JAは万が一に備えるための共済を提供していますが、JAの組合員以外でもJA共済に申し込めることを知っていますか?JA共済では、ひと、いえ、くるまをキャッチフレーズに、様々な商品を販売しています。今回は、JA共済の商品や特徴についてまとめました。民間の保険会社との比較などに参考にしてみてください。
目次
JA共済って?
JAとJA共済連が共同で共済を引受
JA共済では、JAとJA共済連が共同で共済を引き受けています。利用者への説明や契約どは主に各地のJAが受け付け、JA共済連は、JAの店舗を通して払い込まれた資金の管理や入院や満期共済金のための準備金の積み立てを行います。
ちなみに、共済と同じようなものに保険があります。保険も共済も万が一に備えるという意味では同じですが、共済は組合員同士の助け合いを目的としており非営利で運営しています。
共済と保険の違いについては、「共済の仕組みや保険との違いって?メリットやデメリットも詳細解説!」で詳しく説明しています。
農家組合員以外も利用可能
JAは、正式名称を農業協同組合といいます。そのため、農家の組合員しか利用できないというイメージを持っている人もいるのではないでしょうか?しかし、JAの利用区分は以下のようになっており、農家以外の人でも利用可能です。
・正組合員・・・農業者 出資が必要
・准組合員・・・農業者でない人 出資が必要
「准組合員」は、総会の議決権などJAの運営には携われませんが、共済や貯金をはじめJAの各種サービスを利用できます。また、出資しなくてもJAのサービスを利用できる「員外利用」の制度もあります。ただし、組合員以外の利用は各JAの組合員利用高の2割以内と農協法で決められています。
共済の加入を検討している人は近くのJAに問い合わせることをおすすめします。また、出資1口あたりの額はJAによって異なるので、出資をしたい人はその旨もJAへ確認しましょう。
JA共済の生命保険カテゴリは?
万一に備える死亡保険
「終身共済」
終身という名の通り、一生涯に渡り死亡保障が得られる共済です。加入年齢は0歳〜75歳となっています。家族収入保障特約を付加することができ、万が一亡くなった場合は残された家族の収入保障として、一時金の他に年金を受け取ることができます。
「一時払終身共済」
まとまった資金を共済掛金として払い込むタイプの終身共済です。加入年齢は0歳〜90歳となっているため、相続対策としても活用できます。
「引受緩和型終身共済」
健康に不安のある人でも簡単な告知で加入できる終身共済です。18歳〜80歳までの人を対象としています。特徴は、通院中の人や病歴のある人でも申し込める点です。
「養老生命共済」
満期の共済金を受け取ることができる「貯蓄型」の共済です。加入年齢は0歳〜75歳です。万が一の時には一時金を受け取ることができ、満期を迎える前に中途給付を受け取ることができるプランもあります。
「定期生命共済」
あらかじめ保障期間を決めて加入する共済です。共済期間には5年・10年・15年タイプがあり更新することもできます。80歳満了プランもあり、加入年齢は15歳〜75歳となっています。
病気や手術に備える医療保険
「医療共済」
日帰り入院や手術を、生涯に渡って保障する医療共済です。加入年齢は0歳〜75歳となっています。
三大疾病の入院や手術の際には、共済金が2倍支払われます。「先進医療保障あり」を選択すれば、がんなどの治療に用いられる先進医療の技術料も保障されます。
「引受緩和型医療共済」
簡単な告知で加入申込ができる医療共済です。加入年齢は18歳〜80歳です。通常の「医療共済」と同様、「先進医療保障あり」を選択することもできます。
通院中・病歴があっても加入しやすいタイプの共済なので、持病があり悪化した際にも備えることができます。ただし、加入後1年以内に入院や手術をした場合、契約した共済金の半分の額しか支払われません。
がん保険
「がん共済」
0歳〜75歳の人が加入できる、がんへの保障に特化した共済です。皮膚の表面上に発症する「上皮内がん」にも保障があり、がんと「初めて診断されたとき」や「再発時」、「長期治療の時」には一時金が支払われます。ただし、がん共済契約日から90日以内にがんと診断された場合は共済金を受け取ることはできません。
