かんぽ生命は、加入者数でみると国内で最も加入されている生命保険会社のひとつです。当サイトが生命保険の加入者7,074人に行った調査では、加入者数1位でした。
それにもかかわらず「評判が悪い」と言われるのはなぜか。理由は3つあり、そのうち1つは2026年5月の保険料改定で状況が変わっています。
- 2019年の不適切な募集問題
- 返戻率の低さ(2026年5月2日の改定で改善)
- 法令による加入限度額
このページでは当サイトの独自調査とかんぽ生命の公表情報にもとづいて、評判の中身を分解します。
加入者数では1位。ただし2位との差は13人
生命保険の加入者7,074人に「どこの保険会社か」を聞いた結果です。
| 順位 | 保険会社 | 加入者数 | 構成比 |
|---|---|---|---|
| 1位 | かんぽ生命 | 969人 | 13.7% |
| 2位 | 日本生命 | 956人 | 13.5% |
| 3位 | 第一生命 | 666人 | 9.4% |
| 4位 | 県民共済(都民共済等を含む) | 583人 | 8.2% |
| 5位 | 明治安田生命 | 504人 | 7.1% |
「かんぽ生命が1位」と読むより、「かんぽ生命と日本生命が並んでいる」と読むほうが正確です。差は13人、率にして0.2ポイントしかありません。
年代・性別で分けると傾向が出ます。30代と40代、そして女性ではかんぽ生命が1位、20代と50代、男性では日本生命が1位でした。
自分に合う保険会社が分からない方へ|FPが無料で診断しますとくに強いのは養老保険と学資保険
商品別に見ると、かんぽ生命の位置づけがはっきりします。
| 商品 | かんぽ生命の順位 | 補足 |
|---|---|---|
| 養老保険 | 1位(シェア41.1%) | 1社で4割を占める |
| 学資保険 | 1位 | 男女別・20〜50代の全部門で1位 |
| 生命保険(死亡保障) | 1位(13.7%) | 2位との差は0.2ポイント |
| 終身保険 | 2位 | — |
| 定期保険 | 2位 | — |
| 収入保障保険 | 3位 | 女性の加入者数では1位 |
養老保険の41.1%は突出しています。生命保険では1位でも13.7%であることと比べると、「貯蓄性のある保険をかんぽで入る」という選ばれ方をしてきたことが分かります。
この調査は2018年2月に実施したもので、2019年の募集問題より前の時点です。現在の各社シェアを示すものではありません。
「評判が悪い」理由①:2019年の募集問題
2019年、かんぽ生命と日本郵便は保険の不適切な募集が問題となり、金融庁から一部業務停止命令を受けて営業を自粛しました。乗り換え契約で顧客が不利益を被る事例が多数明らかになった問題です。
ネット上の「かんぽはやばい」「評判が悪い」という書き込みの多くは、この時期のものです。検索して出てくる情報がいつのものかを確認してください。
一方で、この問題が過去のものだと断定することもできません。全国の郵便局という販売網の性格上、対面で勧められて契約する形は今も変わりません。提案を受けたら、その場で決めずに次の点を確認してください。
- いま入っている保険を解約して入り直す提案ではないか(乗り換えは慎重に)
- 払込総額と受取額を数字で示してもらったか
- 設計書を持ち帰って比較したか
「評判が悪い」理由②:返戻率の低さ(2026年に改善)
ここが最も更新が必要な部分です。「かんぽの学資保険は元本割れする」という評価は長く語られてきましたが、2026年5月2日の保険料改定で状況が変わりました。
| 契約者 | 改定前 返戻率 | 改定後 返戻率 |
|---|---|---|
| 30歳男性 | 98.5% | 101.8% |
| 30歳女性 | 98.9% | 102.0% |
| 40歳男性 | 97.9% | 101.1% |
| 50歳男性 | 95.9% | 99.6% |
改定前はすべての条件で元本割れしていました。改定後は多くの条件で100%を超えています。ただし50歳男性のように、改定後も元本割れするケースは残ります。
終身保険も同じ日に改定され、こちらは保険料が下がりました。公式サイト掲載の例では、30歳男性が月16,100円から13,900円へ約13.7%の値下げ、30歳女性が15,750円から13,400円へ約14.9%の値下げです(基準保険金額500万円/払込55歳まで)。
