会社を退職したら、退職日の翌日から14日以内に国民健康保険への切り替え手続きが必要です。市区町村の窓口で行います。
ただし、手続き後に届くものが以前と変わりました。従来の健康保険証は2024年12月2日以降は新規発行されておらず、有効期限も2025年12月1日で終了しています。現在は「マイナ保険証」または「資格確認書」で受診します。
このページでは厚生労働省の公表情報にもとづき、現在の切り替え手続きの流れを整理します。
【重要】保険証はもう発行されません
手続きを調べている方が最も混乱しやすい部分なので、先に整理します。
| 受診時に使うもの | |
|---|---|
| マイナンバーカードを健康保険証として 利用登録している方 | マイナ保険証 (顔認証付きカードリーダーで読み込み) |
| 利用登録していない方 | 資格確認書 (紙の書類を窓口で提示) |
- 資格確認書は申請不要で交付されます。マイナンバーカードを持っていない方、健康保険証としての利用登録をしていない方などが対象です
- 有効期限は保険者が設定し、5年以内です
- 使い方は従来の保険証と同じで、受診時に窓口へ提示します
- 高齢の方や障害のある方など配慮が必要な場合、マイナンバーカードの紛失・更新中の場合は、申請すれば交付されます
「保険証がいつ届くか」を心配する必要はありません。マイナ保険証を使わない方には、手続き後に資格確認書が届きます。
退職で勤務先の保障がなくなる方へ|必要な備えをFPが無料で確認退職したら|社会保険から国民健康保険へ
期限は「退職日の翌日から14日以内」
加入義務は退職日の翌日から発生します。手続きが遅れても、加入日は退職の翌日にさかのぼります。
必要なもの
| 書類 | 入手先・補足 |
|---|---|
| 健康保険資格喪失証明書 | 退職した会社または健康保険組合。これがないと手続きできません |
| マイナンバーが確認できるもの | マイナンバーカード、通知カードなど |
| 本人確認書類 | 運転免許証など |
| 印鑑 | 自治体により不要。事前に確認を |
| 口座情報 | 保険料の口座振替を希望する場合 |
資格喪失証明書がボトルネックになりがちです。会社によっては発行に日数がかかります。退職前に「いつ発行されるか」を確認しておくと、14日以内に間に合わせやすくなります。
代理人でも手続きできます
同一世帯の家族なら委任状なしで手続きできるのが一般的です。別世帯の方が代理で行う場合は委任状が必要になります。自治体によって扱いが異なるため、事前に窓口へご確認ください。
国民年金の手続きも同時に
会社員だった方は厚生年金から国民年金の第1号被保険者への切り替えも必要です。同じ窓口で一緒に手続きできる自治体が多いので、まとめて済ませてください。
手続きが遅れるとどうなるか
- 保険料はさかのぼって請求されます。手続きが遅れても、加入日は退職日の翌日です。「手続きしていない期間は払わなくてよい」ということはありません
- その間に受診すると、窓口でいったん全額(10割)負担になります。後から申請すれば払い戻しを受けられますが、手間と一時的な出費が生じます
- さかのぼりの保険料が一度にまとまった額で請求されることがあります
「無保険の期間ができる」わけではありません。加入義務は自動的に発生しており、届出をしていないだけの状態です。放置しても保険料の支払い義務は消えません。
国民健康保険と任意継続、どちらを選ぶか
退職時には「勤めていた会社の健康保険を任意継続する」という選択肢もあります。
| 国民健康保険 | 任意継続 | |
|---|---|---|
| 保険料 | 前年の所得などで決まる | 会社負担分がなくなるため、在職中の約2倍(上限あり) |
| 扶養の概念 | ない(世帯全員が被保険者) | ある(家族を扶養に入れられる) |
| 手続き期限 | 退職翌日から14日以内 | 退職翌日から20日以内 |
| 加入できる期間 | 制限なし | 最長2年 |
扶養家族が多い方は任意継続が有利になりやすい傾向があります。国民健康保険には扶養の概念がなく、家族の人数分だけ保険料がかかるためです。詳しくは国民健康保険に扶養はない|保険料の軽減制度と年収の壁の変更点で解説しています。
どちらが安いかは前年の所得と家族構成で変わります。市区町村の窓口で国民健康保険料の試算をしてもらい、健康保険組合に任意継続の保険料を確認して、両方の金額を比べてから決めてください。任意継続の期限は20日以内と短いため、退職前から動くのが確実です。
国保と任意継続で迷ったら|退職後の家計と保険をFPに無料で相談就職・扶養に入ったら|国民健康保険から脱退する
就職して社会保険に加入した場合、国民健康保険は自動的には脱退になりません。自分で脱退の届出をする必要があります。
- 就職先で社会保険の加入手続きが完了する
- 新しい資格情報(マイナ保険証の利用登録済みなら登録内容、未登録なら資格確認書)が確認できるようになってから、市区町村の窓口へ
- 国民健康保険の脱退を届け出る
届出をしないと国民健康保険料が請求され続けます。二重に払ってしまうケースが実際にあるため、就職後は忘れずに手続きしてください。
家族の扶養に入った場合も同じです。扶養に入った本人(と扶養に移る家族)の分について、国民健康保険の脱退届が必要になります。
よくある質問
14日を過ぎてしまいました。どうすればいいですか?
すぐに窓口へ行ってください。期限を過ぎても手続きは受け付けられます。加入日は退職日の翌日にさかのぼり、その分の保険料も請求されます。遅れるほど請求がまとまるだけで、放置しても有利になることはありません。
手続き前に病院にかかりたいときは?
窓口でいったん全額を支払い、後日申請して払い戻しを受けるのが基本です。市区町村によっては、加入手続き中である旨を伝えることで対応が異なる場合があります。急ぐ場合は先に窓口へご相談ください。
マイナンバーカードを持っていなくても加入できますか?
できます。マイナンバーカードがない方には、申請不要で資格確認書が交付されます。受診時にこれを提示すれば従来どおり保険診療を受けられます。
引っ越したときも手続きが必要ですか?
必要です。国民健康保険は市区町村ごとの運営なので、転出時と転入時の両方で手続きが要ります。転入先での手続きも14日以内が目安です。
まとめ
- 退職日の翌日から14日以内に市区町村の窓口で切り替え手続きをする
- 従来の健康保険証は発行されません。マイナ保険証、または申請不要で交付される資格確認書で受診します
- 健康保険資格喪失証明書が必須。会社に発行時期を事前確認しておく
- 手続きが遅れても保険料はさかのぼって発生する。放置しても得にならない
- 任意継続との比較を必ず行う。扶養家族が多いと任意継続が有利になりやすい。期限は20日以内と短い
- 就職・扶養に入った際の脱退届は自分で行う。放置すると二重払いになる
新規に国民健康保険へ加入する場合の詳しい手順は国民健康保険に加入するには?手続きや必要書類などを詳しく解説、保険料の考え方は国民健康保険に扶養はない|保険料の軽減制度と年収の壁の変更点をご覧ください。
本記事は厚生労働省の公表情報にもとづき、2026年9月時点で作成しました。手続きの詳細・必要書類・期限の扱いは市区町村によって異なる場合があります。実際のお手続きにあたっては、お住まいの市区町村の窓口で最新の内容をご確認ください。

