。
「みらいプラス」には、職業の告知だけで加入できる特徴があります。そして、保険料払込期間中に万が一被保険者が災害によって亡くなった場合、死亡給付金の1.1倍の金額を災害死亡給付金として受け取れます。
「未来のとびら」の特徴は?
主契約がなく特約を組み合わせる保険
一般的な保険商品は、「主契約」と「特約」で構成されます。
主契約・・・保険のベースとなるもので、単体でも加入できる。
特約・・・主契約に付加して加入するもので、主契約の保障を充実させる目的がある。単体では加入不可。
しかし、富国生命の複合型保険「未来のとびら」には、主契約がありません。契約者は、自分にとって必要だと思う特約を必要な分だけ選んで組み合わせることができます。
ひとつの特約はひとつの保障
未来のとびらには、ひとつの特約に対してひとつの保障、という特徴があります。例えば、一般的な介護保障特約は、介護保険金と死亡保険金の2つの保障内容が含まれています。そのため、もしも介護保険金を受け取るとその時点で特約は終了してしまい、死亡した場合の保障も消滅します。
未来のとびらでは、介護への備えは介護保障特約、死亡時の保障は定期保険特約など、特約が保障する内容はそれぞれ独立しています。したがって、介護保険金を受け取っても消滅するのは介護保障特約だけであり、その他の保障には影響しません。
幅広い保障をラインナップ
未来のとびらで組み合わせられる保障は、大きく分けて以下のようになっています。
・万が一の保障・・・収入保障特約、定期保険特約など
・介護や障害への保障・・・生活障害保障特約、介護収入保障特約など
・働けなくなった場合の保障・・・就業不能保障特約
・医療保障・・・生活習慣病特約、先進医療特約、がん特約、女性疾病特約など
・その他の保障・・・保険料払込免除特約、災害割増特約など
保険料払込免除特約は、富国生命が定める疾病になった場合に保険料の払込が免除されます。災害割増特約は、被保険者が災害によって死亡あるいは高度障害状態になった場合に、一時金が受け取れるものです。
結婚や出産など、人生には保障を見直すべきタイミングがあります。みらいのつばさは必要な保障を選ぶことができるため、その時々の自分と家族にぴったりの保険に加入できるといえるでしょう。
「医療大臣プレミアエイト」の特徴は?
特約で日帰り入院から手厚く保障
「医療大臣プレミアエイト」は、入院や手術、そして放射線による治療に備えられる医療保険です。さらに、入院見舞給付金特則を付加することで、入院日数に応じた入院給付金(入金日額×入院日数)の他に、入院見舞給付金(入院日額の10日分)が受け取れます。入院見舞給付金は日帰り入院の際にも支払われため、宿泊を要しない軽微な手術を受けるときなどにも手厚い保障を受けることができます。
8大生活習慣病の入院は日数無制限
医療大臣プレミアエイトの入院給付金の上限は、1回の入院につき最長で120日分、保険期間中の通算で1,095日分までとされています。ただし、次に挙げる8つの生活習慣病を原因とする入院については、入院日数に上限がなく、実際に入院した日数に応じて無制限で入院給付金を受け取れます。
・がん(上皮内がんを含む)
・心疾患
・脳血管疾患
・高血圧性疾患
・糖尿病
・腎疾患
・肝疾患
・膵疾患
特約で8大生活習慣病の通院も保障
生活習慣病特約へ退院後療養給付特則を付加すると、8大生活習慣病によって15日以上継続して入院した場合に退院後の通院治療も保障します。具体的には、退院日の翌日を含む月の1日から数えて12カ月以内の1回以上通院治療を受けた月ごとに、退院後療養給付金として2万円を受け取ることができます。
3大疾病は特約で一時金を支給
がん特約にさらに3大疾病治療給付特則を付加すると、所定の条件を満たした場合に特則給付金を受け取ることができます。具体的な条件は以下の通りです。
・がん、もしくは上皮内がんと診断確定がなされて入院を開始したとき
・急性心筋梗塞が原因で20日以上の継続入院があったとき、または所定の手術を受けたとき
・脳卒中が原因で20日以上の継続入院があったとき、または所定の手術を受けたとき
特則による給付金は通算10回まで支払われます。
女性特有の病気をカバーする特約も
女性特有の病気を充実させる特約に女性疾病特約がありますが、女性総合給付特則を特約に付加すると、以下の場合に給付金が支払われます。
・女性特有疾病(乳がんや卵巣機能障害など)による入院
・出産(帝王切開、自然分娩を問わず)
なお、保険期間満了時に支払われる満了時給付金については、出産給付金を受け取った場合には減額が行われます。差し引かれる金額は出産回数にかかわらず一律で3万円です。
「みらいのつばさ」の特徴は?