つまり「返戻率が低いから評判が悪い」という評価は、2026年5月より前の情報にもとづいています。詳細はかんぽ生命の普通終身保険|新ながいきくん4プランと2026年の保険料改定で解説しています。
「評判が悪い」理由③:加入限度額がある
かんぽ生命には、法令にもとづく加入限度額が設けられています。被保険者1人あたりの保険金額や年金額に上限があるという、他の生命保険会社にはない制約です。
住宅ローンや教育費を抱えていて大きな死亡保障が必要な世帯では、かんぽ生命だけでは必要保障額に届きません。限度額は契約の種類や年齢によって異なるため、具体的な金額は必ず公式サイトまたは窓口でご確認ください。
この制約自体は不祥事とは無関係ですが、「思ったより入れなかった」という不満につながりやすい点です。
必要な保障額がいくらか知りたい方へ|FPの無料相談評価されている点
- 全国の郵便局で手続きできる。店舗数の多さは他社にない強みで、対面で相談したい層に支持されています
- 加入者数が多く、身近な存在。7,074人調査で1位という結果は、この接点の広さを反映しています
- 貯蓄性のある商品を選ぶ人が多い。養老保険41.1%、学資保険全部門1位という偏りは、「保障より貯蓄」を求める層に選ばれてきた結果です
- 健康状態に不安がある方向けのプランもあります。公式サイトは終身保険について、健康状態に不安のある方でも加入しやすいプランがあると説明しています
向いている人・向かない人
| 向いている人 | 向かない人 |
|---|---|
| 対面で相談しながら決めたい | ネットで比較して自分で決めたい |
| 近くに郵便局があり、手続きの手軽さを重視する | 大きな死亡保障が必要(加入限度額がある) |
| 貯蓄性のある保険を1社にまとめたい | 返戻率を最優先で比較したい |
| 健康状態に不安がある | 保険料の安さを最優先したい |
「かんぽだから良い・悪い」という判断はおすすめしません。2026年5月の改定で条件が変わっているため、改定後の設計書を取り寄せて、他社と同じ条件で数字を並べて比べてください。
よくある質問
かんぽ生命は本当に「やばい」のですか?
2019年の募集問題は事実です。金融庁から一部業務停止命令を受けています。ただしその後に商品の条件は変わっており、2026年5月2日の改定で学資保険の返戻率は改善、終身保険の保険料は下がりました。いつの情報にもとづく評価かを確認してください。
学資保険は元本割れしますか?
条件によります。2026年5月2日の改定前はすべての条件で元本割れしていましたが、改定後は30歳・40歳の契約者で100%を超えるケースが出ています。50歳男性など、改定後も100%に届かない条件は残ります。
なぜ加入者数が多いのですか?
全国の郵便局という販売網の広さが大きな要因と考えられます。とくに養老保険では41.1%と1社で4割を占めており、貯蓄性のある保険の窓口として長く使われてきました。
解約したほうがいいですか?
一概には言えません。貯蓄性のある保険は解約のタイミングで受取額が大きく変わります。解約返戻金の額と、同じ保障を他社で入り直した場合の保険料を比べてから判断してください。健康状態によっては入り直せない場合もあります。
まとめ
- 7,074人調査で加入者数1位(969人・13.7%)。ただし2位の日本生命との差は13人
- 養老保険はシェア41.1%、学資保険は全部門1位。貯蓄性のある保険で選ばれてきた
- 2019年の募集問題は事実。金融庁から一部業務停止命令を受けた
- 2026年5月2日の改定で学資保険の返戻率は改善、終身保険の保険料は約13〜15%値下げ
- 法令による加入限度額がある。大きな死亡保障が必要な世帯には足りない
- 古い情報にもとづく評判が多い。改定後の設計書を取り寄せて他社と数字で比べる
本記事はかんぽ生命保険株式会社の公表情報および当サイトの独自調査にもとづき、2026年9月時点で作成しました。調査は2018年2月に実施したもので、現在の各社シェアを示すものではありません。保険料・返戻率は改定されることがあります。実際のご検討にあたっては、必ず公式サイトおよび設計書で最新の内容をご確認ください。

