医療保険には、大きく分けると掛け捨て型と貯蓄型があります。この記事では、それぞれの特徴やメリット、保険料相場などについて説明します。独自に行ったアンケート調査による人気ランキングなども紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
目次
掛け捨ての医療保険とは?
解約返戻金がない
医療保険に加入すると、保険料の支払いによって病気・怪我などに対する保障を受けることになりますが、掛け捨て型の医療保険には、基本的に解約返戻金がありません。解約返戻金とは、保険期間中に何らかの理由で保険を解約した際、積み立てた保険料の一部もしくは全額が返金されるというものです。この仕組みが適用されないのが掛け捨て型保険の特徴の1つです。
終身タイプと定期タイプがある
掛け捨て型の医療保険には、終身タイプと定期タイプの2つがあります。終身タイプとは生涯(もしくは一定期間)保険料を支払うことで、死亡するまで保障が受けられるタイプです。ほぼすべての人へ保険金が支払われるため、保険料は高くなる傾向にあります。
一方、定期タイプは、5年・10年などとあらかじめ定めた期間中に病気や怪我をした場合、保障が受けられるタイプです。保険期間中に保険金支払いがないことも考えられるため、終身タイプに比べて保険料は安く設定されることが多くなっています。
貯蓄型(積立型)の医療保険とは?
満期金や返戻金がある
貯蓄型の医療保険は、貯蓄と医療保障の2つの機能を備えた保険です。そのため支払った保険料は無駄になることが少なく、一定期間加入することで支払った保険料の一部もしくは同等の金額に該当する還付金が受け取れます。
保険期間中に解約するケースであっても、多くの場合には解約返戻金が支払われます。貯蓄をしながら医療保障も受けたいという人のニーズに応えやすい保険といえます。
また、満期まで病気や怪我をせず、保険金を受け取らなかった人に対しては満期保険金が給付される場合もあります。満期保険金は「自分で積み立てた保険料とは別に支払われるもの」であるため、掛け捨てタイプには満期金がない場合がほとんどです。
3タイプの貯蓄型とは
貯蓄型といわれる医療保険は、3通りに大別されます。1つ目は「一定年齢まで継続契約していると保険料の支払総額が返金される」タイプです。
2つ目は「加入してから一定期間が経過する度にボーナスが支給される」タイプです。3つ目は「保険期間中に解約した際、定められた額の解約金が支払われる」タイプです。1つ目と2つ目のタイプについては、保険料の支払総額から給付金総額を差し引いた額が支給されます。
掛け捨て医療保険のメリットは?
貯蓄型より保険料が手頃
掛け捨てタイプの医療保険の多くは、解約返戻金や満期保険金が設定されていない分、毎月の保険料が安く抑えられています。一方、貯蓄型の医療保険では、支払った保険料が無駄にならない仕組みがある分、保険料が高くなる傾向にあります。このように、掛け捨てタイプは保険を中途解約するつもりがない人や、保険料を安く抑えたい人のニーズに応えやすい保険と言えます。
保障内容の見直しがしやすい
掛け捨て型の場合は、保険の内容を変更してもこれまで支払った保険料に影響が出ることはあまりありません。そのため、加入期間が短い場合でも保険の契約内容の変更や解約がしやすいという特徴があり、ライフスタイルの変化にも対応しやすい一面があります。一方、貯蓄型の場合は、変更や解約を行うと積み立てた保険料の価値が低くなったり、解約返戻金や保険金の金額が減ったりしてしまう可能性があります。
大きなリスクに備えやすい
多くの場合、医療保険は保険期間がある程度の長期となることが見込まれます。現在より高齢となってから新規で医療保険へ加入しようとしても、健康上のリスクが若い時より高くなっているために保険料が高額となったり加入に条件がついたりすることが懸念されるというのが理由の一つです。
そのため、長期間保険料を払い続けることを考えると、比較的割安でありながら大きな保障が得られる掛け捨て型の保険を選んでおいた方が良い場合があります。特に子供が小さい家庭などにおいては、世帯主が働き盛りの間は掛け捨て型の医療保険で病気やケガのリスクへ備え、学費は貯蓄性の高い学資保険で別途準備するという方法も検討しておくとよいでしょう。
貯蓄型医療保険のメリットは?
保険料がムダになりにくい
貯蓄型の医療保険に一定期間加入し続けていると、積み立てた保険料に応じたボーナスや満期保険金が支払われることがあります。保険料は掛け捨てタイプよりも高額である場合が多いものの、その分保険料が無駄になることは少ないと言えます。保険を契約した後に解約する可能性があり、それまでに支払った保険料を無駄にしたくないという人に向いた保険です。
保険料控除で節税が可能
貯蓄型の医療保険では掛け捨てタイプよりも高い保険料を支払う場合が多いため、生命保険料控除の額は大きく・所得税の課税対象部分は小さくなります。保険料が比較的高額になる分、将来的に受け取れる保険金の総額や解約返戻金、生命保険料控除などへもメリットがあるという点も貯蓄型の特徴です。
貯蓄としての役割を果たす
貯蓄型の保険は、貯蓄が苦手という人にも適しています。満期時には積み立てた保険料の一部~全額以上が返ってくるため、貯蓄のように活用することができます。医療保険とその他の保険へ別々に加入すると手続きなどが面倒と感じる人にとっては、貯蓄型医療保険1本に絞ることによって管理がしやすくなるという利点もあります。
人気があるのはどんな医療保険?
20代~50代まで掛け捨てが人気
独自に行ったアンケートの結果、20代から50代までどの世代についても掛け捨て型の医療保険や共済が人気となっています。加入者数・満足度ランキングや商品の特徴については、各記事を参照してください。
また、自分で保障を選べる医療保険や、保険料が手頃・仕組みがシンプルな医療保険は世代・性別を問わず支持されています。以下の記事には加入者の口コミや評判なども紹介してあるため、参考にしてみてください。
女性には保障上乗せタイプが人気
女性には、通常の医療保障に加えて女性特有の病気やがんへ保障が上乗せされる医療保険が人気です。女性の医療保険ランキングの特徴は、加入者数ランキングと満足度ランキングではランクインする会社が大きく異なっている点にあります。保険料の金額だけではなく、保障内容やアフターフォローなども重視している人が多いことがわかります。
まとめ
ここまで掛け捨て型と貯蓄型の医療保険の特徴をそれぞれ見てきました。掛け捨て型は保険料が安く見直しがしやすい点に対し、貯蓄型は保険料を無駄にしにくく貯蓄を形成しながら医療保障を受けられる点にそれぞれメリットがあるといえます。医療保険を選ぶ際には、保険料と保障内容のバランスを考えて検討するようにしてください。