生命保険は、契約者が死亡や高度障害状態になった時に保障するもので死亡保険といわれることもありますが、生命保険をいらないと考えている人もいます。しかし、生命保険は本当にいらないのでしょうか。この記事では、様々なケースにおいて生命保険は必要なのか不要なのかを考察していきます。
目次
生命保険が不要といわれる3つの理由
若い時の死亡率は低い
年齢が若い時は病気やガンなどにより死亡するリスクも低いため、死亡率の低い時は生命保険が不要だと考える人もいます。しかし、若くても病気や事故などで死亡することも考えられるため、若くても生命保険は必要だといえます。
若い時は所得が低いこともあり、保険料を削りレジャー費に充てたいという理由から生命保険に入らないという意見もあります。しかし、加入時の年齢で保険料が決まる保険も多く、年をとってから保険に加入すると保険料が高額になる可能性があります。したがって、若い時に生命保険に加入しておけば保険料を抑えられるメリットがあり、若い時でも生命保険は必要といえるのではないでしょうか。
遺族年金が支給される
遺族年金とは、国民年金または厚生年金保険の被保険者が死亡した際に遺族に支給される年金です。例えば夫が死亡した場合、妻などに対して遺族年金が支払われます。もしも妻が専業主婦などで収入が無くても遺族年金を受け取ることができるため、生命保険は人生にいらないという意見もあります。
しかし、遺族年金は加入していた年金の納付額や子供の有無などにより支給額が異なります。子供を扶養していた場合には、教育資金も必要です。遺族年金だけでは残された家族の生活資金が不足する可能性もあるため、生命保険は必要だといえるでしょう。
住宅ローンには団信がある
住宅ローンを契約し一戸建てやマンションを所有している場合、団体信用生命保険(団信)に加入することが多いです。団信とは、住宅ローンの契約者を被保険者として加入する保険で、被保険者が死亡した場合は住宅ローンの支払いが免除になります。夫婦で連帯して住宅ローンを借りているケースでは、どちらか一方の死亡により住宅ローンが一定金額(全額または一部)免除されることもあります。
夫名義で住宅ローン契約をして団信にも加入した場合、夫に万が一のことがあっても住宅ローンの支払いは免除になるため、生命保険は不要と考える人もいます。しかし、団信で保障される金額は住宅ローンの残額のみです。
妻が専業主婦の家庭や、子供がいる場合には残された家族の生活資金が不足する可能性もあります。団信があっても、生命保険は必要だといえます。
生命保険の必要性とは
生命保険は万が一の時を保障するもの
夫が一家の収入の大部分を稼いでいる場合、夫にもしものこと(死亡、高度障害)があったら、家族の収入は減ることになります。子供が大学進学を諦める選択をするなど、残された家族の生活に大きな支障をきたす可能性があります。
生命保険は、一家の大黒柱にもしものことがあっても家族の生活を守るための保険です。また、万が一に備えておくことによって安心感をもち普段の生活を送っていくことができるため、QOL(Quality Of Life)を維持するための役割もあります。
子供の教育資金の備えは必要
一家の大黒柱にもしものことがあっても、遺族年金や団信によって一定の保障は受けることができます。しかし、子供がいる家庭では家族の生活資金とは別に教育資金を用意しておく必要があり、遺族年金や団体信用生命保険からの保障では十分ではないことも考えられます。残された家族のために生命保険は必要といえるでしょう。
残したい人と貯蓄の有無で選択
契約者に万が一のことがあった時に残された人の生活を守るために生命保険はありますが、保障を残したい人がいない場合、生命保険は必要ないかもしれません。しかし、十分な貯蓄がなく大黒柱の病気や死亡により収入がなくなる可能性が高い家庭では、生命保険は必要といえます。
万が一のことがあっても残された家族が不自由なく生活していけるだけの貯蓄がある家庭には、高額な生命保険はあまりいらないこともあります。生命保険に加入する際には、家族や貯蓄についても考えてみると良いかもしれません。
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独身で扶養家族がいない人
独身など扶養家族がいない人で、自分にもしものことがあっても誰の生活にも大きな影響を与えない場合には生命保険は必要ないかもしれません。しかし、今後結婚をして守るべき人ができる可能性もあるため、扶養家族がいない人でも生命保険に入るメリットはあります。
家族に資産を残せる人
十分な資産があり、万が一の時にも家族の生活を守れる人には生命保険が必要ではない可能性もあります。しかし、終身保険など保険には貯蓄性の高い商品もあり、資産運用の一環として保険商品を購入するという考え方もあります。
生命保険は、確定申告や年末調整において生命保険料の控除を受けることができるため税制上のメリットもある商品です。資産がある人でも、生命保険に入るメリットはあるといえます。
生命保険に入るべき人とは?