教育資金を確保する学資保険
「こども共済」
教育資金に備えることができる、「貯蓄性」の高い子供のための共済です。生命保険会社では、学資保険と呼ばれています。契約者の年齢は18歳〜75歳まで、被保険者は0歳〜12歳までとなっています。
学資金を受け取る時期を選択することができ、「中学」「高校」「大学」プランがあります。
老後に備える個人年金保険
「予定利率変動型年金共済 ライフロード」
予定利率の変動によっては、年金額が増える共済です。契約後5年は契約時の利率で運用し、6年目以降は毎年利率を見直します。加入年齢は18歳〜74歳です。
簡単な告知で加入申込をすることができます。年払・月払で積み立てをすることができますが、まとまった資金を共済掛金として払い込む一時払タイプもあります。「予定利率変動型年金共済 ライフロード」については、後ほど詳しく説明します。
高齢期の介護に備える介護保険
「介護共済」
40歳〜75歳の人が加入できる共済で、下記の場合に介護共済金を受け取れます。
・公的介護保険制度で要介護2から5と認定されたとき
・JA共済が定める重度介護状態となったとき
介護共済は、上記の介護状態になった場合にのみ共済金が受け取れる共済です。そのため、万が一死亡した場合でも共済金は受け取れません。また、介護共済金を受け取った場合には契約が消滅します。
「一時払介護共済」
一時払で加入する介護共済で、加入年齢は40歳〜75歳です。介護共済金が受け取れる基準は、「介護共済」と同様です。
ただし、「一時払介護共済」では介護共済金を受け取らずに被共済者(被保険者)が死亡した場合、死亡給付金が受け取れます。「介護共済」と同様、介護共済金を受け取ると「一時払介護共済」の契約は消滅します。
働けないときに備える就業不能保険
「生活障害共済」
病気やけがによって、身体障害者福祉法に定める1~4級の障害が身体に残ってしまったときに備える共済です。「ささエール」とも呼ばれ、障害が残ってしまったことが原因となる収入の減少や支出に備えることができます。
加入できる年齢は、15歳〜75歳です。指定代理人請求を設定することによって、加入者が窓口に行けない状況となった場合に、指定した代理人が共済金の請求手続きをすることができます。
JA共済の損害保険カテゴリは?
傷害保険
「傷害共済」
日常のケガに備えることができる共済です。0歳から99歳まで加入することができる普通傷害共済や、日本国内の旅行に対応した旅行共済、農作業時のケガに備えた農作業中傷害共済など8つのプランがあります。
簡単な告知だけで加入できる特徴があります。共済金は部位・症状別に支払われます。
「イベント共済」
イベントを開催したときの万が一のケガや死亡に備えることができる共済です。イベント傷害共済に加えてイベント賠償責任共済にも加入すれば、イベント時の賠償事故も保障することができます。セットで加入することで充実した保障になりますが、それぞれ別で加入することも可能です。
火災保険
「建物更生共済」
火災、台風をはじめ地震にも備えることができる「いえ」の共済です。対象は建物と家財家具等となります。
共済期間は5年〜30年で、満期を迎えたら満期共済金を受け取ることができます。雪が降る地域では雪害による建物の崩壊も考えられますが、「建物更生共済」では雪などの自然災害も保障の対象となります。
建物の契約には実損てん補特約を付加することができ、付保割合に関わらず火災共済金額を上限に損害額分の共済金を受け取ることができます。(地震による損害を除く)
自動車保険
「自動車共済 クルマスター」
自身の車の保障と自分への保障、そして相手への保障が備わった自動車共済です。損保からJA共済、あるいはJA共済から損保への等級引き継ぎが可能です。ただし、一部の共済は等級引き継ぎができません。
自動車共済については、後ほど詳しく説明します。
JA共済の個人年金保険の特徴
簡単な告知のみで加入可能
契約時に18歳〜74歳で、以下の2つの告知事項に該当しなければ加入できます。
現在病気や外傷で安静療養中か?
今後入院や手術の予定があるか?
