コープ共済には人を保障する共済や、住まい・自動車の共済などがありますが、保険とはどのように異なるのでしょうか。今回はコープ共済の特徴や保険会社との違い、取扱商品の評判などについて紹介します。
目次
coop共済って?
コープ共済連は生協が設立
「日本コープ共済生活協同組合連合会(コープ共済連)」は、生協と日本生活協同組合連合会が共同で設立した、共済事業を専門に行う生協連合会です。組合員の生活へ貢献することを目的とし、各種共済の運営を行っています。
全国150の生協で取り扱う
コープ共済は独立した生協法人であり、全国に約150ある生協で取り扱われています。生協の窓口で加入手続きを行うことができますが、問い合わせたいことがある場合はホームページからの確認も可能です。また、一部の生協ではインターネット加入の取り扱いもあります。
割戻金がある
コープ共済は営利を目的としない「非営利団体」で、毎年3月20日に決算が行われています。預かった掛金の総額から給付された共済金や事業経費等を差し引き、剰余金があった場合には「割戻金」として契約者へ還元されます。
割戻金は毎年送られてくる「控除証明書(共済掛金払込証明書)兼 割戻通知書」で確認することが可能です。なお、加入する商品やコースによっては手続きなしで割戻金を受け取ることができるものや、請求しない限りは契約満了時まで据え置かれるもの、割戻が発生しないものなどがあるため、事前に確認しておきましょう。
コープ共済は保険ではない
共済は「保険」とは分けて考えられており、組合員同士の助け合いの理念によって事業が行われています。同じ地域・職場などに属している人が共同で掛金を出し合い、組合員に対して共済金の支払いが発生した際には、加入時に決めた金額を給付するという仕組みの保障商品です。
非営利団体が運営しているため掛金は比較的割安となっており、コースによってはどの年代でも保険料・保障が一律である点も特徴です。独自に行ったアンケート調査によると、40代・50代の加入者が高い満足度を感じているという結果が得られています。
コープ共済の保険(共済)カテゴリは?
総合保障保険(共済)
コープ共済の「総合保障」には「たすけあい」や「あいぷらす」、「プラチナ85」、「新あいあい」などの商品があります。入院・手術・通院などを保障する「たすけあい」には、ベーシックコース・ジュニアコース・女性コース・医療コースがあります。「あいぷらす」はがんや死亡への保障がある共済で、満18歳~満60歳向け・満60歳~満70歳向けの2プランが用意されています。「プラチナ85」は満65歳~満70歳の人が加入対象となっており、85歳まで保障が持てる医療共済です。
「新あいあい」は基本契約と医療特約を組み合わせた保障で、「医療特約」・「女性疾病医療特約」を付加することができます。5年満期の生命保障で、満期時には満期金があります。
なお、「あいぷらす」については以下の記事にも詳しく紹介されているため参考にしてください。。
死亡保険(共済)
コープ共済の「ずっとあい終身生命」は、掛金は変わらず一生涯の生命保障を持つことができる商品です。掛け捨てタイプの共済ではないため、途中で解約した場合は解約返戻金を受け取ることができ、余命6ヶ月と診断されたときに死亡共済金が支払われる「リビングニーズ共済金」もあります。
保障額は5つのコースに分かれており、全年齢(0歳から満70歳)を対象とした保障額300万円・500万円の2コースのほか、満15歳から満60歳までは1,000万円コース、満45から満70歳までは200万円コース、満60歳から満70歳までは100万円コースを選ぶこともできます。
医療保険(共済)
入院や手術を一生涯カバーするタイプの「ずっとあい終身医療」は、1入院につき1日目から180日分を保障する商品で、重度障がい状態になったときはその後の掛金の払い込みが免除されます。加入できるコースは3つあり、0歳から満70歳までが対象の「入院日額5,000円コース」では、手術の種類によって5万円・10万円・20万円の給付金を受け取ることができます。
「入院日額10,000円コース」は0歳から満60歳までが対象で、手術に支払われる共済金は5,000円コースの2倍です。手術共済金が3万円・60万円・12万円の「入院日額3,000円コース」もあり、満60歳から満70歳までが加入対象です。
火災保険(共済)
コープ共済からは、火災などによる損害に対して保障を受けることができる「コープ火災共済」も提供されています。他の住居からの水漏れや、消火作業による冠水・破壊などのケースについても補償対象となる共済です。
