老後というとどんなイメージがあるでしょうか?ずいぶん先のことと感じる人もいれば、そろそろ考えなければ…という人もいるでしょう。現役時代のような収入が見込めなくなる可能性も高い老後ですが、生活費としてはいったいどれくらい必要なのでしょうか?
目次
老後に必要な生活費は?
老後に必要な生活費の予想額
金融広報中央委員会が平成29年に行ったアンケートによると、老後に必要な生活費の予想額はひと月当たり約27万円となっています。これは全世代の平均額であり、60代・70代のいわゆるシニア世代はひと月当たりの生活費は最低28万円は必要と回答しています。
老後の生活費の平均
総務省の家計調査によると、シニア世代を含む2人以上の世帯の1か月の平均支出は約25万円であるということです。この金額には住居費が含まれていないため、家賃や管理費などは別途かかると考えなければいけません。
老後資金の貯め方や必要金額について、詳しくは以下の記事を参照してください。
公的な年金でいくら賄える?
国民年金のみの場合
老後の生活費に充てるものとして、公的年金があります。公的年金には、自営業者などが加入する国民年金と、主にサラリーマンが加入する厚生年金があります。日本の年金制度は3階建てに例えられることがありますが、国民年金は年金制度の1階部分として土台になっており、厚生年金は2階部分に該当します。
生涯自営業で一度も会社勤めの経験がない場合、国民年金からのみ年金が支給されます。40年間に渡って満額の保険料を納めた人であれば、月額にして約6万5千円を受け取ることができます。
なお、年金の3階部分には厚生年金基金などがあたります。年金制度の概要や支給額について、詳しくは以下の記事を参照してください。
厚生年金の平均的な支給額
一方の厚生年金では、給与の額によって年金の額も変動します。厚生労働省が示すモデルケース(夫が平均的な収入で40年間就業し、妻は全期間で専業主婦であった家庭)では、国民年金・厚生年金から支給される年金の合計額は月額で約22万円となっています。
年金以外に必要な生活費は?
サラリーマンは月5万円が目安
先に触れたように、老後に必要な生活費の予想額は月額27万円です。しかし、平均的なサラリーマンが受け取ることができる公的年金は月額で22万円前後であるため、5万円ほどの不足が生じます。つまり、その分が公的年金以外に必要な生活費となります。
65歳まで働いたとして、「5万円×12か月×65歳から平均寿命までの年数」で算出される金額が老後のために準備しておくべき資金の目安といえます。
物価上昇への備えも必要
老後までまだ時間があるという人は、物価上昇のことも頭に入れておかなければなりません。現在の予想生活費月27万円だとしても、物価が上がれば必要な生活費も増加すると考えられるためです。
かつての公的年金は物価に合わせて金額が変動していました。しかし、平均寿命が延びて受給期間が長くなったことや、若者世代が減少していることを理由に「マクロ経済スライド」という制度が導入され、物価上昇率から0.9%を引いた率のみによって金額の改定が行われることとなっています。
老後の生活費の準備に向いた保険とは
低解約返戻金型終身保険
老後資金を準備するのに適した保険として、まずは「低解約返戻金型終身保険」が挙げられます。保険料の払込期間中に解約した場合には返戻金が少額(もしくはゼロ)となりますが、設定期間を超えて払い込みを行った後は通常の金額で解約返戻金を受け取ることができます。
払込期間中の解約返戻金を少なく設定しているために保険料が割安となっている点が特徴で、長期契約を前提として加入するのであれば効率よく資金を準備することができる保険といえます。
低解約返戻金型終身保険については以下の記事にも紹介されているため、参考にしてください。
個人年金保険
「個人年金保険」は、保険料を払い込むことで決められた年齢から年金を受け取ることができる保険で、公的年金の補填として活用することができます。条件を満たせば生命保険料控除を受けることができるため、節税にもつながります。
個人年金保険の概要やメリット・デメリット、保険料控除の詳細は以下の記事から確認してください。
養老保険
「養老保険」は、貯蓄型の生命保険のひとつです。加入した時点で死亡保障が付いており、被保険者が死亡したり、高度障害状態となったりしたときには保険金が支払われます。何ごともなく無事に契約期間を満了すると、死亡保障がなくなる代わりに同額の満期給付金の支給を受けることができます。
養老保険に関する基本的な知識は以下の記事にまとめてありますのでぜひ参考にしてください。
リスクをとるなら外貨建て保険
リスクをある程度許容できるのであれば、外貨建て保険も選択肢のひとつといえます。
外貨建て保険は為替の影響を大きく受けるため、円安のときには利益が出ても、円高になると元本割れを引き起こす可能性があります。しかし、円建ての保険よりも保険料は安く設定される傾向にあるため、メリット・デメリットを理解した上で検討してみてください。
外貨建て保険のメリット・デメリットなどは以下の記事にまとめてあります。
まとめ
老後に必要となる生活費の平均金額や、その準備方法などについて解説しました。公的な制度や景気などは変動の可能性もありますが、およその参考にはなったのではないでしょうか?紹介した中には仕組みが少し難しい保険などもあるため、家計の相談とともに保険代理店などを訪ねてみることもおすすめです。
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