持病などがあっても加入しやすい条件となっているため、老後に備えて貯蓄をしたい人に向いている共済といえます。18歳から加入できるので、就職して給料を受け取れるようになったときに契約するのも良いかもしれません。早いうちから積み立てるほど、生活に負担なく貯蓄をすることができます。
予定利率の見直しで年金アップの可能性
先ほど説明した通り、JAの年金共済は予定利率変動型です。5年間は契約時の予定利率が続き、6年目以降からは1年ごとに予定利率が見直されます。最低保証予定利率が0.75%だとすると、0.75%を上回った部分は年金原資として上乗せされていきます。
指定した年金の支払い開始の年になると、年金支払開始以前の年金原資と利率分を均等に受け取ることができます。
個人年金保険料控除の対象
所定の条件を満たし、「税制適格特約」を付加している個人年金保険は、生命保険料控除の対象になります。所定の条件とは、以下の通りです。ちなみに、どれかひとつではなく全てを満たしている必要があります。
「年金受取人が共済掛金の支払者または配偶者であること」
「年金受取人が被共済者であること」
「共済掛金の支払期間が10年以上」
「定期年金の場合は年金支払開始年齢が60歳以降で、10年以上の年金支払期間があること」
JA共済の自動車保険の特徴
JAの自動車共済「クルマスター」の特徴である、相手への保障と自分への保障、そして自身の車の保障について詳しくみていきましょう。
相手側への保障
クルマスターでは、相手側への保障である対人賠償と対物賠償は無制限となっています。この場合の無制限とは、法律上の損害賠償責任を負ったことによって生じる損害に対して、上限なく保障するという意味です。
また、クルマスターでは、対物超過修理費用保障特約が対物賠償に付加されます。対物超過修理費用は、事故をした際に相手の車の修理費用が時価額より超えた場合、1回の対物事故につき超過分を50万円を限度に支払うものです。ただし6ヶ月以内に相手の車を修理しないと適用されません。
自分と家族への保障
クルマスターの自分と家族への保障には、「人身傷害保障」と「傷害定額給付保障」があります。「人身傷害保障」は過失割合に関係なく、運転者を含む搭乗中の人が被った傷害を契約金額の範囲内で共済金を支払うものです。他の車に搭乗中や歩行中の事故にも対応しています。
「傷害定額給付保障」は、運転者を含む搭乗中の人が被った傷害に、定額で共済金を支払うものです。共済金の額は、医師から治療を受けた日数によって異なります。例えば、日数の合計が5日未満の場合は1万円、5日以上の場合は10万円であり、倍額払を設定しているとこれらの金額×2となります。
「被共済者限定」を付加していなければ、家族の歩行中の事故なども保障します。
車の保障
「車の保障」には全損害担保と車両損害限定担保の2つがあります。この2つの違いは自分の自動車が何にぶつかったのかです。車両限定は車同士で損傷した場合が対象となりますが、全損害は車同士の損傷はもちろんガードレールや電柱など物に当たった場合の車の損傷も対象です。
車の時価額が下がってきたら「車両超過修理費用保障特約」を付加すると、修理費用が時価額を上回るときに超過分を50万円限度に保障することができます。
ロードサービスなどサービスが充実
クルマスターでは、万が一自分の車が故障などのトラブルに見舞われて自力走行が不能になったときにロードサービスなどを提供しています。
「レッカー・ロードサービス」
車が自力走行できなくなった場合に、動けなくなった場所から100kmまで無料でけん引サービスを利用できます。高速道路を使用した場合など、条件によってはJA共済が負担できない場合もあります。
また、指定の業者による応急対応も受けられます。応急対応は、バッテリーの点検やキーの閉込みの開錠など30分程度で対応できるものが対象です。
「夜間休日初期対応サービス」
JA共済事故受付センターに連絡をすると、専任のスタッフが対応してくれます。共済契約しているJA・修理工場への連絡も行います。代車費用を付加している場合には代車費用も手配します。
「休日契約者面談サービス」
JA営業時間外だった場合には、JA共済事故受付センターに連絡すると事故に関する質問や相談などに対応してくれます。祝日でも対応しています。
掛金割引制度
共済掛金の割引としてゴールド免許割引や自賠責セット割引などがあります。また、二台以上車を同じ名義で契約している人がフォルダー登録をしていると、「複数契約割引」という割引の対象になります。
フォルダー登録とは、JA共済の契約をフォルダーに登録して一括で管理するJA共済のサービスで、登録すると毎年契約一覧表が送られてきます。
JA共済のサービス
健康・介護ほっとライン
24時間365日健康や介護、育児に関する悩み事や気になることについて、看護師や介護支援専門員、栄養士などに電話で相談できるサービスです。利用料は無料で、健康診断の結果に対する悩みなども相談できます。
宿泊施設運営
JA共済グループが運営している宿泊施設で、割引サービスなどの特典が受けられます。JAの宿泊施設は、全国で12か所あります。特典を利用するには、JA共済フォルダーの契約案内書を提示する必要があります。
まとめ
JA共済は「ひと」「いえ」「くるま」の保障を提供しています。気になった人は近くのJA窓口で問い合わせてみましょう。簡単な共済の試算は公式ホームページでも行うことができます。家族構成や資産を考慮して、自分にあった共済を見つけてください。
保険の悩みはプロが解決!FPによる無料相談サービス実施中!