火災以外に、風水害による住宅や家財への損害も補償対象となり、建物の構造によって1口当たりの掛金が異なります。また、「コープ火災共済」へ「自然災害共済」を付加すると、台風・竜巻・地震・盗難など、さらに幅広い保障を受けることが可能です。
傷害保険
「新コープのケガ保険」は、共済ではなく「団体総合生活保険」という扱いの傷害保険です。健康診査なしで加入することができ、ケガをした場合に一時金が支払われる「傷害一時金プラン」と、入院・通院へ定額が給付される「入通院日額プラン」があります。
全年齢を対象とする「傷害一時金プラン」は月々の保険料が830円で、治療一時金は一律20,000円、5日以上の入通院に対して2万円から20万円の給付金が支払われます。「入通院日額プラン」は65歳未満が対象で、月々の保険料が1,400円(入院日額7,000円・通院日額3,000円)のコースと、保険料900円(入院日額5,000円・通院日額2,000円)の2コースがあります。
介護保険
「コープの介護保険」も、共済とは異なります。簡単な告知のみで加入することができ、介護状態になった場合にはコースによって500万円または700万円の一時金が給付されます。
満40歳から満69歳までが加入対象で、一時金500万円・700万円いずれのコースも保険料は5歳刻みで割り増しされます。公的介護保険の対象外となるケース(交通事故によって介護状態となった場合など)についても保障されることがあるため、詳しくは確認・問い合わせ等を行ってください。
なお、「新コープのケガ保険」「コープの介護保険」は保険代理店からの加入となります。他の共済商品のように生協が窓口となっているわけではないため注意してください。
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「たすけあい」の特徴は?
年齢や性別、目的で4コースから選択
「たすけあい」は、年齢・性別・目的などに応じて4つのコースから選択することができます。詳しくは下記で紹介します。
20歳までの「ジュニア20コース」
「ジュニア20コース」は0歳から満19歳までが加入対象となり、満20歳の満期日までが保障期間です。通常の告知事項が適用される「J1000円コース」「J2000円コース」に加え、加入条件が緩やかな「J1900円コース」があり、入院・通院の日額や各種給付金の金額はコースによって異なります。
「ジュニア20コース」についてはこちらの記事にも詳しく紹介されています。
バランスのよい「ベーシックコース」
医療保障と死亡保障のバランスが重視された「ベーシックコース」は、病気やケガなどによる入院時の保障だけでなく、死亡時や重度障害となったときにも共済金の支払いが受けられます。同居の親・配偶者・子どもの死亡や重度障害についても一時金が給付される点、住宅災害の補償がつけられる点も特徴です。
入院日額5,000円で病気死亡300万円が保障される「R3000円コース」と、入院日額7,000円で病気死亡400万円の「R4000円コース」があり、どちらのコースも加入対象年齢は0歳~満54歳となっています。
医療保障を重視した「医療コース」
医療保障が手厚い「医療コース」は、0歳から満64歳までが加入対象で、満65歳の満期日までが保障期間となります。通常の告知事項が適用される「V2000円コース」「V4000円コース」に加え、加入条件が緩やかな「V1000円コース」があり、入院・通院の日額や各種給付金の金額はコースによって異なります。
女性特定疾患に手厚い「女性コース」
「女性コース」は満18歳から満64歳までの女性が加入対象で、満65歳の満期日までが保障期間です。女性がかかりやすい病気(※)で入院した際には、通常の入院にプラスして共済金が支払われます。
※女性特有の病気である帝王切開・子宮筋腫・子宮がん・出産に関連する合併症、女性に多い病気である膀胱炎・慢性関節リウマチ・甲状腺腫・乳がんなどが対象です。
「L2000円コース」「L3000円コース」「L4000円コース」の3種類があり、告知事項はどのコースも共通です。
先進医療特約と個人賠償責任保険を付加できる
「たすけあい」の4つのコースにはすべて「先進医療特約」と「個人賠償責任保険」を付加することができます。「先進医療特約」は月掛金100円で付帯が可能で、健康保険の対象外である先進医療の技術料が1回あたり1,000万円まで保障されます。
「個人賠償責任保険」の月掛金は140円で、他人にケガを負わせたり、物を壊したりした場合に最高3億円の保障が受けられます。日本国内における賠償事故であれば示談交渉サービスの利用も可能です。
「たすけあい」についてはこちらの記事にも詳しい解説があるため、あわせてお読みください。
「コープ火災共済」の特徴は?