子育て中で十分な貯蓄がない人
子育てには多くのお金が必要ですが、十分な貯蓄がないまま夫などの収入を得ていた人が死亡すると残された家族の生活が困窮する可能性があります。子育て中の人は、万が一の時に備えて保険に入るべきだといえます。また、学資保険など子供の教育資金に備える保険もあるので、あわせて検討すると良いでしょう。
親を扶養する必要がある貯蓄のない人
親を扶養している人は、生命保険に加入する必要があるといえます。自分にもしものことがあった場合の生活費だけでなく、親が要介護状態になる可能性を考えて資金を確保しておく必要があるためです。
在宅介護を選択したとしても、バリアフリー化のために家をリフォームすることもあり多額の資金が必要になることもあります。万が一に備えて保険に入っておいた方が良いでしょう。
貯蓄が苦手で老後資金を確保したい人
多くの企業は60歳を定年としていますが、2018年5月現在公的年金の受給は65歳からが一般的です。定年後に働いて年金までの生活費を稼ぐことも可能ですが、ゆとりをもって老後を迎えるためには、ある程度の老後資金を若いうちに稼ぐことが必要といいます。
生命保険に加入すれば、基本的に保険料は毎月決まったタイミングで保険料が引き落とされます。コツコツ貯蓄していくことは苦手だが老後に向けた資金を確保したいという人にとっては、貯蓄性のある終身保険や養老保険などへの加入は必要であるといえます。
保険がいるか、いらないか迷ったら?
営業マンに勧められるまま契約しない
生命保険は、多くの場合長期間に渡って保険料を払い込みます。契約内容に不明な点があるまま加入すると、保険の必要性を感じられないだけでなく必要な時にきちんと保険金を請求できない可能性もあります。
きちんと契約内容を理解してから保険に加入するようにしましょう。保険会社の相談窓口に問い合わせるだけでなく、複数の保険会社を取り扱っている保険代理店などに相談しても良いかもしれません。
いらない特約はないかよく確認
商品にもよりますが、生命保険は死亡保障である主契約に様々な特約を付加する契約が一般的です。特約を付加すると、保障が手厚くなる一方で保険料が高くなるデメリットもあります。もしも保険料が高いなどの理由で生命保険に入るか迷った場合は、いらない特約がないかよく確認してみましょう。
死亡保障が不要なら医療保険を検討
入院や手術に特化した保険を医療保険といいます。死亡保障はあまりいらないが万が一に備えたい場合には、医療保険を検討することをおすすめします。
掛け捨て型や貯蓄型など様々な保険会社から医療保険は販売されており、入院の保障が一生涯続く終身タイプの医療保険もあります。がんや女性特有の病気への保障が手厚い医療保険などもあるので、一度調べてみると良いかもしれません。
まとめ
生命保険は万が一の場合に備える保険ですが、商品によっては老後の生活資金や子供の進学資金を準備するなどの使い方も可能です。貯蓄や資産が十分にあり「自分に生命保険は必要ない」という人でも、生命保険をうまく利用することにより資産を増やすこともできます。生命保険について一度考えてみてはいかがでしょうか。
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