貯蓄性を重視した学資保険
富国生命の学資保険「みらいのつばさ」には、子供の医療保障などを付加する特約はありません。子供の医療保障を付加すると、万が一病気になったときに備えることができますが、払い込む保険料の一部が保障に充当されてしまいます。学資保険を選ぶ基準のひとつに返戻率がありますが、医療保障を付加すると返戻率が100%以下の元本割れになることが多いです。
みらいのつばさは、医療などの保障を無くすことで貯蓄性を高めた学資保険です。
ステップ型とジャンプ型を選べる
みらいのつばさの保険金受取方法は、下記の2つから選ぶことができます。
・S(ステップ)型・・・幼稚園から大学までそれぞれの進学時期に祝い金が分散する
・J(ジャンプ)型・・・大学入学時に一括して祝い金を受け取る
いずれのタイプも、祝い金の他に22歳満期時に満期保険金が支払われます。ステップ型は分割して祝い金を受け取るため、ジャンプ型よりも返戻率が若干低くなります。
保険料払込期間については、ジャンプ型もステップ型も11歳、14歳、17歳から選択することができます。早期に保険料の払い込みが終わるほど、返戻率は高くなります。
兄弟割り引きがある
みらいのつばさでは、新たに被保険者になる子供の兄弟や姉妹が富国生命の学資保険などに既に加入している場合、兄弟割引が適用されて保険料が安くなります。ただし、兄弟割引の適用のためには、保険契約者の名義が同一であることなど所定の条件を満たす必要があります。
富国生命には、顧客に保険の説明をする「お客さまアドバイザー」が約10,000名在籍しています。どのような場合に兄弟割引が適用されるかは、富国生命のお客さまアドバイザーに相談すると良いかもしれません。
みらいのつばさについては、「フコク生命の学資保険「みらいのつばさ」の特徴は?年払いも可能?」もぜひ参考にしてください。
「みらいプラス」の特徴は?
受取方法は4種類
富国生命の個人年金保険「みらいプラス」には、年金を受け取る期間の長さや受取額の傾斜の有無によって、4種類の受取方法が用意されています。受取方法は下記のようになっています。
・「10年確定年金定額型」・・・10年間にわたって毎年同じ額の年金を受け取る方法
・「10年確定年金前厚型」・・・10年間にわたって年金を受け取るが、年金開始時から5年間の受取額を厚く、後半を前半の50%程度にする方法
・「5年定額型」・・・毎年一定額の年金を5年間で受け取る方法
・「一括受取」・・・分割せずに年金開始時に全額の年金を受け取る方法
年金開始年齢は1歳単位で設定できる
みらいプラスでは、年金受取開始年齢を自分のライフスタイルや収入の見込みに応じて、1歳単位で設定することが可能です。このとき、保険料払込期間が満了してから年金受取を開始するまでの間に据置期間を設けることで、受取年金額を増やすことができます。
ただし、据置期間には一定の制限があります。開始年齢を設定をする際には約款をよく読み、場合によってはお客さまアドバイザーに相談をすると良いでしょう。
個人年金保険料控除を利用可能
個人年金保険に「税制適格特約」を付加すると、年末調整や確定申告時に個人年金保険料控除を受けることができます。一般生命保険料控除とは別枠になっているため、所得税や住民税を軽減させることができます。
税制適格特約の付加は無料なので、みらいプラスへ加入する際は特約の付加を忘れないようにしましょう。
まとめ
富国生命では、顧客のニーズに対応するために様々な保険を取り扱っています。富国生命の保険商品に興味を持った人は、公式サイトから資料請求をするか、お客さまアドバイザーに相談してみてはいかがでしょうか。
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