火災共済に自然共済を付加できる
先ほども紹介した通り、「コープ火災共済」へは「自然災害共済」を付加することができます。「コープ火災共済」で保障される火災や風水害に加えて、台風・竜巻・地震・盗難などについても保障を受けることが可能となります。
保険料が手頃
1口当たりの掛金は住宅の構造によって決まっています。マンション構造の住居については「風水害保障ありタイプ」と「風水害保障なしタイプ」があり、年払いの掛金はそれぞれ木造構造の半分以下となります。
住宅の70%以上の焼破損で全焼扱い
火災による損害は、程度により「全焼損」「半焼損」「一部焼損」の3つに分けられます。火災に対する共済金の支払いは1口あたり10万円で、住宅の70%以上が焼破損したときは「全焼損」とみなされ、契約共済金の全額が保障されます。「半焼損」「一部焼損」のときは、契約共済金額の範囲内で再取得価額が給付されます。
風水害等への共済金は、被害の程度が「全壊・流失」の場合は全額、「半壊」の場合は20%から70%未満の金額が給付されます。
ニーズに合った特約を付加できる
「コープ火災共済」には、以下のような特約を付加することが可能です。
・類焼損害保障特約…自宅が火災の火元となり周囲の住宅や家財に類焼した場合、類焼先に生じた損害が保障される
・借家人賠償責任特約…居住の借用住宅が火災・破裂・爆発・漏水などが原因で破損し、貸主に対して損害賠償責任を負ったときに保障される
・盗難保障特約…盗難等によって家財へ損害が生じたときに保障される
コープ共済の自転車保険って?
新コープのケガ保険
「新コープのケガ保険」には、自転車で人や物に損害を与えた場合に補償される「個人賠償責任」があり、最高で1億円まで保険金が支払われます。「新コープのケガ保険」の引受会社は東京海上日動火災保険で、日本国内での事故に限り原則として東京海上日動が示談交渉を行います。
自転車の賠償額限度額や補償内容については、こちらの記事も参考にしてください。
個人賠償責任ありを選べる
「新コープのケガ保険」は加入する際に個人賠償責任付加の有無を選択することができます。個人賠償責任を付加しなければ月々の保険料が90円安くなります。
しかし、個人賠償責任を付加しなければ、日常の偶然な事故で他人へケガをさせたとき・他人の物を壊したりしたとき等に補償されず、自転車による事故も対象外となります。また、家族の賠償責任なども補償対象とはならないため覚えておきましょう。
個人賠償責任に加入する際の注意点や支払い事例などはこちらの記事に詳しくまとめてあります。
傷害一時金プラン
「新コープのケガ保険」の「傷害一時金プラン」では、日常の偶然な事故で損害賠償責任を負った際、日本国内外を問わず補償されます。事故の日から180日以内に1日以上の通院・入院を行うと、2万円の一時金が支払われます。
入院または通院が5日以上となったときには傷害一時金払入通院給付金と同額か3倍、5倍、10倍の保険金が給付されます。なお、原則として傷害一時金払治療給付金とは重複支払いを受けられないため注意してください。
入通院日額プラン
「入院日額プラン」は65歳未満が対象で、ケガによる入院・手術・通院をした際には日数に応じて保険金が給付されます。先ほども紹介したように月額「1,400円コース」「900円コース」の2種類があり、給付金額はそれぞれ異なります。
まとめ
コープ共済の取り扱う共済や保険について紹介しました。共済と保険の違いや、商品・プランの選び方などについてはわかりにくいと感じる点もあるかもしれません。保険や共済に詳しい人が身近にいない場合、保険代理店で説明をしてもらうという方法があります。ぜひ気軽に足を運んでみてください。
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